2012年8月6日月曜日

S2-Ep.3の英文誤読終わった!その5 (ネタバレ)

某所にて4/28公開 
5/1 15:53 転記(但し日本放映前のためネタバレ部分白文字)
8/6 22:00 BSにて放映したため日付変更の上、文字色を変更。
 
 
 以下、UK版DVD Chapter7−8の雑感です。誤読しまくってますが、一応ネタバレ扱いとしておきます。それでも大丈夫&間違いまくってる感想でもOKという方は反転してご覧ください。
 ◯Chapter7
・ゴムボールを扱うシャーロック。
 ガイ・リッチー映画であったトリックなのかと思ったりな場面です。
 けどね、床に座ってボールを投げてるシャーロックの表情と様子が寂しそうなのが…ホントにもうね。なのに、ジョンが来たら「いつものシャーロック」になるのがこれまたちょっと切ない感じがします。
 
・ジムとシャーロック@屋上
 とにかく観て、彼らから何か感じてとしか言えないです。どんな感想を書いても文字を連ねても、彼らが見せて聞かせてくれる事以上はは伝わらないと思います。
 ジムとシャーロックの対話や行動について分析(というほどでない)はしたいですが、それにはやっぱり言語の壁が厚く立ちはだかってるわけでして…。吹替を待って少しずつ整理していきたいとか思ってます。と言いつつも、やっぱりこの場面は凄く好きなので雑感めいたことを。

 確かに"The Reichenbach Fall"だ!!!凄いぞ!!なるほど!!と落ち(なのか?)が分かった瞬間、膝打ちしました。いや、制作陣のシャーロック・ホームズへの愛情って深いわ、と何度か目の再確認でした。
そして、やっぱりS1-Ep.1への回帰というか仕掛けなのか?とか。
 
 ジムが上手く言えないけど「子供」です。好奇心と悪戯心、痛みを知らないが故に持ってられる根源的な殺意と悪意が削がれないまま成長した子供。 対峙するシャーロックも同じ資質を内在してる。違うのは、悪意と殺意の量。そして、理解者が傍に居るのかそうでないかだけ。シャーロックは本人にとって好むと好まざるとにかかわらず、マイクロフト兄が最初の理解者だった筈。そして、肉親という囲いから出ようと足掻いてた時に、彼にとって最大の理解者であり受容者であるジョンを得た。
 けれど、ジムにはそういう存在が無かったのだろうと推測してます。だから、そういう存在を得たシャーロックに対し「嫉妬」めいた感情もあるのでないのかと。じゃなきゃ、ジョンやマイクロフト兄に接触しないよなぁとか思います(マイクロフト兄は『歩く国家』だから仕方ないとしても、ジョンへの絡み方を考えると)。また、執拗なまでにシャーロックに「死」をせがむジムを見ると、そいう存在を得たシャーロックが目障りだったのかと。

 同じ("You are me.")だった筈なのに、同じであるはずなのに、それだけが違う。そのことに得体のしれない焦燥なり鬱屈なり憎しみなり嫉妬なりを感じて、ジムなりに出した答えが「死」だったのかと。そう考えるとジムが抱える闇や恐怖、昏い愉悦がものすごく怖く感じられます。彼は一体どんな世界を見て、どんな世界に生きていたんだろうかと。
 そんなジムに翻弄されまくるシャーロックですが、彼が見出した最終問題への解もね…。ジムと自分は同じ("I am you.")だと認識した上で、ジムが想定したのとは異なる覚悟を決める。その底にあるのは、彼が得た「友人」の存在ってのがもう…。直前のジョンの台詞 やS2-EP.2の台詞が綺麗にここで活かされてるのが凄いなと。
 また、ジムの中にある狂気(この表現が正しいかはわからないですが)は、シャーロックの中にあって自覚してるっていう感じもあって…。なんともうまく言葉にならないのが悔しい(苦笑)

◯Chapter8

・シャーロックとジョン
 シャーロックの嘘は、ジョンが傷つかないための嘘。シャーロックが「自殺」した後、ジョンに降り掛かってくる火の粉や攻撃から守るために最後に できる最良の嘘。守るつもりで傷つけてるんだと気づいても、シャーロックの嘘はジョンを守る最強の盾。今書いてて気づいた!だから"leave a note"なんだ!!(頭悪くてすみません_;;;)。けど、声が揺らぎまくってるし、ホントは本当は最後まで信じてて欲しいのが駄々漏れ。「だから」な のか、「なのに」なのかはわかないですが、ジョンがシャーロックを信じて揺るがない姿にシャーロックは救われたのじゃないのかと思います。
 
 ジョンは騙されたなんて露とも思ってないし、シャーロックが何故「自分に嘘」を言うのかを必死で考えてる。そして彼なりに出した答えがジョンと シャーロックにとって「最良」でないから、その答えを拒絶してる気がします。ジョンは自分が傷つくことは全然構わないんだと(ことシャーロックに関しては)思った場面。シャーロックを庇護することが、ジョンにとって当たり前なんだと再確認させられました。ホント、どこまでもどこまでもシャーロックに甘いぞ(涙)。
 ジョンの"shut up."は聞きたくないからでなく、シャーロックにそれ以上傷ついて欲しくないからと解釈してます。自身の言葉で身を切るような痛さをそれ以上シャーロックに味わせたくなかったのだろうと。
 
 "keep your eyes ~"な言葉は、バーツでモリーがシャーロック言ったとジョン言葉と対なのかと。シャーロックはジョンが見ていないときは"sad"に見える、とすればジョンが見ていてさえすればシャーロックは「彼らしく」ある事ができる。ジョンが見ててくれるからこそ、シャーロック自身が決めた「死」を演じきることができる。だからこその言葉だったので無いのかとウロウロ考えてしまう言葉の一つです。落下する恐怖があり、そこから踏み出すためにはジョンの「目」が必要だったのじゃないのかと思ったりします(トリックを万全に準備していたとしても、幾ばくかの本能としての恐怖はある筈。S2Ep.2で恐怖を知った彼ならば尚更)。
 胡散臭い感想もやはりありまして(笑)。これってある意味告白なのかもしれないと(^^;;。ジョンが見ていてさえいれば、なんだってできる(激しく妄想訳)な感じじゃないですか。どんだけ、ジョンの存在が大きいのかって。

 初対面を語る二人というか、シャーロック。初見時にも書きましたが、この時のシャーロックは悲痛で仕方ないです。出会いを否定してしまえば、その後の生活全てが「嘘」になる。声はそれまで以上に揺らぎまくってるし、言葉と裏腹に声と表情と瞳が「辛い!痛い!」と叫んでるかのよう。とにかく、言葉を必死で絞り出して、自身をも抉ってるかのような悲壮さがあります。この時のシャーロック@ベネディクトはホントに綺麗だし、魅入ります。


 胡散臭い感想としては、誤訳しても一連の場面はやっぱり盛大な「一目惚れ」告白としか思えないんだよなぁ、ここの台詞は特にです(^^;;。確かに 初対面でジョンを同居人を決めた時点でシャーロックの「一目惚れ」だとは思います。けど、こう告白されると聞いてるほうがこっ恥ずかしいぞ!とか 思っちゃうくらいの、告白な気がしてなりません(テンション上げなきゃやってられないの…)。


・落下

 ジョンから音が消失。自ら脈を取り、「彼の死」を自ら確認して、力が抜け、何かを閉ざしたジョン。GRANADA版ガイ・リッチー版と比べる と、このジョンが一番悲惨で辛いんじゃないかと思うのです。なんでジョンばっかりこんな場に立ち会って、傷つかなきゃいけないのかな…。
 後ろから来る自転車乗りもトリックの一環なんだろうなとか予想中。そして、倒れてるシャーロックがやたらめったら綺麗でどうかと思うのですよ(^^;;。てかベネディクトが真剣綺麗なんです。
 
 マイクロフト兄ちゃんがこのトリックに一枚噛んでいるのかどうなのか。S3で明らかになるでしょうが、あの1シーンだけでは分からなさ過ぎてモドカシイ限りです。制作陣はシャーロキアンの集団だから大筋から外れたことはしないはずなので、きっと兄弟の計画なのだと思うことにしてます(じゃなきゃ辛すぎて)。
 落下のトリックについて、YouTube等で検証されてるのをみて英語が分からなまでも楽しんでます。ゴムボールが出てきたので替え玉説はないと思うのですが、落下時の衝撃軽減トリックが全く分からないです。S3がどう説明してくれるのか楽しみです。

・墓地

 ジョンが怒ってるのは「彼が死んだこと」そのもの。しかも、嘘とわかる嘘をついてまで。親しい人が突然逝ったらやっぱり腹が立つんです。なんで?なんで勝手に?って。その腹立ちはハドソン夫人が表現したようなことも含んでたりするんですよね…。だから、ハドソンさんの言葉も分かる。日常の小さな出来事を思い出して小さく腹を立てでもしなきゃ、置いていかれた方はそこから一歩も動けないんです。
 そういった意味だと、ジョンはしばらく動けないままなような気がします。彼が怒ってるのは、根源的なことで直ぐに流せない流すことができないことで怒ってるから。
 

 そして、ジョンの告白。凄く凄く想いを伝えてる言葉。ジョンにとってのシャーロックの存在が、ジョンにとって救いになってた。なんて盛大な告白?!な気分でした(すみません、こんな感想で^^;;)。
 そしてここで"I owe you"が出てきます。ジムとジョンが同じ事を告げるんですよね。なのに、伝わる感情や想いは真逆。巧いなぁ、ホントに。

 "Would you, just for me, just stop it? Stop this."

 これを聞いた瞬間、ジョンが切なくて。S2で散々シャーロックと社会とを結びつけようとしてたジョンだから、この言葉に色々なものを感じまし た。BBC版『SHERLOCK』のジョンとシャーロックらしいですし、この期に及んでもシャーロックと社会を繋ごう(=生を望む)とする想いとかがある気がします。 

 お墓に触れるジョン。YouTubeのファンムービーをしつこいくらい見て漸く気付いたんですが、初めてジョンがジョンの意思で感情を込めてシャーロックに触れたことに。初対面の握手とかベッド放り込み(笑)とか、シャーロックの希望で殴ったことはありました。けど、ジョンから彼に触れた場面ってないと思うんです。最大燃料投下な手錠逃走場面でもジョンは「袖口」を握りしめてるだけで。シャーロックを窘めるときも、言葉だけで身体接触はしてないんですよね。
 この期に及んで漸く、基本ジョンはシャーロックに対して程よい距離を置いてたんだ!と今更ながら気付きました。だからこそ、少し周囲を見回して怖ず怖ずと触れるジョンの姿に意味があると思ったりします。そして、それを見てたシャーロックとかって…。

 お墓の前から立ち去るジョンの挙動に「軍人」らしさを見、出会う前に戻ったのかと感じました。いや、この時のジョン@マーティンが真剣男前過ぎてどうしようかと思うんですが(^^;;。


 S2クリフハンガー。シャーロックはジョンの告白聞いてたんだよな…。S3はきっと復活からなんでしょうが、どんな「復活」が見られるのか今から待ち遠してなりません。


 まとまりのない長々とした感想とも言えない内容を最後までお付き合い下さりありがとうございました。


< 8/6 追記 >
 日本語字幕版を視聴したものの、やっぱりウロウロしちゃってます。もう一度吹替版を観て何か残せたらなぁと思ってます。