2004年8月30日月曜日

04年大河に関して思うこと。

 このドラマ、ナレーターが一切入らないので、見る側が感覚を全開にしなくては取り残されることが多いです(フル回転させても理解できてない私は、この際放置しておいてください/苦笑)。
 一話見るだけで精根尽き果て、挙句次の週まであれやこれや自問自答しながら悶々と過ごさなきゃならい事がしばしばだったりします(特に鴨・新見が死んだ回とか29話以降とか)。時代劇(しかも「大河」)で悶々とさせてどうします???。これは、「次回をワクワクして待ちわびる」大河じゃないですよ、三谷さん。
 お茶の間に優しく無い大河だよ...三谷さん。

 と、この際(どの際何でしょう?)理不尽な怒りをぶつけてみました(すっきりした〜)。

 その辺りに今までの『大河ドラマ』が「お茶の間」に浸透してきた理由と、今回の三谷脚本が受けない理由が薄っすらと理解できた気がしてます。何が一番の差違かというと、1日1話形式や劇中にナレーションが入らない事。これだと、否が応でも「流れ」自分で補う必要が出てくる。もし補わないまま見てると、益々「間」が見えず置いてけぼりになる可能性が出てくる。連続ドラマにしたら物凄いリスクだと思いますよ。

 しかも、劇中で心象が具体的な「言葉」として語られることが、ほとんど無い。確かに、時折漏らす事はあるけれど、決定的な言葉としては語られない。
 特に、30話以降ときたら最小限の「台詞」と役者の表情だけで、時間の流れとそれに伴う感情の変化を推量しなくてはならないという、お茶の間ドラマとしては無茶な要求を視聴者にしてる気すらします。そして、その正解は示される事なく、何もかもひっくるめて「流れ」に飲み込まれる様な気がしてなりません。

 転じて今までの『大河』は、お子様からご老人までを対象にしてるんで、非常に解り易い&取っ付き易い形式だったと思うんです。予め答えは用意されてて、それを俯瞰することで歴史なり人生を追体験するという、心地よい解り易さがあった様に思います。
 シナリオ集まで読んだくらい嵌った「独眼竜」例えに出しますが。
 お東の方と政宗の和解とか、小十郎殺害の政宗の慟哭とか、政宗毒殺時のお東の方とか...絶対に「この場面の彼等はこういう事を思ってるんだよ・考えてるんだよ」って「答え」が用意されてたんです(ナレーション含め)。それも話を跨ることなく。それに、「悪」が明確だったし(最上義明とか石田三成とかある時期までの秀吉とか)「理想」「目的」も明確に描かれてた。

 ところが、三谷さんはそれをしてくれない。どうかすると首根っこ捕まれて歴史の真っ只中に押し込まれる感覚すらある。当事者達と近い目線で見る事を強いられる、そんな思いすらします(34話のコメディタッチですら、それを感じます)。
 しかも、絶対悪や「壁」が存在しない。新見や鴨、長州勢ですら「一人の人間」として描かれてるから、常に「何故」「何がずれてこうなったのか」と疑問を抱えて見なきゃいけない様な気になる。その上、理想ときたら当時の時代同様揺れ捲くってるし、非常に据わりが悪く感じる。

 そんなこんなで、歴史(ドラマ)を俯瞰で見ることに慣れた多くの人に、今回の『新選組!』は嫌われるのだろうなと思ったりします。答えが明示されて無いし、見えないんだもの。たかがドラマでシンドイよね(苦笑)
 しかも、随時に「笑い」があるから「歴史ある大河」や「偉大な歴史上の人物」を馬鹿にされてる気がする感覚もあるんだろうな...と思えるようになりました。
 (ただ、三谷批判で間違ってるなと思うのは、三谷「ギャク」と捉えてること。決して、無茶な言葉で無理やり笑いを取る作品を造る脚本家じゃ無いのに。三谷さんは人が当り前に持つ「可笑しさ」を見せる場を作る脚本家なのにな、と思うわけです。「コメディ」と安い「お笑い」を混同しちゃ駄目だと思いますよ、本当に)

 〔上記、誤解されそうな表現だと思ったので追記です。私も「お笑い」は大好きです。地元柄、幼い頃からベタな吉本新喜劇に親しんできたし、好きな分野でもありす。お笑い芸人さんの方が色んな意味で達者な方多いとも思ってます。ただ、最近のTV芸的なインスタントな感じのお笑いと、それらは一緒にしちゃいけないと思ったりもしてます。で敢えて「安い」を付けさせて表現しました。分かり難い表現で気分害された方、本当にごめんなさい〕

 そして、三谷さんの描く人物の小さや弱さ・狡さ・情けなさが愛しく可笑しいと思えるのは、その視線が優しいからだと強く信じて疑いません。しかも、ちゃんと活きてるし。だから、なんと言われようと三谷作品が大好きなんだよな、私。

しかも、優しいけれど、どっぷり浸る甘さはなくて、むちゃむちゃ醒めて突き放す眼があって。そのバランスや揺らぎが絶妙に心地良い温度感だったりするんだ、私にとっては

新選組!34話【池田屋大騒動】感想

 危惧していた程、ドタバタコメディじゃなかったので安心しましたf(^^;;。それでも、三谷色全開だったので楽しかった~。前回との落差ですが、あれ位なら1年間の長丁場の緩急としては充分許容範囲で無いかと思います(けど、嫌がる人も多いだろうな・・・)。

 で今回は、何なんだろう・・・
 女性陣の対比だったり、近藤(=新選組)が時代から切り捨てられ、軋みが見え始めたり、5話が完結した(え)した話なのかと思ったり。

 坂本・桂が近藤に対して、距離を置いた事が解り易く提示される場面が多く、新選組が歴史の本流となる流れから取り残されつつある事が見えた気がしました。先が見える(見よう)としている人間を切り離し、そしてそういった人から切り離されていく悲哀。そして、既存の組織に拘泥しそこから動けず、動けないことが悲哀と見えない悲劇。何より坂本の苛立ち(諦観)と桂の嘲りが、強く印象に残りました。

 もう一つ印象的で哀しかったのは、山南さんが想う「国」の行く末を「託」したのが坂本であった事。そして、あの一文(切れ端だったよ・・・)で山南さんが「託」したかった事を汲取り動いた坂本に、脱藩したことによって得た柔軟性、時代の本流となっていく者の強さ、冷静さと知性を感じ新選組との違いに愕然としました(桂も藩を背負ってる割には柔軟なんだよな・・・本当に)。

 山南さんは「自分の居場所」だけを新選組に求め、もっとも強かったであろう想いの部分はとっくに見切っていたのだと思うと、遣りきれないです。今になって綺麗に逝った山南さんを「狡い」と思ってる自分がいます。ただ、その狡さも弱さもひっくるめて魅力的だったんでしょうね、きっと。
 しかし、最期に辿り着いたのが「人との繋がり」と「何にも属さないことのしなやかさ」で、それを体現してたのが明里であり坂本。そして、組のなかでは唯一沖田だったのかと・・・。坂本への手紙を託したのが沖田だったってことが、辛いやら切ないやらです。

 以下印象に残った場面についてのみ箇条書きで。

 ・西本願寺での土方vs伊東は、伊東の落ち着きの悪い表情が痛かったです。どうせ聞いてはもらえないと諦めてるのか。聡いだけにあの場は辛かろうな、とご同情申上げたいです。ただ、ある時期の山南さんだったらあの場で土方を窘めてる様な気がしました。そういったストッパーが居なくなったことが、土方・近藤(=新選組)にとっては痛手なのかとも。
・あんなことしてたら、京の人から嫌がられるわ・・・やり方が無粋だし、京の「美」や「歴史」に対する「矜持」を踏みにじる行為だと思われても仕方ないわな・・・
・おまさちゃん、手強いですな~。頑張れ左之!
・沖田と平助の吃驚顔はやたら可愛かった。久し振りにはしゃぐ仔犬コンビを観られただけで嬉しいって。
・沖田の「江戸に手紙書いて全部伝えますからね」とか、「落ち着け平助」(「お前が落ち着け」と突っ込んだ人多数かと)とか、土方に言われて悔しかった言葉をそのまんまひで嬢に突っ返すとか、久方振りに子供っぽい部分が多くて、多摩時代を思い出し懐かしく感じました。
・平助の「間の悪さ」がまた可愛くて(笑)。彼はある意味トラブルメーカーかと思い始めました。
・『婚礼の日に』がある意味伏線だったとは。見続けてる人へのご褒美でしょうか(笑)
・久し振りに「一ちゃん」のお尻にブンブン振ってる尻尾が見えました(^^;;表情も仔犬だったし・・・。そうか、君のご主人様は近藤でも土方でもなくつねちゃんでしたか(違)。恐らく年相応の表情を見せたのは初めてではなかろうか、と思ったり。そして、ずっと5両を気にしてた一ちゃんが、可愛いと思えました(これで、5話の伏線は全て回収ですよね?三谷さん)。

・つねちゃんと太夫。
 確かに深雪太夫は綺麗でしたが、二人で対峙した際の存在感は、田畑嬢が演じてるつねちゃんの方が遥かに強くて。更に、女性のしなやかさや強さ、優しさ、可愛らしさ、そして妬心なんかをつねちゃんにより強く感じさせられたのは、田畑嬢の巧さなんでしょうね。(ホント綺麗だけじゃ女優じゃないわ)
・山南さんが「居ない」ことに違和感を感じてました。ホントに人が居なくなることの大きさを感じさせる作りに脱帽です。
・似てると言われてた、おみつさんとお登勢さん。お二方とも役割としてはコメディエンヌなんですよね(色は違うけど)。おみつさんの軽さと登勢の気風の良さが同時に見れるとは、いや~素敵です(笑)
・桂のねちこい含み笑顔がとても素敵(?!)でした。見える人から見たら、近藤や新選組の危うさは「間が抜けてる」「愚か」としか思えないんだろうな、と臭わした部分だと思ってます(まるで、大人と子供)。
・源さんの「恋をしました」は一番似合わない分、何とも居えず生々しくて可笑しかった。
・土方の「悪い笑顔」全開にはもう好きなようにしてくれと、何も言うまいと。ただ、鼻血だしても色男ってどういう・・・(笑)
・近藤の「皆、それなにりありがとう!」(すみません、台詞覚えてません;;)は、これまでの彼の台詞の中で一番の名台詞だ!と思った私は間違ってますか!?


 

2004年8月27日金曜日

八嶋武田@スタジオパーク

 総司と平助出演の回が録画できず、武田の時にちゃんとできたのか??非常に謎です(笑)。思い入れは、前2者の方が強いはずなのに(失礼です)
そんな事はさて置き、とりあえず感想です。


 55分間、充分楽しませてもらいました♪あのサービス精神には「お見事!ヤッシー」としか言い様が無いです。それに、非常に頭のよい方ですね。
 会話のテンポの良さ、言葉の使い方の的確さに「嫌味」のない「賢さ」を感じました。また、役者になろうと思った契機を聞いて、「この人ホント頭良いわ・・・」と感じました。普通、中2で「絶対は『死』しか無い」とは思わないですよ(^^;;;。で、そこから「多くの人の記憶に残ってたいから『役者』になりたい」って発想も凄い。流石、奈良女付属中・高卒業・・・(確か、ここ国立の筈なので、むっちゃ凄いです)

 けど、やっぱり「動き」が五月蝿かった(笑)。本当に落ち着きが無いのか、煩いキャラを作ってるのかは謎ですが、兎に角動きが気になる男、ヤッシー。

 武田役に関しては、三谷さんの狙いはほぼ当ったかと思います。小狡くて鬱陶しいけど憎めないキャラは、八嶋だからこそですよね、ホント。ただ、八嶋も幾度か言っててましたが編集・カット割で実際の放映時には伝わらない部分があるんだろうなと、やはり思います。
 例えば、武田面接の際の説明台詞は、バッサリ斬ったらあかんかったやろう・・・NHK(泣)。33話の三谷の演技指導は、やはりどうにかしても活かすべきだったんじゃなかろうかと(そうか、武田は悲しかったんだな~と昨日知りましたよ。NHK・・・伊東との比較も面白かったのに全くもって勿体無い事を。ブツブツ)。

 で、三谷からの「愛」ある手紙。
 いや~八嶋の突っ込み炸裂で非常に笑わせてもらいました。良いもの見せれくれて有難うです(笑)。しかし、相島@スタパとか生瀬@おしゃれ関係とか、作・演出した俳優さんに対する、三谷さんの思い入れは凄いな~とつくづく思います。できることなら堺さんの時にも「何か」して欲しかった・・・と思うのは贅沢なんでしょうかね(ズレてきてますよ~)。
 タパ等々で三谷が「信頼する役者」という方たちの素顔を、垣間見ることができるのは本当に嬉しい限りだな~と昨日はつくづく感じました。

『鈍獣』感想

 クドカン脚本初体験ということもあり、かなりの期待と少しの不安(相性的な)を抱えて劇場に足を運びました。

以下ネタバレ含んだ感想です。

 なんと言うか…
 兎にも角にも三銃士の怪演というか、あの独特な存在感に圧倒されたお芝居でした(笑)。
 唄い踊る古田新太、踊りボケる生瀬勝久、駄目っぷりが見事だった池田成志に、思いっきり振り回された2時間強でした(笑)。そして何より、女装してる3人のコント(え?!)に「この人らここが一番楽しそう^^;;」と思ったのは、気のせいじゃない筈。
 
 舞台装置も凝ってて、場末特有の微妙な「安さ」と「豪華さ」が相まってホント異様な空間だった様な(笑)。それがまた、役者の「アヤシさ」とマッチして何ともいえない雰囲気でした。また古田が歌ってるときには、歌詞が電光掲示板に流れたりと非常に凝ってました。ただ、あの肖像写真は良いのか?古田??と思ったり(笑)

 危惧していた脚本との相性ですが…
 合う合わないレベルで言うと、正直合わなかったかな~という感じです。本当に微妙なんですが(>_<)。空間・時間の流れ・人の絡ませ方なんかは、本当に巧いなと思います。色んな事象がループして、結末に近づいて行く辺りなんかの構成力も凄いと思うし。  惜しむらくは、言葉がすんなり入って来なかった事と、提示された「怖さ」が(私の中で)消化不良になった事。  言葉に関しては、一つ一つは印象的だったり、面白かったりするんですが、全体を振り返ると「残らなかった」んです。また伏線になってる台詞もあるんだろうけれど、それが見えなかったし最後にカタルシスも味わえなかった(T^T)。ある意味、勿体無いな~と思いながら観てしまいました(いい台詞一杯在ったと思うのに)。  「怖さ」に関しては、すみません。先に謝ります(気弱な態度・・・)。怖くなかったです。  というか、これだったらTV鑑賞だった『こどもの一生』とかDVD鑑賞の『Vamp Show』の方が怖かったかもですf(^^;;;。後者2つについては納得できる「理」があって、それ故に怖かったと思うんです。  『こどもの一生』は、大人が「こどもの残酷さ」を持つ事、空想が現実になり「常識が壊れる」事、そして追い詰められる事、それらの「怖さ」があった。  『Vamp Show』は、人が「仲間」を殺していく時に感じる様々な恐怖。そして、突然「日常」が壊れることの怖さがあった。  そして両者とも「人でないモノ」と対峙するからこその「怖さ」もあり、その「人でないモノ」の定義づけが明確だった為一切の疑問を挟む余地が私には無かったんです。だから、人の残酷さや狂気がより浮き上がり、其処を「怖い」と感じたのかも知れません。  転じて『鈍獣』。  確かに「常識が通じない」世界特有の怖さや浮遊感はありました。ただ、「怖い」と感じたのは岡本が凸山を撃つ場面だけで・・・。今までのらりくらりしてた人間が突然に見せた「裡に抱えている冷酷さ・残酷さな性」が、怖くてなりませんでした(それらの性を自覚ながら表面には見えない、見せない人間の怖さも含めて)。  けれど、凸山が何度も戻ってくる事の「怖さ」は最後まで理解できず。そこが理解できなかったため、あの世界の恐怖が「共有」できなかったのかもしれません(--;;;。また、劇中でも「鈍い」と理由付けされてはいるものの、「何故?」が始終頭から離れませんでした。あの理屈付けさえあったら、人間の「鈍さ」をもっともっと「怖い」と感じれただろうに・・・と思わずにはいられませんでした。  美味しい設定だったのに。もう少し何かが欲しかった気がしてなりませんでした。  しかし、こんな風に引きずれるのがクドカン作品の特徴だとしたら、すっかり罠に嵌ってるのかもしれません(笑)。結局のところ、私が感じる「恐怖」と今回の「恐怖」がズレてただけなんでしょうが。そういった意味では、少し消化不良な観劇でしたm(_)m  女優陣に関しては、可愛かった~と「あの」おじさん達と一緒に良く頑張ったねとのコメントだけで(爆)

2004年8月24日火曜日

そうだったんだ。

 日参させていただいている 白牡丹のつぶやきで考察・分析を拝見しては、毎回喉に刺さってた骨が取れるような思いをしてます(よく解らない例えでごめんなさい)。
 第33話「友の死」……真の悲しみは言葉で表せない(続)を拝見して非常に腑に落ち、池田屋以降の土方・山南さんの関係が納得できる気がしました。

 
斎藤さんが語る、土方さんと山南さんの信頼関係。これは、池田屋に先立って、文久3年秋から暮れ頃、または元治元年1月とも言われている岩木升屋事件。
 (中略)
 ともあれ『新選組!』では、土方さん、山南さん、斎藤さんが踏み込んで、浪士たちを斬るという展開。そして、刀を折られた山南さんが浪士に追い詰められた時に、土方さんは山南さんを助けるために浪士を斬る。

 これは、私が先日の雑感内で完璧に抜かしてた部分です。大切で重要な場面と感じながらも、すんなり記憶に入ってこなかった33話唯一の場面でした。この場面を白牡丹さまは下記のように示されます。

これが、白牡丹が「ミッシングリンク」と呼んだエピソード。芹澤鴨さん達を暗殺した時に、山南さんは人を斬れないという限界を知った。その場に居合わせたのは左之助くんだけで、土方さんは知らない。だが、この岩木升屋事件で、土方さんは、北辰一刀流免許皆伝でありながら山南さんが実戦で戦えないことを知ってしまった。
 大刀を折られたら、普通は脇差しを抜くはずだ。でも、手を掛けていながら脇差しを抜けない山南さんは、実戦向きではない。

 この部分を読んで、欠けていたピースが嵌った感覚になりました。
 何故、池田屋事件や禁門の変で、土方が山南さんを実戦部隊から外したのか。
 何故、外されたことについて山南さん自身が嫌悪を示さないのか。
 それは、芹沢暗殺で山南自身が、枡木屋で土方が気づいた「山南の弱さ」を基に築いた間柄だったからなんだと、初めて気づかされました。

 次に白牡丹さんはこう示されます。

池田屋事件、禁門の変の出動の時に、なぜ土方さんが山南さんを屯所の守りという後方支援の役に就けたか。それは、土方さんが山南さんを疎んじたためではなく……土方さんなりに、山南さんを気遣っての配置だったのだ。

 これは、土方視線を持っておられる白牡丹さんだからこそ理解できる、「気遣い」だと感じます。そして、ある時点まで土方と同じ視点に立っていたであろう、山南さんにとっても「理解」し得た筈です。
 ただ、山南さん視点を想像すると。
 一度実戦から外れてしまった以上、山南さんがある種の「疎外感」を感じずには居れなかったであろと思います。人は一度でも疎外を感じると、「視点・視野」も変化すると思うのです。その変化は、何より北辰一刀流免許皆伝という「矜持」が僅かでも傷つけられたと感じる方向に作用したとも思います。また、「武」が無理なら「文」でと方向転換しようとした際に、伊東一派の参加があった。そして、ますます「自分が作り上げた疎外感」を感じたのではないかと考えます。
 そして、「疎外感」を覚え視点・視野が変わったが故に、一度は受け入れたはずの「気遣い」が見えない棘になって、山南さんを追い込み脱走まで突き進んだのではないかとと想像します。

 
もちろん、新選組を戦闘集団にするために、後方に就く山南さんを含む隊士に褒賞金を出さないということはあったけど、それすらも、このことで山南さんが自分の共犯者であることから離れはしないだろうという土方さんの甘えがあったのだ……(以下略)

 この部分に関しては大きく頷きました。

 前回の「あんたの進むべき道は俺が知ってる」(凄い言葉だと仰け反りましたが・・・)は、土方にとっては、互いに「進むべき道」を模索してると信じてたからこその、最大の引止めの言葉だったんだなぁと改めて感じました。また憶測ですが、言外に「俺の進む道もあんたが知ってる」と伝えたかったんではないでしょうか。それは、同じ道を違う視線・視野で歩むことで、「組織」を成熟させることができると土方は信じ、山南も同じ思いだと信じてたからこそ、伝わる言葉だった。
 けれど、それは土方の幻想(甘え)でしかなく、山南は既に違う道を模索してた。そこに気づかなかったことが、山南さんに対する最大級の甘えだったんじゃないでしょうか。

 また、土方の幻想は山南さんの死の直前まで持ちつづけ、一方山南さんも一度は離れかけたけれど「悔やむことはない。君は正しかった」と土方に伝えたことで、同じ道に踏みとどまった(振りをしたのかも知れませんが)。土方だけの幻想では無いと、同じ道を歩んでたんだと最期の最期で土方の甘えを受け入れたようにも感じました。
 「此処には私の居場所が無い」と感じた者と「あんたの居場所は其処しかないだろう」と確信してた者のすれ違いは、本当に大きくて。最後に土方は「あんたの場所は此処にあるだろうが。なんで見えないんだよ」と無言でで叫びつづけてた様な気がしてなりませんでした。

 これから本当に土方・近藤は「組織としての」片輪を失って迷走し、振り返ることも立ち止まることも許されなくなるんだろうと痛感してます。








 

2004年8月23日月曜日

新選組!33話【友の死】雑感4

○明里との別れ
・「うちはあんたのものやさかい」 優しい柔らかい束縛。ただ、その束縛は優しすぎて彼の今生での一切を綺麗なものに変えてしまった様な気がしてなりません。明里の眼から動揺や彼女の「優しい嘘」が見て取れました。
・互いに「嘘」だって事を知りながらも、口に乗せられる言葉は「いつか必ず真実になる」と思ってるような気がします。
・今生での最期の未練が明里であったなら、それを断ち切ったのも明里だったを思わずにはいられません。彼にとって明里は今生で回り逢えた仏だったんだろうかと。
・近藤の慟哭が刺さりました。今までとは違う香取慎吾を見ましたよ...。

○縁側の3人
・「私の好きな人は私の刀で死んでいく。そんなことの為に剣が強くなりたいんじゃない」
 沖田の剣は、綺麗なんだと思います。だから、浄化されたいから沖田を選ぶ。そんな気がします。でも、沖田自身にすれば本当に自分の身を削られるくらい、痛切な思いをしてるんだろう。

○土方と
・「君は間違っていない。私が腹を切ることで新選組の結束はより強くなる。それが総長としての最期の役目」
この言葉が全てです。言葉が見つかりません。本当に...。堺山南・山本土方の凄さです。

○明里と出窓での別れ
・菜の花と「私の負けです」の声と表情だけで充分です。
・菜の花を受け取る場面は、過ちを許せた事の象徴なのかもと思ったりしてます。
・この瞬間二人が描いた、普通の幸せが成就したのかもしれない。決して悲恋ではないです。
・「寄り添う」ってこういう事を言うんだ。
・「人の道に外れたことはしてはりません」「なら良かった」 強いよ。ホント
・鈴木明里が最後の最後に見せた泣き顔が、哀しくて愛しくてなりませんでした。
・あの部屋で、彼女と山崎の遣り取りを聞いて微笑んでるような気がします。

○切腹
・座してる幹部連の表情が、一杯一杯の感情なのが見えて 本当に堺山南の最期だと思い知らされました。
・彼の空気が余りにも透明で澄んでいて、神々しささえ感じました。
・「おきたくん」最期まで沖田を指導して行くんだ。

○縁側の近藤・土方
・伊東さん...空気読んでくれ;;
・「あなたに何が解る!!」
・土方のグダグダな姿で、一切の思いが透けて見えた気がしました。一番辛くて悔しくて情けなくて哀しいのは土方なんだ。でも、山南が土方に託した思いは誰も肩代わりできない。土方は振り向いて、確かめることすら許されなくなったのかも知れません。

どこか省略すべきだったんでしょうが。今回ばかりはいつも以上に規制せず思うままに打って見ました。非常に読みにくかったと思いますが、お付き合いいただいた方感謝です。

新選組!33話【友の死】雑感3

○隊士&八木さん家の助命懇願
・河合の表情が、一番辛かった。実務的には一番近くに居たんだもんな...
・土方の「おまえ等も腹切りたいか!」。行き場の無い感情の発露。なんで、そんなに声が揺らぐの??必死で虚勢張ってるのが透けて見えてしまって、憎めないじゃないか…
・八木夫妻の懇願は正論で、雅さんの「うちから死人はもう出したくありまへん」は、土方の柔らかい場所に刺さっただろうな。

○引継ぎ
・しっかりしろよ と背中を叩きたくなるくらいグダグダな河合が、切ない。
・「私達がこの地で何をしたか、後世へ正しく伝えられるように」 この人は最後まで「歴史」に拘って「歴史」から逃れられなかったんだと。ただ、その拘りが「作る」から「記録する」に変わっただけなのかと。
・「お金の動きは必ず帳面に付けておくように」 って、お願いだから伏線貼るの止めてください(泣)
 新見・芹沢・山南さんといい、何で最期にこういう事言って行くのか...。

○左之・新八・源さん(事系列前後しますが、一括りで)
・それぞれの優しさ、強さ、思い遣り。
・左之も新八も「組織」から遠ざかりたいと思ってたんだ…それを引き止めたのが彼なのか。
・左之達が開け放った障子を閉める。閉める度に覚悟と夫々への思いが、より深くなっていってる気がしました。
・「これからの新選組はご両人に掛かっている」 
・源さんは源さんでした。お弁当を準備するって...
・「眼で楽しませて頂きます」「島田君に戻るよう言ってください」 ちゃんと思いを汲んで、余すことなく受け取って、にも関らず意志を貫く。難しいです。
・彼が思う以上に彼の居場所はあったのに、みんな不器用で伝えられなくて、受け取れなくて。最期の最期で伝えられて、伝わって、受け止められた。もっともっと早く皆が気づいて、彼も孤高から降りてたら、何かが変わったのに。

次で最後にします。

新選組!33話【友の死】雑感2

○旅籠
・初めてじゃないでしょうか?彼の単姿で飲む姿って。
・沖田を前にしながらもくつろいだ姿に、全て「流れた」んだと実感しました。それでも、膝を崩さないのは彼らしすぎて(泣笑)
・詰る沖田。沖田なりの思いの丈だったんでしょう。言葉足らずだったり無意識の棘があったりしましたが、何も考えてなかった浪士組迄の沖田とは全く違った。精一杯思いをぶつけて、それが撥ね返ってくるのを待ってる様な感じがしました。
・「疲れてしまいました」「皆疲れてるんです」。彼と沖田が一瞬同調した瞬間。そうなんだよね、近藤も土方も新八も(もしかしたらあの左之だって)疲れてる。けど違うのは、皆「
先が見えない事に疲れてる」。そんな状況に成ったそのことが、彼が疲れ倦んだ理由なんだと。
・そして、彼は皆が疲れてるって事は充分解ってる。けど、彼は「己」が疲れたんだよ沖田。
・だからこそ、自らが居なくなることで皆の「疲れ」の要因が少しでも無くなればと、思って選んだ道行きだったのかも。
・沖田の「私は見つけられなかった事にするから、逃げてください」や「駄目ですよ」の言葉は、彼だけの言葉じゃなく隊全ての意思。そして、沖田が彼に対して見せてきたであろう、甘えや優しさを見た気がします。役者の力って本当に凄い。
・それを受けた、彼の「叱られてしまった」が一層優しくて穏やかで何よりも嬉しそうで。きっと沖田の成長(剣だけでない)をずっと見守ってきて、確かに成長する姿を最後に認める事ができたんだろうなと。だから、あんなに慈しむような表情・声だったんでしょう。
・あの言葉は、沖田だけでなく近藤・土方達に向かって発した言葉の様な気がします。優しさと情けを受け入れた上で、それを踏みにじるかもしれない行動を取る事の謝罪のような...

・明里の「お兄ちゃんも入ってきたら?」で、場の雰囲気が変わるって凄いです、砂羽さん。
・沖田も「誰なんですか?この女性」って表情だったのが、少しだけ和みました。
・そういえば、芹沢・お梅・沖田の温泉シーンも沖田の居場所って無かったよな、と思い出したり。

・明里との一連の場面。優しい嘘が辛くてなりませんでした。
 そして、きっと本心は共に「富士山を見て、つましい生活をすることだったんだよ」ってな事が伝わったするのが、もう...。
・「あなたには感謝しています」 生きる目的と一切を「透明」にしてくれた人だもんな…
・あのまま沖田に見つからなかったら、身請けしたことをどのタイミングで伝えるつもりだったんでしょう?結構無計画というか無謀かと思ったり(苦笑)
・明里の情の深さが堪らなく愛しい。


○近藤との会談
・必死で感情を抑えてる近藤と、波立つことなく座してる彼の対比に胸が詰まりました。生きねばならぬ者と死を受け入れてる者の対比。生と死が同じ位置にあるからこそ生まれる透明感かも知れません。
・「私の手の届かないところに行ってしまった」「その言葉を聞けただけで本望です」。届かなかった思いが、最期になって漸く届いた。また近藤に「己の不足」を理解してもらえた事も本望だったのじゃないかと。
・「貴方の思いをもっと早くに解っていれば」 血を吐くような思いだったでしょう、藤にとっては。あの場で、責められれば近藤としては楽になったと思います。が、彼は責めなかった。それが近藤にとって呪縛になるのかもしれません。
・近藤が開け放った障子を彼自ら閉める。所作の美しさは言わずもがなですが、達観した者の強さやしなやかさが美しかった。そして、「あの日、試衛館の門を叩いた事を悔いてはいません」。悔いも責めも無く、覚悟したものの美しさを感じました。
・その姿、言葉で近藤は彼の覚悟を理解し、近藤自身も覚悟を決めたように思います。
・漸く、互いが対等に対峙したって気がしてます。

○幹部会談
・土方の表情が痛かった。誰よりも逃がしたいと思ったのは、土方じゃないでしょうか。
・武田 あんたは喋るな!まったく。
・あまり会話覚えてません。

○介錯
・沖田を指名したのは、大津で成長を確認したからなんだろうなと思ったり。
・沖田としては、堪らなかったろう。

その3へ続く(終らない;;)

新選組!33話【友の死】雑感1

 出来るだけ時系列に沿った感想を、思いつくままに。

 ・アクシデントがあり総合しか見れてないので、記憶違いの部分多々あると思いますが、ご了承くださいませm(_)m
 ・文章中の「彼」は山南さん&堺さんです。

 ○明里との道行き
・水仙畑の二人が幸せなのに儚くて、まるで一服の水彩画を見てるかの様でした。
・明里の明るさがどれだけ救いそして、光になったのか...最後に出会ったのが彼女で本当に良かった。
・水仙と菜の花の違いは、もしかしたら山南さんと明里の違いかもしれません。
・水仙は菜の花の力強さを美しく思い、その美しさに力強さ思い、そして請う。菜の花は、水仙の佇まいの美しさを憧れ、繊細さ不器用さに思いを寄せる。そんな関係なのかもしれません。
・博学だわこの人、と改めて吃驚。 弱点は「算術」だけですか?(笑)
・明里の「あわてんぼやな」の声が優しくて。
・急く事を責めるのではなく、「のんびり行かへん?」と手を広げられてる感じすらしました。
・今まで「志」なり「歴史の表舞台に出る」事を支えに寄り道すらしなかったであろう彼にとって、寄り道を許された。そのことが嬉しかったのじゃないかと、あの穏やかな笑顔を見て感じました。
・実際は明里に「許された」のではなく、己が許したし、許せる余裕や広さは己の中にある筈。だけれど、彼はそれに気づかなかったような気がします。
・明里の「お腹減った」を受けた彼の表情が「仕様が無い人」って感じにも関らず、今までに無く慈愛に満ちてて、あぁ満たされてるんだと。

○茶店での遣り取り
・お団子を分け合う二人を包んでる空気が、穏やかで優しくて暖かくて、長い間連れ添った夫婦のようでした。
・ただ、ふっと芹沢・お梅の紅葉狩を思い出しました。あそこまで退廃的では無いけれど、儚くて。
・明里にあって彼に無いこと。それは柔軟な感性・発想。だから、あの二人が居ると相互に補完しあって美しいのかと思ったり。
・明里との関係の中で、感情とか日常の些細な事を「受け入れること」「受け入れられること」の豊かさ、温もりを感じたんじゃなかろうか…それまでは、「意見」として受容することはあっても、気持ちは受容してこなったんじゃ無いかと思ったり。
・「良かった。先生におしえられることがあって」って...明里の存在そのものに彼は教えられてるのに。
・僅かながらも彼等が夢見た「つましい二人の生活」は、確かに在った。

○沖田を見つける
・沖田を見つけ、自ら声を掛けるまでの僅かな時間。思い悩む表情が、何て言うんだろうすっきりと悟った表情に変わる瞬間に、彼が本来持っている強さを感じました。
・沖田の馬上での表情が痛々しくって切なくて。
・全身から「何で?」「やっぱり」「見てないから知らないから」といった様々な色合いの感情が噴出していて、藤原君の素晴らしさに溜息です。
・若干前後しますが、近藤・沖田の場面。
 香取 本当に近藤になったよね…受容も納得もしてないのに、思いだけを汲んでくれと沖田に伝える場面は辛かったです。そして、近藤の言葉を理解し、徐々に笑顔に成っていく沖田(藤原)が凄い。この子は、本当に穢れが無いんだとすら思いました。
・「沖田君。ここだ」 久し振りに迷いの無い声を聞いた気がしました。
・「何で」と沖田の声。藤原君の凄さは、言葉が揺らぐこと。声にも表情があることだと改めて。
・語尾が沖田は揺らいでる。そこに怒りと哀しさがある。けど、彼の声は一切迷いが無く穏やかで。
 そして、視線すらこの二人は対照的でした。沖田は本当に戸惑って揺らいで定まらない。対して彼は真っ直ぐ沖田なり沖田が来た意味を見つめてる。沖田もその視線を受け止めてる様が良く解る場面でした。

まだ続きます。(まだOP前だよ。どうしよう…)



新選組!33話【友の死】感想

 山南さんの佇まい全ての美しさ、静謐さに言葉がありません。ただ、有難うとしか無いです。
また、山南敬介の人生の一部、そして最期を堺雅人が演じたその事実に畏敬と感謝を感じずにおられません。

 堺さんお疲れ様でした。素晴らしい山南さんを有難うございました。

 そして、堺山南の最期を見届けられたこと、そして、僅かな時間であっても鈴木明里との幸せな時を共有できたこと、感謝します。

思いついた感想は別枠で。

2004年8月21日土曜日

充分「ハニカミ」ました

 堺雅人@「恋するハニカミ」。何て言ったら良いんでしょう?あのデート。
 やたら初々しく、まるでサークルの先輩と後輩の初デートちっくだと思うほどの緊張感がまた。
 堺さんが大河内嬢より可愛いと思ったんですが、間違ってますか?(贔屓目なのは承知です)。いや大河内嬢も、意外に(失礼)綺麗な雰囲気の方で良いなと思うんですが。堺さんの透明な風情に勝てるのは、山本君や藤原君だけだって気がします(その基準は何処に?)。

 本当に何なんでしょう?天然さと愛らしさと端正さ優しさと(+ちょっとキモさ)が、一緒くたになったようなあの雰囲気は。あの方31歳ですよね?
今まで爺(もしくは親父・美少年)好きと自他共に認めてたのに、今更同学年にドキドキさせられるのってもの凄く意味不明に悔しい(何?)

 って長い前置きはさておき。
 綺麗な「初」デートって感じで、ドギマギしてました。だからといって、大河内嬢に自らを重ねたなんて図々しいことしてませんよ(誰への言い訳でしょう…)。

 コメントしたい場面は全てなので、敢えてしません(笑)
 例)車酔いしてる姿・大河内嬢より色っぽい浴衣姿・流しそうめん&縁日&花火を楽しむ姿・プランを遂行するときの潔さと恥ずかしそうな雰囲気・後日のコメント等々

 ただ、確かに華は少ないけれど(失礼)独自の存在感のある方だと改めて思いました。また、大河内嬢のコメントで「気持ちを素直に出して受け入れてくれそうな安心感」、充分画面からも伝わってきました。素で素敵な「人」だ…と幸せになりました。素敵なコメントを有り難う大河内嬢(笑)

 そして、久本女史の「堺君、応援したくなるよ〜」のコメントには大きく頷いてしまいました。なんか、妙に頼りないというか危なっかしい雰囲気もってますよね堺さんって。そうか、そんな雰囲気があるから惹かれるんだ!と今更ながら納得しました(駄目です)
 しかしなんていうんだろう、堺さんのそういった人柄と山南さんが結びついた小さな奇跡に、大きな喜びと幸せ感じずにはいられません。

 ところで、スタジオゲストの山本君。楽しそうでしたね〜
 堺さんの天然っぷり知らないって(笑)。藤原君から長野行きの話聞いてなかったのか?!と思わず突っ込まずにはいられませんでした。で。彼の「やっぱ好きになっちゃいますよね」発言聞いて。
「あんな「可愛い」様子みせられたらやっぱ同性でもそう思うんやね。しかも「好き」って土方たら〜。山本君の人を愛する才能は「香取」が対象だけじゃ無かったんだね〜」と全く見当違いな受け取り方をしておりました。(2回目見て漸く主語が「相手の女性を」だって事に気づきました。しかも、役者と役混同してるし…)
 どうやら30話以降の土方・山南さんの関係があまりにも「辛い」ので、無意識に救いを求めてたみたいです...

最後に
山南さんと明里との短い道行きがあんな風だったら良いのに、と時代も相手も状況も何もかも違うのに痛切に願いました。そして、そのまま富士山見て江戸か仙台に辿り着いて、幸せな生活を送ってくれたらとも…
色んな意味で重症です。

2004年8月20日金曜日

新選組!のLoveシーンからあれやこれや

 32話の可愛らしさ駄々漏れの「明智と太閤の関係についての考察(違)」@浮舟の場面は、私のドラマ史上最高のLoveシーンだとここに宣言します(ドラマを全く見ない人間に宣言されてもな)。

 29話のおまさ&左之や、つねちゃん&勇夫婦も捨てがたいのです(つね・勇夫婦の愛らしさったら、ガラスケースに入れて永久保存しちゃいたい位です)が、やはり明里&山南には一歩及びません。あの表情と手・目だけで、「濡場」と言えそうな艶と甘酸っぱさ。そして、それとは間逆にある筈の「瑞々しさ・初々しさ」とそして無いはずの未来まで感じさせるって??。ホント、Kissシーンや露骨なベットシーンだけが「濡場」では無いと、改めて思いました。

 ところで、三谷の描くLoveシーン(って本当に数少ないですが)は、綺麗だなと思います。例えば、『王様のレストラン』で静と千石が理想のレストランについて語る場面。何気ない会話なんだけど底辺にある互いへの愛情とか尊敬とか照れが漂って、何度見ても切なくてドキドキします。

 そうか三谷って、人が夢を物語る時の照れや無様さ、儚さ優しさ哀しさ、そしてそこはかとなく漂う可笑しみなんかを、巧く物語として昇華してるんじゃないか?!とハタ思いつきました。
もしかして、「笑いの大学」や「彦馬が行く」の本質はそこだったのか?!(と今更ながら思いつくあたり駄目駄目です)

2004年8月16日月曜日

新選組!32話【山南脱走】感想

 感想って感想って.....(混乱)。
 流石に29話30話のような感情のブレは無くなりましたが、全体をまとめる気力が無いのは相変わらずです(ブレが無くなったというより、漸く覚悟して腹据えて見届けようやんけ。という感じに近いかもです)。

 さて今回の全体の印象ですが。
 時代の流れを見せる場面と細かな心象描写が巧く絡み合って、新選組の外部そして内部(幕府)からの評価や立場がより一層明確に示されたのではないでしょうか?
 新選組内部に限って言えば、新見切腹→芹沢殺害を「子が成長する過程の親殺し」と捉えたなら、今回の伊東甲子太郎の入隊・山南脱走は「旧体制から新体制へ移行のする際の痛み」と捉えれるのではないかと思ったり(あぁ言葉が出て来ない/T^T)。
 そして、山南・伊東と言った「視野の広さ」や「知識(≠智恵)」を内部に取り込みながらも、それを活かす事ができなかった、そこが「新選組」の弱さの一端ではとも思ったりしました。

 また29話以降の緊張と緩和のバランスや登場人物間の対比が素晴らしく、このまま最終話まで走り続けて欲しいと切に願うばかりです。とにかく、台詞・キャスト・演出がここにきて巧く咬み合い始めたという感じがしてます。

以下感情垂れ流しな感想を箇条書きで(山南さんに偏ってるのはご愛嬌ってことで/^^;;)。


○幹部 meets(vs?) 伊東甲子太郎
・総長(相談役)と参謀の違いって何?
 総長は局長(及び副長)専属で、参謀は組織運営に携わるって事なんでしょうか??
・伊東と山南さんの弁舌の違いが非常に明確でした。
 伊東は信念と野心と知識が一体化してるが故に、機敏に対応できるし自信をもって最後まで詰める事ができる。その分説得力も増すし人も付いて行きやすい(弁舌爽やかってこういう事を言うんだろうな、と思ったり/悔)。
 が、山南さんは知識があるが故に、信念や野心が揺らいでるような気がしてなりません。対土方になると舌鋒は激しいんだけれど、伊東や坂本みたいに「自分より上」と感じると「引いて」傍観者になろうとする。だけれど、そんな己に対して苛立ちや悔いを持ってるような気がしてなりません。
・土方が山南さんに「合議」の場で求めて来たことは、もしかすると「常に異議を唱える」事だったのでは?山南さんも土方の期待を解った上で、その役割を務めて来た気がしてなりません。有る意味、土方(組織)のブレーキとしての役割を担って居たような。それが機能しなくなったのが、池田屋以降だった気がしてます。

・土方に対して射る様な視線が増えましたね...山南さん
 で、お互いに視線が合わないんだ。この二人...せめて合議の席で位お互いの目見て話そうよ(泣)
・そうか、左之も一応幹部だったんだ、と不思議な気分でした(笑)
・武田、器小さいよ(T▽T)
 けど、八嶋が演じてる分、鬱陶しいんだけど妙に憎めないという不思議な人物になってるかと(笑)

○副長vs伊東
・伊東の人物評価は物凄く正しいです。ホント
 特に山南さんの人物把握は、的確すぎて腹が立ちました(八つ当たりと言います)。そうですよ、「詰めが甘くて、情に流され易くて、隊で孤立して」ますよ!!おまけに、天然で場の空気読め無い人ですよ!!けど、そんな駄目ダメっぷりが人間らしくて良いんじゃないか!と抗弁しても、伊東はさらっと流しそうで益々悔しい(泣)
・土方のフォロー
 ってあんまりフォローになってませんでしたが...。付き合いの長さだけを特化しちゃう辺りどうなのさ...。
 他にもっとフォローする部分あるでしょう、普通。けど、伊東にあそこまで的確に弱点言われたらどうしようも無いよな、土方でも。うん(と無理やり溜飲下げてます)

○山南さんと坂本さん@寺田屋
・腐るのは良いです、坂本さん。お登勢さんに絡むのも良いです(良いのか?)。だけど、足元ぐらついてる山南さんに愚痴らないで下さい。お願いですから(涙)
・山南さんは他人には「これからどうされるのですか」って訊くけど、自分が「これからどうする」ってことは語らないんだよな...いつも逃場を作ってるというか、何と言うか人として弱いんだ、だから土方と共に「修羅の道」には進めなかったし坂本の誘いにも乗れなかったんだ、と改めて思いました。
・時代が違ったら、この弱さは「美徳」だったかもしれないのに。

○山南さん・土方会談(緩和材として沖田/え?)
・土方も山南さんも不器用と言うか、言葉が足りないというか...。話さなくても解ってくれる関係なんて幻想でしかないのに、一度それを経験してしまったが故に、その幻想から逃れなれないじゃないんでしょうか>土方
・山南さんは土方の期待を理解(感じる)する事すら拒絶したんではないのか?だから、あの会談での互いの言葉は一方通行でしか無く、山南さんの「江戸行き」の思いを変えることは無かったし、土方の期待も失われなかったんじゃなかろうか。

○明里&山南さん
・色んな意味でダメ男度急上昇です(笑)
 仕事の苛々を女性に八つ当たりしちゃ駄目だと思います(苦笑)。しかも、あんな健気な明里にぶつけるなんて。でも、窘められて腰砕けになる山南さんのへたれっぷりが愛しい(え)。
・明里の強さと健気さやそこはかとない艶、そして役者さんの地であろう「聡明さ」が見え隠れするのが、とてもとても美しく思えます。山南さんが最後に辿り着いた場所が、明里で良かった…
・ただ、この二人。無事に江戸に辿り着いても苦労するのは明里だと思います(笑)
 世慣れない貧乏学者を支える賢い(生活一般に)い嫁ってイメージが離れません。そんだけ山南さんに生活能力が無いって事なんだろうな(^^;;;
・しかし!!!公式ムックに描かれてた「明里の布団に横になって、独酌してる山南」の姿を見たかったぞ!!NHK。退廃的な雰囲気が見たかったのに(涙)。流石に廓(情事の後)を醸し出す映像はNHKだけに駄目だったんだろうな(悔)
・山南さんが明里を抱きしめる場面は、なんてこと無い普通の場面の筈なのに、心臓バクバクしてました(なんてこったい)

○沖田&ひで嬢
・沖田の叫びと懇願が哀しくてなりませんでした。
 彼は彼なりに残された時間を考えて、精一杯生きようとしてる様に心打たれました。この子本当に強い子だわ…
・ひで嬢の思いも全て受け止めた結果の懇願、それを受けてひで嬢の「かんにん...」は如何しようなく悲しかった。吹石恵ってこんな風な表情できるんだ、と吃驚でした。

○山南さん脱走
・近藤に話し掛ける直前に、表情を作る姿に痛々しいものを感じました。あの柔和な顔は山南さんが最後まで外せない仮面だったんだと思うと、何か空しいやら切ないやら哀しいやら…しかし何故其処まで「大人」で居ようとするんだろう、この人は。
・つうか近藤…雰囲気を察してくれ(汗)。小首傾け去っていく場合じゃ無かろう!あの時点で近藤が気づいて、山南さんを留めてくれたら...(後の祭りです)
・左之と新八には言って出て行くんだ...
 有る意味義理堅いというか、最後まで綺麗にしようとしてるというか...
・左之と新八は、場違いなくらい楽しそうでしたな(笑)
 しかし、左之と新八が騒いでる最中に、出て行くって…狡過ぎます山南さん(苦笑)。しかも、風呂敷の中書籍ばっかりだし…道中の着替えとかどうするお積りだったんでしょう?
・斎藤が漸く山南さんに義理を返しました。
・山南さんが斎藤の少ない「言葉」を汲み取って、一礼した姿に涙です。
・新選組の看板に、深深と一礼した姿。
 最後まで組織とその中に居る人間へを思いやってるんだろうかと思うと、本当に時代さえ違えば良かったのに、と思わずには居られません。
・沖田はある意味彼にとって「救いの場」だったんだろうな。

○幹部会議
・「逃げたんだ」ってそんな辛そうな表情で言わんといてくれませんか?>土方(凄く正しいけど納得出来ない発言だわ)。
・山南さんが脱走した理由も理解して、それでも辛かったり悔しかったのが土方なんだろうな。己の力不足も実感しただろうし。
・「理由が何処にある」って>近藤、あんたがしっかりしてないばっかりに(溜息)
・沖田を追跡役に決定するまでの場面は、浪士組時代の信頼関係とか絆が見えた上に、緊迫感もあって好きです。(武田一人が空気読めてなかったし)

○その他
・見境無く偉そぶる捨。
 もしかして「鞍馬天狗」に掛けてませんか?というか、鞍馬天狗が捨だったのか(笑)この辺のお遊び、嫌いな人は嫌いなんだろうな〜(^^;;。
・幾松に関しては言いたい事あるんですが、個人攻撃になりそうなので略(充分伝わってるかと思います)

って。無駄に長くい上纏まりとは縁の無い感想です。
取り合えず、31話まではこの調子で突っ走ろうかと傍迷惑な事を思ったりです(ごめんなさい)。

2004年8月10日火曜日

新選組!31話【江戸へ帰る】感想

 あまりにも盛りだくさん過ぎて、丸1日あれやこれや考えてみたもののいつも以上に纏まりません。なので、今回は趣向を変えて、江戸・京都パートを分割し箇条書きにします(変えるほどの趣向が今まであったのか?!自分)。


 先ず江戸。
・幕府と新選組は合わせ鏡かと思ったり。どちらも内に内に篭って崩壊して行く過程が、そう思わせるのかも。

・平助の表情が、試衛館でのものと伊東と二人になった時とで全く違って、伊東の前ではかなり緊張というか強張った表情(雰囲気)になってるんですよね、平助。何が平助を変えてしまうんだろうか。

・周斎先生の言葉で、勇を初めとする面々は随分救われたんじゃなかろうか。

・江戸の面々が画面に移った瞬間「懐かしい」勇達の思いと同調できた、それだけでも前半部分が無駄じゃ無かったって事だと思います。

・たまちゃん大きくなって(笑)

・久し振りにつねちゃんと出会って、安心したのは勇だけじゃない筈。

・良順が言う「開国」は当時の多くの知識人が感じてた事なんじゃないのかと。維新後の政府が「開国」に転向した理由もそこにあるんだろうな、と改めて考えました。

 京都パートに関しては本当にどうしようもなく纏まりませんが、取り合えず感情の趣くままに記載してみようかと思います(Webの迷惑ですが)。

○土方山南会談
 ・同歩調を取らない(取れない)山南さんに対し、土方が苛立ちをぶつけてる状態に見えました。
 ・互いに血肉を削った言葉を紡いで攻防してるな…と思うと辛くて辛くて。
 ・土方にとって山南さんは恐らく「同じ道を違った視線を持って歩く者」と捉えてたんじゃないかと。違う視線があるからこそ、土方の視野も広がり「組織」を大きくすることができると安心してたのでは?「建白書提出」が「同じ道を歩んでない」(歩みを止めてる)と認識させられる契機となり、土方の不安が現れたのが、今回の会談だったのじゃないかと思ったり。
 ・山南さんの「原因を見つけて、それを解決するべき」という案は、時間は係るが組織の将来を考えたら妥当だと思います。が、新選組という性格を考えた場合、果たしてそれだけの時間的ゆとりが許されるのか、その辺りの見極めが山南さんには出来ないのか、敢えてしてないのか謎です。また、土方が苛立つ部分もその辺りかも、と思ったり。土方以上に見えてるのに、見えてない振りをして留まろうとする様に思えるんじゃないのかと…(書いてて凹んできた)
 ・緩やかに視線を合わせていたのが、直線的に合わすようになった時点で、山南さんには土方との亀裂が明確になったんでしょうね...。

○お多福
 ・山南さんはこんな場所ででも「公私の区別」がきっちりしてる...と妙な部分で感心しました(笑)
 ・総司相手に土方の事話しても、山南さんが辛くなるだけだから止めようよと思ったり。
 ・総司の優しさや聡さと無邪気さが見えた場面で、好きです(笑)
 ・総司なりに頑張ってるんだよな、一生懸命話そう、理解しようとしてるんだよね。多少ズレてる気がするし、そのまんま発言で山南さんの心労は増してるにせよ(苦笑)
 ・明里に関しては後述。
 ・おまさちゃん、お店良かったね〜♪つうか、人の恋路気にして浮かれるより、左之の事想ってやってください(笑)
 ・おまさちゃんと左之の明るさにどれだけ救われてるか・・・

○土方の決意
 ・そこまで無理しなくても、土方には付いてく人多いよ…と切なくなりました。
 ・一番清濁併せ呑んでるのは源さんで、それでも変わらないのが源さんなんだと。この人の懐の深さを見た気がします。佐野君って凄い人だったんだね(違)
 ・葛山の「なんでですか?」は、スケープ・ゴートにしてると本人が理解してる分、刺さる言葉だったのではないのかと。また、あの言葉は、恐怖を前にした人間の叫びの根源かと…(三谷凄いよ)
 ・土方の割り切りっぷりには、本当に頭が下がるというかなんと言うか。怖さすら感じます。

○山南さん meets 竜馬
 ・この場面は、山南さんの駄目っぷり全開でした(泣)
 ・大きな部分が朧ながらも見えてる、また(歴史の)表舞台に出たいという色気もある。けれど、竜馬と比較し己の小ささも見える「賢さ」が有る故に、現状から動けない。拘泥してる現状を竜馬に否定されればされる程、器や視野の違いが明確になり同じ土俵に立てない苛立ちや痛み、それ以上に己への諦めが見えて、じくじくと痛かった。
 ・秀才であっても、非凡になれない人間の悲哀を感じました...。
 ・竜馬の「どんな良い刀でも鞘に収めたままだったら、木刀と同じ」って言葉は、かなり刺さっただろうな…

○明里と山南さん
 ・婦女子の間では、明里×山南さんと言われてますが(笑)それが正しい見方だった事を、あらゆる場面が証明してましたな(ヲイ)
 ・明里の天然だけど、本質を見抜く聡さが本当に愛しくてなりません(総司・平助と組ませたら絶妙なトリオが出来上がるんじゃなかろうか?突っ込みがいないのが問題か?!)
 ・山南さんと明里が酌み交わす場面は、透明感があって美しかった(会話は非常に天然同士の会話でしたが/苦笑)。
 ・山南さんの目は、やっと慈愛に満ちてて泣けてきました。明里となら幸せになれた、と確信しました。

○山南さんと土方@庭(ヲイ)
 ・えぇ。土方さんのやり方は、本当に用意周到でございますことよ(怒)と葛山切腹に関しては思いましたさ。
 ・葛山を粛清したことで、山南さんとの歩調が揃うと思ったんだろうか?土方は。だから「殺したのは俺とおまえ」って言葉がでるんだろうか...
 ・もしかしたら、土方は新見切腹と重ね合わせたかったのかもしれないと思ったり。
 ・山南さんは同じ土俵に立てない自覚、自責の念、そして土方への哀れみを感じてるような。
 ・お互いがお互いに「甘え」た結果がこれだったとしか思えませんでした。

 えぇ来週以降もっともっと纏まらない気がしてきました…

2004年8月2日月曜日

新選組! 30話【永倉新八、反乱】感想

 緊張と適度な緩和のバランスが心地よい回でした。が、個人的には非常に痛かったです(泣)。この回でこんなに痛くてどうする、私(苦笑)。

 今回は「試衛館」生え抜き・食客、そして京都入隊の幹部連の「新選組」更に言うなら「近藤・土方」に対する考え方の違いと、罅割れが明確になった回かと。そして、一番大きい罅が土方・山南さんの間に綺麗に入った回。


 まず、冷静(なれるのか、自分)に色々と感想を。

 土方を中心とする「生え抜き」は、近藤・土方への信頼感が非常に強く、二人の行動範囲や視野が広げられるなら全力を尽くして働く覚悟がある。また、師弟関係(もしくは擬似的な家族関係)が元来からあるので、近藤を頂点とした組織改革そのものに違和感が無かった筈。

 次に、食客組
 永倉・左之助組と山南さんを一括りにして良いのか、疑問なんですがとりあえず(山南さんは土方と一括りにしたほうが、色んな部分で明瞭になる気がする)。
 彼らは、近藤の資質に対する信頼感のみで此処まで来た。だから、近藤が頂点になるのは良いが、それ以外は同輩以上でも以下でもない(この感覚が今後どう影響するのか、見届けたい)。とはいえ、土方・山南・総司の持つ資質や能力も信用してる、だから其々が能力に合った役職につくことは納得できる。
 彼らの目には土方の組織改革は、土方の専横(に見える行為による近藤の傀儡化)に見えたんじゃないでしょうか。だから、山南さんは近藤に「辛くないですか」と確認した。
  ※永倉・島田の義憤は信用してた幹部の裏切り、信用の喪失感以上でも以下でも無いので余り言及しません。彼らの行動が、今まで見えなかった皹を当事者に実感させたという役割であったとしても。

 そして、新参幹部。
 これは、「寄らば大樹の陰」だけで動いてる、非常に解り易いです(笑)。武田&谷長兄の地味な勢力争いも、微笑ましく思えたり(え?!)

 池田屋までは、この三者の勢力バランスは非常に良かったんでしょうね。それが「池田屋」・「蛤御問の変」という大きな事件を経て、徐々に崩れてきた。逆にあれらがあったからこそ、土方の中で「組織化」の構想なり現状の問題意識が芽生えた気もしてます。

 で報奨金の分配についてちょっと。
 あの「成果主義」は何ともな〜(苦笑)。確かに、土方の「次頑張ろうって思うんじゃないか」という言い分も理解するんですが、だったら、幹部の命で屯所を守ったのも「役目を果たした」んじゃないのか?、また後方支援部隊にも分配されてこそ「次があるさ!頑張ろう!」思えるんじゃないのか?とも思うわけです。陣地が死守できなければ、前線でどれだけ戦っても仕方ないと思うのは戦場を知らないからなんでしょうね(しかし、池田屋は正直「偶然の産物」でしか無いと思ったり)。

 で、今回からの陰の主題か?と思った、元副長二人のすれ違いについて。
 この二人結局のところ道程は違えど、最終的に辿り着こうとしてる場所は同じなんじゃないかと思う訳です。土方も山南さんも同じ「景色(組織の有様等)」を見てる様に思えるし。違うのは、見てる方向や見方・手段のような気がしてなりません。
 ただ大きく違うのは、山南さんは「政」の力や存在を(信用するしないに関らず、その力を)楯にして組の行動範囲や影響・組織力を広げようとし、土方は「政」を介さずに「自身の力のみで」それを行なおうとしてる点だけじゃないでしょうか。他の違いって互いにすり合せで埋めることが可能な差違なのでは?

 双方ともある側面正しいと思うんです。
 傍から見ていて危なっかしく思えるのは、土方なんですが、時代が流れてる速さを考えると彼が取ってる方法は一理ある。山南さんの方法では、方向変換が遅くなることは否めない。だた、山南さんの方法は後ろ盾がある分「組織としての」影響力が増す。土方の方法だと、万一の時大局で対処(判断)出来ないこともあるし、その責任が「幹部」だけにのしかかってしまし、幹部が倒れたら組織自体も瓦解せざるを得ない危険がある。
 この2つが巧く噛み合ったら、理想的な組織になるような気がして仕方ないです(土方が牽引して、山南さんがそのスピード調節さえすれば...)。なのに何故、この二人はここまですれ違う??!!もしかしたら同族嫌悪なのか?とも思いはじめました。

 時折、同じ台詞をこの二人に言わせてるんですよね..三谷さんってば。
 「避けては通れぬ道」もそうでしたが、今回の「ここまできたら引き返せ無い」もそう。場面や温度は違うのに、全く同じ台詞を言わす事で、似通った考えを持っている事を示してるような気がして…更に凹みます(ここで凹んでどうする、私)。
 この辺りを考え出すと今以上に纏まらないので、山南さんに特化した感想を(あぁまた無駄に長くなる…)。

 宴会場面から辛くて辛くて…。何故、そこで空気が凍るかなと。山南さんも空気読もうよ...お願いだからさ。

 今まで、芹沢暗殺の一件で土方が山南を見切ったのかと思ってましたが。もしかしたら、芹沢暗殺以降山南さんが多くの事を諦めたのでは?と思い始めました。だから、あの場で「土方君に一任しています」と言い切れる。あの言葉は聞き様によっては「私は身を引いた。今後は一切関知しない」という宣言にも取れなくない。なのに永倉に対して「組織を中から変えたい」と言い、しかも全く表に出ようとしない姿に、初めて「鬱屈してるよ...黒いよ...この人」と寂寞としたものを感じました。
 上昇志向もあり、文武両道で多くのことが見えてる、なのに歴史の大舞台に出れず、もしかしたら?と身を寄せた組織内でも主流になれない。かといって、自ら人を率いることもできない。また、生え抜きでもなければ、食客でもない(無頼に成れない)どっち付かずの立ち位置である。そんな、曖昧な存在になった自己への苛立ちすら感じさせられました。
 また、芹沢暗殺を永倉に知られた瞬間の表情が痛々しくて。全てを諦めて、飲み込んだ顔のような…あの瞬間「黒幕」になる覚悟を固めたんでしょうか...。

 で、土方との視線対決(泣)勘弁してください...もう充分ですから。
 あの場面は色んな感情なり思惑なりが混在して、静かなのにそうじゃない凄い場面でした。山本君も堺さんも本当に凄い役者さんです。
 ところで、あの場に藤原総司が居たら和んだんだろうか??(妄想でもしなきゃやってられませんよ...)。

 以下箇条書きで雑感を(まだ書くか?)

・左之がオアシスになって行く(笑)。ひでちゃん、おまさちゃんとのほのぼのした場面でどんだけ一息つけたか。どさくさにまぎれて、さり気にプロポーズしてませでしたか?左之(笑)

・総司と孝庵先生は、ある意味ベストコンビかと思います。(孝庵先生の一人突っ込み一人呆けいい感じです/笑)

・土方と総司の会談は、久し振りに多摩の歳と総司を見た気がしました。特に土方、そうやこんな風に柔らかい表情と声する人だったんだ、と嬉しい認識を新たにしたのに...

・総司と俳句の話をしてる時はなんと言うか幸せそうで、ちょっと照れてる様子も年相応の雰囲気があってよかったです。久々の突っ込みも聞けたし(嬉)。幹部連や隊士の前でどれだけ必死で背伸びして、虚勢張ってるかが見えてしまいました。

・三味線を弾く土方って、ここだったんですね(笑)いや〜なんとも粋な雰囲気でした。

・ひでちゃん、何時の間に左之に懐いたの?(笑)。彼女のおこづかいが、左之のお菓子代に消えてないか心配です(酷)

・はじめちゃん…為三郎君にすっかり懐かれてますな(笑)。時間があって遊んでくれそうなのが、はじめちゃんだけだったか??けど、土方専用の監察方になったのはどうかと思うけどね(悔泣)

・土方は何を思って拷問部屋に行ったのか...土方の弱さを垣間見た気がしました。振り返って物思う場所が、あの部屋だったのが本当にどうしようもなく悲しくて。近藤にも総司にも言えない辛さを抱えてるんだろうな…辛い立場だよな。

・だからと言って山南さんを除者にする権利は無いと思います(断言)

・平ちゃんは江戸の先触れですか?

・容保公の「一件落着」には思いっきり、気を抜かれました(笑)。良いよなあの天然な雰囲気。

 予告見るのも辛くなってきました。こんなんで今月の放送乗り切れるんだろうか

2004年8月1日日曜日

堺さん@ウルトラQ

 すみません、ウルトラマンが出てくる番組だと思っておりました(反省)。
 そんな事はさておき感想です。

 あれは、何ですか堺さんのPVですか?(違います)。「しがないサラリーマン」役なのに、あの可愛らしさは何なんでしょうか?。深夜に視聴者を狂喜の縁に落とし込んでどういうつもりですか?!TV大阪&円谷プロ(落とし込まれたのは私だけですか、そうですか/笑)。

 兎にも角にも、スーツ・包帯姿・作業服3種・警備員服姿見せつけられ(どれも「しがない系」なのが何とも言えず/苦笑)、夏祭り&遊園地場面・農場でのゴロン場面を見た瞬間、私にとってこの番組は「堺さんPV」になりました(だから違)。
 な事をほざくのは此処までにして、以下まとも(?!)な感想

 ・小町に頬を寄せる直前の、包み込む様な手の動きから謝罪する場面の美しいこと!露骨なラブシーンで無くても、艶っぽ過ぎて年甲斐も無くドキドキしてました。

 ・一つ一つの動作が丁寧で、きちっと役を作り込んでるのは流石です。(山南さんの欠片も見えないのが凄い)抽出の多い役者さんだな、と改めて感心しました。

 ・小町を抱えてクルクル回る堺さんが可愛らしくて可愛らしくて。30歳なのにどうしてあんなに可愛らしいのか気になって仕方が無いです(笑)

 ・話はベタでしたが、堺さん(違)が幸せになってくれたから良いか☆