2006年3月27日月曜日

『西遊記』最終回

 なんとか完走致しました(笑)。毎回ほぼ流し見に近い鑑賞だったので、感想を書くほどのことも無いかと思ってましたが、が、最終回を見て書くことに決定。

 理由は、初代孫悟空な堺正章氏のご出演に決まってるじゃないですか(決まってるのか?!)。

 まずは、新版『西遊記』に関して感想を少しだけ。
 今回の『西遊記』については否定的な意見が多いかとは思いますが、私はオリジナル版を予想以上に巧くリメイクしたんじゃないかと思っています。猿豚河童の愛ある罵倒のし合いとか、お師匠さんと孫悟空のちょっとした関係性とか(夏目三蔵と堺悟空のちょっとした遣り取りに、ドキドキした記憶があるもので)等々。
 とはいえ、う〜んと思う部分も不満も当然あります。が、最終回の初代悟空出演で全て水に流そうって気になりました(^^;;

以下、オリジナル版を懐かしむ内容です。

 テレビ欄に堺氏のお名前を見た時点で、完走は決定。登場されるなら、お釈迦様位しかないだろうと思ってたら、予想通り。素人に展開を読まれてどうするフジ...とは思いました。
 が、初代 孫悟空登場と共に『MONKY MAGIC』が流れ、華麗な棒術を見せいただいた瞬間、そんな事やあんな事(どんな事や?!)はどうでも良くなりました。それどころか、よくやってくれたフジTV!!と感謝の気持ちすら抱きましたよ(笑)

 それほどまでに、初代孫悟空な堺さんの棒術は美しく、華麗で、迫力があり、好々爺なお姿をされているにもかかわらず、孫悟空に見えましたもの!!!

 そして、出来うることならば、西田敏行さんと藤村俊二さん(岸部四郎さんは無理だろうな/苦笑)にも出ていただきたかったと思い始末。そう、脇侍のように!!お釈迦様=釈迦如来とするならば、文殊菩薩と普賢菩薩が付き従ってもおかしくは無い。初代お師匠様な夏目雅子さんがご存命ならば、お釈迦様は夏目さんで、脇侍は孫悟空と猪八戒だろうな〜と妄想が膨らんでしましましたよ(馬鹿)。

 また、棒術披露のみならず「緊箍児」を見やって「それ、痛いんだよね〜。ほんとに」とおっしゃるとは!!それはもう嬉しさの余り言葉を無くしたほどですよ(馬鹿です)。その台詞を聞いたときにゃぁ、深津三蔵は意外と躊躇いが見えたけれど、夏目お師匠さんは緊箍児の使用に容赦無かったよな〜と懐かしくなりました。ほぼ毎週のように緊箍呪唱えておられた様な印象がございます。また、唱える姿が美しいかったんだよな〜と思い出して、しばしうっとりしておりました。

 今回の深津三蔵も美しく、可愛らしく凛としていましたが、やはり初代お師匠さまの世俗から離れた雰囲気っては薄かった様に思いました。けど、最終回の深津三蔵は「流石 深津ちゃんっ」と思うことしきりでした。やっぱり巧い役者さんだと、納得でした。

 孫悟空は、頑張った香取君には悪いけどあの棒術を見た後じゃ〜堺正章さんでしょうよ(笑)。堺さんの柔らかな動きからくる美しさや、リズム感、迫力ってのはやっぱり素晴しいと思うんですよね。とは言え、香取君は、時折っとさせる表情や演技を見せてくれたとは思います(う〜ん偉そう/^^;;)

とりあえず、色々なドラマを見て十分楽しめた3ヵ月でした。

ドラマと原作 その2 『神はサイコロを振らない』

 ドラマに関しては途中で中弛みを感じたものの、私にとっては十二分に満足いく作品でした。というか、幸せな鑑賞時間を過ごさせていただけたな〜と製作陣に感謝です。特に、脚本の水橋 文美江さんには感謝感謝です。だって、あのどうしようもない原作を、あそこまで素敵な作品に良くぞ仕上げてくださった!!!とその手腕に惚れ惚れいたします、です。
 というか、換骨奪胎の好例なドラマでしょうね〜。

 このドラマを鑑賞している間、良い意味で揺さぶられました。決して「泣かせる作り」では無かったと思うんですが、登場人物の言葉や表情から見える彼らの想いに、幾度と無く感情を静かに揺り動かされ、時には涙腺が緩むこともありました。「可哀想」とか「辛いだろう」という涙ではなく、全く逆の久しぶりに感じる人の温かさや強さに対する涙でした。

 印象に残っている場面は、9話の黛ヤス子と大家本部長の対話です。勿論、あっちとやっち、ヤス子と哲の場面は全て、好きなんですが、より深く印象に残ったのは上の場面だったんです。
小林聡美さんと岸辺一徳さんの、何とも言えない台詞と表情・言葉を発するリズム、そして間の全てが完璧で!!!乾いた砂に綺麗な水がす〜っと染込んでいくような、綺麗な優しい場面だったと思えるからかも。

 また、瑠璃子ちゃんと母親、甲斐兄弟の最後まで穏やかで暖かな関係等々の脇の挿話も、(多少まごつきはあったものの)違和感無く綺麗に収めたんじゃないかと思います。とはいえ、瑠璃子ちゃんの美少女度には毎回ときめかせていただきました(笑)。いや、本当に透明感と少女特有の硬さを見事に融合した美しさにはため息ものでした。
 甲斐航星君の落ち着いた雰囲気には、将来有望か?とか万一『のだめカンタビーレ』が実写化されるとしたら、黒木君役は彼しか居ない!!と明後日の感想を抱いてました(笑)。
 そして、忘れてはならない桃子ちゃん。いや〜素晴しく可愛らしいお嬢さんでしたね〜。桃子ちゃんのエンタツ・アチャコ解説には毎回楽しませてもらってました。が、彼らの何が彼女の琴線に触れ、彼女をあそこまでエンタツ・アチャコマニアにさせたのか?!大層気になってしかたありませんでしたが(^^;;

 何よりの収穫は、今まであまり気にならなかった役者さん達の丁寧な演技を堪能できたことでした。中でも、ともさかりえちゃん(金田一少年〜のイメージが未だ強くて、「ちゃん」付してしまいます)の可愛らしさには驚きでした。彼女演ずるあっちの真直ぐな雰囲気が優しくて、愛おしいとすら思えました。何時の間にこんないい役者さんにならはったんやろう…と嬉しいような不思議な気持ちでした。
 山本太郎!!!えぇ太郎君にトキメクなんて誰が一体予想したでしょうか?!哲のヤス子への言葉とか表情とか、仕事に向かう最終場面とか、もう格好良いの一言でした。

 転じて、原作です(ドラマとの余りの差に愕然としたため、かなり感情的な文章になっています)。
 えっと、蛇足とは思いますが私の本全般に対する思いってのを書いておきたいと思います。
 これまで幾多の本や小説を買って読んできました。その中で確かに、文章と相性が合わないとか、思ったのと違うな〜とか、失敗したかも、なんてことは多々あります。また、己の理解力や基礎知識が無い(付いていかない)ため読んでいて中々頭に入ってこないとか、文章になかなか馴染めず読む速度が遅くなる、等々の理由で苛々することも当然あります(最近ではドストエフスキーの『罪と罰』。というか、ロシア文学。幾度か挑戦してみるんですが、尽く敗れ去っております--;;;)。勿論、買った(借りた)は良いものの、読了しないままの本も数多くあります。
 が、そんな本であっても読み終わった直後にゴミ箱直行なんてことは無い。どちらかといえば、今回相性が悪かったけれど、次読むときには大丈夫かもしれない、と淡い甘い期待をいだきつつ本棚に仕舞う。仕舞ったまま日の目を見ない書籍(本棚の肥やし)になってしまうんでしょうが、それは長い人生の中でいつかきっと日の目を見ることになるかもしれないし(以下エンドレス/笑)。という事で、本を捨てることに関しては、もの凄く抵抗感がある方だと思ってます。
 事実、どうしようもなくなって相方に「ええ加減選別して、どうにかしようか。お互いに」と言われ選別作業しても、うじうじ悩むでなかなか捨てられない。

 が、この原作だけは違いました。文字を追うにつれどうしようもなく苛々し、最終回までに読んでしまわなきゃと好印象なドラマの為だけに読了し、読了後はゴミ箱直行でした。
 ドラマと原作は全く別物ですよ!!皆さん!!

 何が徹底的に駄目だったのか。婉曲的な表現をするならば、相性が全く合わなかった所為。

 露骨な表現をするならば、読了後「何……これ………」と呆れ返ったというか、全く感想が思い浮かばなかった事実が一番近く適切な理由の様な気がします。ドラマのあの居心地のよさはこの原作には全くなく、あるのは、ただ「……」だけでした。

 その理由は、まず登場人物が見事に薄くて、人物が描ききれてない上に、書き分けられてすらないからなんですよ(涙)。
 著しいのが、黛氏(男性)と甲斐氏。本来ならこの「物語」(って言葉をこれに使うのも嫌なんですが)の主軸になるであろう二人なんでしょうが、描写が薄い上に書き分けられてないしなので、全く行動に意図が見えくなってます。その所為で、この二人の会話はどっちが話しているのかが、わかりにくいったらありゃしませんでした。
 この二人だけでなく、会話文全体が誰がどういう状況で、どんな(作中に於ける)意図があって話しているかが解りにくい。なのに登場人物だけはやたら多くて、あちこちで会話が交わされてて、正直疲れました。

 次に、挿話が本筋を見えなくしてること。
 冒頭より名前が出てくる「ミスターX」なる大層な名前を冠した人物が居るんですが、彼を主体とした挿話がこれまたどうしようもないほど活きてない。しかも、脇でしかない筈の彼にもの凄くページを割いてるのが、何の意図があってのことかがまったく見えない。解ったのは、彼を通じて「警察」と「公安」の類型的な鞘当を描きたかったんだろうな〜って事だけ(警察と公安の鞘当なら、高村薫氏とか横山秀雄氏の作品の方が、当然のことがなら迫力もあるし、緻密だし、日常の神経戦を疑似体験できる楽しさもあります)。
そうそう、アイドルの立てこもりっていう挿話も同じ意図があったんでしょうね〜やれやれ。

 本筋は、10年前に消えた家族と再会し、彼らが体験した「3日間の奇跡」を描くってのもじゃなかったんでしょうか??? が、そんな本筋は様々な無粋な挿話のお陰で、すっかり見えなくなる、一体何を描きたいのかがさっぱり見えませんでした。

 もっと登場人物を少なくして、「奇跡」に立ち会った彼らの内面や葛藤なんかを描けば面白くなると思うんですが、何れも表面を撫でてるだけ。
 例えば、夭折の天才チェロリストとステージママは互いを見ることも無く、個々の内面にも踏み込まない(ドラマでは相互理解って形でまとめてました)。
 早熟の天才物理学生と遺族会を立ち上げた父親(ドラマでの甲斐兄弟)は、息子は教授と共に原因解明に奔走する様子を描くのみ、況や父親の苦悩や葛藤なんざ表層をちょこっと描くだけ。
 10年前不倫中であったCAは、その結果を知り僅かばかり苦悩らしきものを見せるものの、最終日には彼女をずっと思って、遺族を支えてきた黛氏と結ばれ結婚を決意する。が、その軌跡がわからないから非常に唐突でしかない。
 政治家である父親を殺そうとした息子は、彼の喪失を期に生まれ変わりそれにより「大物且つ良心的な政治家」となった父親を、なんと!!たった2日で理解し、和解します(笑)。しかもこの大物政治家なるものの、どうしようもない位の(偽)善者若しくはヒーローチックたる姿には、なかなか疲れます。
 
 更に、場面の移動が意味も無く多く、それが私にとっては「なんで???この場面が必要なの??」としか思えなくて(苦笑)。
 この本は三人称、所謂「神の視点」で語られてます。それは、それで良いんです。が、その視点が無駄にうろうろ右往左往するんですよね〜。普通、三人称であっても何所かに基点となる部分があると思うんですよ。が、何所にも基点が無く「神」が興味のある方向に、それも気侭に動かすもんだから、三人称にもかかわらず「物語」が俯瞰できない。俯瞰できないのに登場人物も薄い所為で、近づいてもピントが合わずにボケまくって更に見えなくなる。重複する視点を使って、同時間を違う人や場面でもって語らせるのというのとは違う気がします。単に、何の構成も無く筆の進むまま、思いつく話を無作為に(ある程度の時間軸はありますが)放り込んだけとしか思えない。
 確かに三人称で近づいたり離れたりする手法は、物語を語る一手法としては正しいと思います。実際、奥泉光氏の『鳥類学者のファンタジア』なんかも独特な三人称(で良いのかな?あれは。一人称的な三人称と表現すべきなのか...。と悩ましいのは楽しいことです/笑)なんですが、浮遊感とかを感じることができ、物語自体の不思議さと相まって非常に楽しい読書時間をすごさせてもらえたし。
 けれど、この作品に関してはドラマのようにある程度「主軸」を決めて、そこから見た「3日間」を描いた方が有効だったように思えてなりません。ただ、それをするにしてもあの人物造詣の薄さでは、無理があるような気がするし...。

 あと、地の文と会話文との違いが無く、平坦な印象がありそれがさらに読み難さを倍増していました。これは個人的なモノかもしれませんが、地の文で「赤ちゃん」という文字が出てきた時には苦笑いたしました。割と硬質なルポ的な文章なのに、突然出てくる口語的な「赤ちゃん」に読み手のリズムはかなり狂わされました。

 かなり酷評しましたが、単に私の読解力が無いからかもしれません。密林やWeb上を見る限り概ね好評のようなので。

 さぁ口直しに『モダールな事象』か『桃尻語 枕草子』でも読もうっと(笑)

ドラマと原作 その1 『出雲の阿国』

 この3ヶ月は、1年振りに週5本ペースでドラマを見てました。内、原作があったのが『出雲の阿国』・『神はサイコロを振らない』・『功名が辻』の3本。
 『西遊記』も原作若しくは原典があるといえば言えるけれど、それからはすっかりかけ離れて日本オリジナルな話になってる気がします。それに今回のドラマは、旧『西遊記』がベースとなってる気がするので除きました。

 原作があるものについては、やはりきちんと原作を読まなければならない!!という(あまり大したことのない)信念の下に『阿国』と『神は〜』の2冊を読んでみました。 『功名が辻』については、過去、司馬遼太郎に嵌っていた時期に読んだ気がするのでまぁ良いかということで(笑)。

 以下 『出雲の阿国』のドラマと原作に関する感想です。多少毒吐いてる部分もあります(^^;;

 ドラマに関しては途中まで別項を設けて、色々悶えて(え?!)ますが全話を流し(飛ばし)見した感想含めつつ。

 この作品は、当然のことながら「原作」の方が素晴しかった。有吉佐和子さんの作品を拝読したのは、恥ずかしながらこの作品が最初でした。が、柔らかな雰囲気を纏いつつも、その内実は骨格がしっかり作られている「物語」に魅了されました。特に、「城造り」と「阿国」と「男」を絡ませながら、その時代に存在していたであろう「息吹」や「空気」を描き出されていたのには感嘆するしかありませんでした。

 阿国が「城(=権力)」という物を仰ぎ見ながらもどこかで嫌悪を抱いている「感情」と、野心を持つ「男」が抱く「城」に対する執念や熱情のあからさまな「差」により、阿国の「芸」が生まれた土壌を作っていくのがなんとも魅力的でなりませんでした。

 また「城」が象徴する、時代と権力の移り変わり。権力者がその力を誇示する為に造られる「城」。その住人たちは、物語中には顔を出すことはありませんがいつも阿国達の傍らに存在する。それらに惹かれ、より近づき出来うることなら掌中に手に入れたいと焦がれる思いを抱く男たち。それらに疑問を抱き、出来うることなら彼らの手から逃れたいと思う阿国。

 阿国に魅了され、阿国と共に大衆の文化を生み出した「男たち」ですら抱き続ける、権力への渇望や執着や憧憬。河原という自由な場に心惹かれながらも、「城」に恋心を抱く。そんな彼らが「人生の伴侶」として選ぶのは、決して彼らの思いが受け入れられぬであろう、「城」とその住人。
 対して、経験を通じて「城」や権力に懐疑を抱き、「踊る」事により苦悩や自身を昇華させる阿国。彼女の原始的ともいえる生命力の力強さと美しさには、登場人物ならずとも魅了されました。そして、阿国と城を対比することで、男たちの葛藤や悲哀が浮かびあがる様子には、美しささえ感じました。

 また当たり前のことながら、登場人物全てが生き生きと描かれ、彼らの「生」を一つとして疎かにせず、況や個々の魅力を余す事無く描いているのは流石としか言い様がありません。どの登場人物も印象深くありました。

 転じてドラマですが、あの長い原作を巧く消化していたとは思います。ただ如何せん、放映回数が少なかった。その所為で、城と阿国と男たちの関係がいまひとつきちんと描ききれて無かった様に感じられました。また、演じての力量に配慮してでしょうが(失礼極まりないな)、阿国の抗えない宿命として存在している「踏鞴の血」の描写が少なかったのは、勿体無いと思いました。だって、踏鞴を踏むリズムや、炎、そういったモノが阿国に無意識的に影響を与えているのに。

 演者に関しては、男衆は文句無く良かった。時代と阿国に翻弄される様子が悲しくも滑稽だと感じさせたのは、流石だと思います。
 女衆はなぁ….意外と良かったのがお菊でした。単に好みだってのもあるんですが、阿国に対する鬱屈した想いとか嫌らしさとかありつつも、どことなく幼い雰囲気があり、非常に見ていて楽しゅうございました(笑)
阿国に関しては、「弱かった」とだけ書かせてもらいます。

2006年2月14日火曜日

Mariah Careyx3+U2x5=48th GRAMMYs

 相変わらず、話題(若しくは旬)から遅れてます。
 しかも、2/9(現地 2/8)の第48回グラミー賞の結果が発表されて以来、千々に心乱れる日過ごしてたり(大袈裟な)。結果に対して不服とか不満とかじゃないんですが、何かと色々と複雑な心境だったりします。

 そんな訳で(どんな訳??)第48回グラミー賞に結果についての戯言を以下に。

 今回は主要3部門含む8部門に最愛のMariah Careyがノミネートされた上、主要3部門中2部門で相方が敬愛するU2と被るという、何とも我家的は嬉しい且つ楽しい状況だったこともあり、今まで以上に楽しみにしてました。しかも、前評判では「Mariah復活のためのイベント」とも言われたこともあり、更に期待は高まるばかりでした。
 が、結果はご存知の通りU2の完勝。MariahはR&B部門でのみ3冠達成。
 この結果は、両者が好きな私にとっては本当に本当に複雑だったりします(苦笑)。
 その理由は明らかで、MariahがR&B部門で3冠のみで、期待していた(FAN長年の悲願でもあった)主要3部門が獲れず、その主要3部門中2部門をU2が獲ったって事デスよ。

 今更だとは思いますが、MariahとU2が受賞した部門を記載しておきます。


・Category 2 - Album Of The Year(年間最優秀アルバム) : U2 / HOW TO DISMANTLE ATOMIC BOMB
・Category 3 - Song Of The Year(年間最優秀楽曲): U2 / SOMETIMES YOU CAN’T MAKE IT ON YOUR OWN
・Category 16 - Best Rock Performance By A Duo Or Group With Vocal : U2 / SOMETIMES YOU CAN’T MAKE IT ON YOUR OWN
・Category 20 - Best Rock Song : U2 / City Of Blinding Lights
・Category 21 - Best Rock Album : U2 / HOW TO DISMANTLE ATOMIC BOMB
・Category 23 - Best Female R&B Vocal Performance : Mariah Carey / We Belong Together
・Category 28 - Best R&B Song : Mariah Carey / We Belong Together
・Category 30 - Best Contemporary R&B Album : Mariah Carey / The Emancipation Of Mimi


 Mariahが主要3部門(上記2部門+Category 1 - Record Of The Year(年間最優秀レコード))が一つも獲れなかった事が物凄く悔しいし、悲しい。けれどR&B部門での3冠というのは、彼女の音楽がきちんと評価されたと思うし、明確に方向転換した『Butterfly』以降の彼女の音楽ってものが真っ当に評価されたものだと思うので、物凄く嬉しいんです。
 無論、無冠にならなかったことが何よりも嬉しいんですが(この屈折の仕方が、Mariahの紆余曲折を物語ってるよな)。

 反面、U2が主要2部門を獲ったのことにも至極納得してしまうんです。実際、『HOW TO DISMANTLE ATOMIC BOMB』はどの曲も素晴しかったし、悔しいけれど(笑)格好良いアルバムだと思います。勿論、『SOMETIMES YOU CAN’T MAKE IT ON YOUR OWN』は文句無く素晴しく美しい曲だとも思います。だから、Mariha FANである私にとってはかなり不本意な結果であるにも関わらず、単純に「U2が過大評価されて、Mariahが過小評価され過ぎだ!!」とか「GRAMMYの陰謀だわ!!」いう腹立ちを持つことができず。しかも、腹立ちが無い故に悲しみを昇華することが出来ず、やけに悶々としているという訳です(苦笑)。

 だって、出来ることなら今回の『The Emancipation Of Mimi』でMariahに制覇して、「完全復活」を高らかにアピールして欲しかったんですよ!!確かにセールス実績やチャート上では「完全復活」となりましたが、今回のアルバムについてはこれまでとは違い「作品」として全体が評価なされるべきものだ思っていたので。そういった部分でものすごく悔しいな、と思ったんです。
 ただ、作品としての評価ということなら8部門ノミネートってだけでも十分、とも思ったりもして、なかなか複雑でございます(苦笑)。

 さて愚痴はここまでにして(言い出したらきりが無い^^;;)、その他の雑感などをざっと。

・OpeningのMADONNA
 相変わらず格好良くて思わず目を奪われるる存在感は流石した。が、やっぱり年齢重ねはったな〜と思わなくも無く。しかしそれ以上に「う〜ん….力技でMariahのOpening パフォーマンスを阻止しはったんよな〜」とかなり歪んだ目で見てしまいましたよ。
・U2、U2&Mary J.Blige
 「Vertigo」:やっぱこの曲は格好良いわ〜と悔しがりつつも相方とノリノリで鑑賞してました(笑)。しかし、Bonoの相変わらずなへたれた歌(By相方)は聞きなれると「味」になるんだと、感心です(酷)。というか、BonoっちのLIVEパフォーマンスははったりが利いてて本当に格好良いと思いますよ。
 それ以上に格好良いのは、バンドメンバーだと思われ。あのへたれ(一度たりとも同じ歌い方ができない)Bonoっちに合わせてあそこまで齟齬なく演奏できる力量に、ただただ感嘆でございます。
 「One」:Mary J.Blige格好ええっっ!!!と大騒ぎでした(笑)。この曲はホント名曲だと改めて。どのタイミングで聞いても何か響くものがあるし...。特にギターの哀愁が素晴しいとは相方の談。
・Mariah
 「We Belong Together」:歌いだしの声が少し擦れた感じがしたので一瞬ヒヤっとしましたが、それ以降の伸びやかな声に一安心。衣装も場にあった雰囲気だったと思います。
 「Fly Like A Bird」:アルバムで聞くよりLiveの方が素晴しく、鳥肌立モノでした。歌詞も勿論素晴らしいんですが、それ以上にMariahの声が美しくて!!!ゴスペルの厚みと彼女の張り詰めつつも温かな声が絡み合い本当に素晴しかったと思います。えぇボロボロ泣いておりました。
・U2のスピーチ
 Best Rock Album:Bonoっちのスピーチはあちこちで取り上げられておりましが、我家で受けた(?)のはThe Edgeのスピーチ中に、後ろでごそごそしてたBonoっちとラリーでした。Edgeが話し始めてから心配そうに何かを打合せする二人と、暫くしてEdgeのスピーチに満足そうに頷くBonoっちが可笑しくて可笑しくて。相方と「今な、きっと何時止めるんや、とか打ち合わせてるんやで」とか「Bonoは、良いこと言うよエッジ、とか思てるねんて」等々突っ込んでおりました。
 Album Of The Year:Bonoっちのスピーチにかなりむかついてました(笑)。特にMarihaに対しての言葉"And Mariah, you sing like an angel,"を聞いたときにゃ地団太踏んで「くぅぅ、むかつく〜ボノっ」でしたよ(笑)。更に相方に「流石Bono。余裕綽々ですな〜。ほれMariahさんも誉められて喜んではる」と言われ、あまりの悔しさに唇かみ締めました...。ったくだからU2ファンって(と十把一絡にしない)。
・気になった事
 Song Of The Year の時、一瞬ですが受賞曲ではなくMariahの『We Belong Together』が流れました。あれは一体?? 恐らく単純なミスだとは思うんですが、非常に嫌なミスだと感じました。あまりにもMariahに対して酷いような。
 海外のメディアを見ていると、今回の結果はGrammyのMariahへの"a little love”と表現しているのを多く目にしました。正直、正確なニュアンスは理解できてないんですが(何せ英語苦手なものでして^^;;)、それが表現しようとしてるであろうニュアンスに納得したした次第です。巧く表現してるというか、なんというか。本当に「ささやかな愛情」だけを示されたんですよね〜(苦笑)

 これで全てが終わりではなく、この結果を踏み台にして更にMariahが高みに行くことを期待して止みません。つうか、更なる高みに行ける「本物の歌手」だと思って信じてるので。
 次のお楽しみは、恐らく行われるであろうLIVEです!!来日公演があることを期待して頑張りたいと思う次第です。

 また、憎き(笑)U2さんですが、4月の来日ツアーは行って思う存分弾けて楽しむ予定です(ってをい)。その時にはここぞとばかりに「Bonoの馬鹿〜っっ」若しくは「アダム&ラリー男前っ」と叫びたいと思います(笑)。

2006年1月30日月曜日

1月開始ドラマあれこれ。(『功名が辻』2-4話)

 仲間嬢を筆頭にお気に入りの俳優さんが多かったり、ドラマのテンポが意外と良かったりするので、脱落する事無くなんとかオンタイムでの視聴が続いています。昔から、戦国時代が日本史の中で一番好きだってことが一番の要因かもしれません。

 と言いつつも、2-4話で一番楽しませてもらったのが竹中半兵衛@筒井道隆氏でした。実は昨年の配役発表で一番驚いたのが、この方。
 あの知略に優れ人格者な軍師且つ秀吉の懐刀な竹中半兵衛を、あのおっとりさんで人の良さそうな筒井君がどう演じてくれるんだろうか、新たな半兵衛像が生まれるのか?!等々。半径50mの狭い範囲でそれはそれはかなり話題になり、06年大河の注目は「筒井半兵衛」な状況でした(^^;;;

 そんな中、2話で初登場した半兵衛殿ですが...。

以下半兵衛殿中心の雑感
 
 すみません。兜の余りの似合わなさに大笑いしてしまいました。それで笑いのツボを押されたのか、2話放映週の半ばに例の『12人の優しい日本人』を観てた所為なのか、その後不破殿や藤吉郎が「半兵衛殿は知略に優れ」とか語る度に妙に可笑しくて可笑しくて仕方なかったんですよ。筒井君にはホント申し訳ないとは思うんですが。

 3話では稲葉山城を無血占拠したり、斉藤竜興への温情を示す懐の深さ(人徳)を見せたり、人望の厚さを見せたりと大活躍だった半兵衛殿。この時の筒井半兵衛を観て、「こんな草食動物のような穏やかな半兵衛も良いかも」と思った次第です。登場する面々が上昇志向や野望を隠す事無く、熱く(時には暑苦しく/^^;;)存在している中で、己の能力を過剰評価することもなく淡々と静かに存在している筒井半兵衛の佇まいに好感を覚えたんです。それ以上に、隠居時の筒井半兵衛がものすごく似合っていたってのもありますが(笑)

 で昨夜の4話。
 何が一番驚いたって、稲葉山城への裏道の案内人である生瀬さん@堀尾吉晴を呼ばわった時ですよ(笑)。名前を呼ぶ半兵衛殿の声がこれまでで一番威厳があったのと、その声に呼ばれて出てきた生瀬さんの姿に驚かされました。
 生瀬さん登場は、OPを見ていなかったので全くの不意打ちだった上、半兵衛殿の部下とは予想もしてなくて(NHKの紹介では『一豊の同僚』としか記されてない)、半兵衛殿とは真逆な小汚い格好だわ、なそんなこんなでかなり動揺してました(笑)。
 いや〜まさかこんなところで2号と4号の立場を逆にした絡み、又は殿内さんと容保公の対話が見られるとは!!とまるっきり明後日な感想も抱かせてもらい、かなり美味しい時間をありがとうNKH、と言いたい気分で一杯です(ホント間違ってるよな)。

 この調子だと、半兵衛殿が生存してる間は見続けるだろうな〜。
 半兵衛殿についてはこの辺にして、本筋について少し。

・元々「好いた惚れた」的なお話が苦手なもので、2-4話の千代&一豊については「良かったね」とだけ言っておきたいと。ただ、仲間嬢の可愛らしさと良い意味でのあっさりとしたお呑気そうな雰囲気が、思った以上に見やすくしてくれてる様に思ってます。あと、山内従者コンビの明るさに、私としては救われてるような気がしております(笑)。

・藤吉郎@柄本明の「人蕩し」は見ていて惚れ惚れします。
・稲葉山城落城時兵が女衆を組み伏せてる場面がありましたが、大河でああいう場面を描いたのって珍しいじゃないかと。戦は戦場で斬ったり、机上で戦略を練るだけでなく、ああいう泥臭い醜いモノなんだと改めて。
・稲葉山城炎上を見つめる蝶姫(お濃)が印象的でした。つうか、単に私が斉藤道三とお濃が好きなだけなんです(^^;;
・これは言っちゃいけないんでしょうが....。一豊と千代がずっと互いを想っていた理由とか背景とかが分らなくて。なんとなぁくご都合主義に思えてならないんですが...(単に恋愛モノに疎いからなんでしょうね)
・加えて言えば、半兵衛殿が何故信長方に付こうと決めたのか。その動機とか理由が見えなくて、戸惑いました(あの時の半兵衛殿は可愛かったから良いんですがね/笑)。

1月開始ドラマあれこれ。(金曜時代劇『出雲の阿国』2-3話)

 内容については真っ当に触れてない感想です。

 録画分を漸く週末に見た後に思った事は、「黒く、Sっ気たっぷりな三九郎(=堺さん)って格好ええっっ」でした(笑)。勿論視聴中は、三九郎が話すたびににやけっぱなしでした。

 阿国やおわん(その他の女性)に対するSっぷり(若しくはヒモ男的な言動/笑)も当然勿論素敵なんですが、個人的にお気に入りなのは対梅庵で見せる腹黒さや徹底して感情を抑える様子です。いつ手を離されて落とされるか、自分で落ちてしまうか分らない綱(いや紐だな)渡りを己の足の感覚(才覚・才能)だけを信じて歩いてる、そんな危うい遣り取りが心地よくて仕方ないんです。
 また、三九郎の野望も目的も(況や弱さも)知っていて、己の保身や今以上に権力に近づきそれを得るためだけに、彼を「飼って」(「利用できる」相手とは思ってないのが、これまた)、不要だと思えば速攻一番相手を打ちのめす方法で捨ててしまう、梅庵の老獪さにもうっとりしております。
 出来ることことなら御伽衆同士の水面下で行われてるであろう勢力争いを、本当に見てみたいんですが。

 女子衆に関してはですね、女子衆だけの場面は飛ばして見てるので、なんとも言えませんが、菊川嬢は何とか見慣れた気がします。うん、頑張ってるとは思います。

 あと、流石NHK小物は丁寧に作ってますね〜。ロケも如何にも太秦!!(笑)なんですが、雰囲気が巧く出てるな〜と思ってみております。
な訳で原作読もうかと思って、図書館に予約中です。有吉佐和子さんは初めて読むのでかなりワクワクしております。

2006年1月27日金曜日

『12人の優しい日本人』感想

 12人の陪審員と共に、刺激のあるとても心地よい時間を過すことができました。また、劇場を出る時に良い意味で何も残らず、ただ「楽しかった」とか「良いお芝居だった」という幸福感が残る、そんな素敵な舞台だったと思います。
 そして、この舞台の印象を一言で言うならば、「生瀬さんの魅力全開&一人勝ち」でした(どんなやねん)。この辺りの詳細は後ほど思うぞ分語りたいと思います。

 Wowow『検証・三谷幸喜』内にて三谷さんがおっしゃっておられた様に、確かに唯一人の突っ込みである陪審員2号@生瀬さんVS最強のボケ11人という見事な構図でした。中でも、陪審員4号@筒井道隆氏と陪審員10号@堀内敬子氏のボケ具合は最高に素晴しく、この二人への陪審員2号の突っ込みは徹底的に容赦が無く、その様には清々しささえ覚えた程でした(笑)。
 更に役割的に「ボケ」とは思われない陪審員9号@小日向文世氏でしたが、見事というか...予想通りというか...何と言うかある意味最強でございました(これについても後述したい/笑)。

 話に関して少しだけ触れておきたいと思います。
 無罪か有罪か。当初、単なる感情論から始まった議論とも言えない議論が、最後には小さな、しかしだからこそ大切な違和感を「言葉」で説明し、一つの結論が導き出される過程。特に、後半の議論が新たな展開を迎え、収束に向かう時のなんとも言えないスピード感は素晴しいと思います。そして、終始交わされる言葉の応酬だけで12人の個性(や背景)が見える作りに、「あぁ流石三谷さんだ」となんとも言えない心地よさを覚えるお芝居でした。
 余談ですが、個人の抱えてる問題と「今」向き合わなくてはならない問題とを混同することの悲しさや醜さなんかも感じて。この部分、うっ...気をつけようと反省しました(って)。
 また、13人目の陪審員としてどういう判断を下すのか。正直言って観ている間、揺れ続けてましたがやっぱり、付和雷同しちゃうんだろうと思います。どっかで、「『罪』を科してしまって、もしかして恨まれたどうしよう」とか「『いい人(慈悲深い人)』と皆に思われたい」とか、そんな事を思ってしまいそうで。けれど、「『罪』は『罪』だし...」とか感情的な部分で右往左往するんじゃないかと。
 やっぱり、平均的日本人で、確かにこういう風土で陪審員制度の導入は時期尚早なんじゃないだろうかと思った次第です。もう少し「論理的に考える」とか「『論理』と『感情』の同居させ方、使い分け方」といった部分をきちんと教育で訓練した方が良いんじゃないだろうか、と教育問題に逃げてみます(苦笑)。


 実は、今回幸運にも2週間前と今週半ばの2回鑑賞することができました。しかも1回は最前列ど真ん中と、今年(いや今年度か)の運使い切りと言っても良い程のミーハー的に(笑)美味しい席で見ることがでました。

 2回鑑賞して初めて、「舞台は日々変化する」を体感したような気がしています。確かに、東京公演半で映像化しているDVDと、公演後半になりがちな大阪の劇場で観た時とは、若干変わっているとは感じていたんです。ただその時は、大阪と東京では意図的に演出を変化させてるんだろうな〜と思っていたんですが、大間違いでした。たった2週間の短い期間で「変化」するんですね。どこがとは明確には判りませんが、恐らく会話のテンポとか、役者さん雰囲気とか、細かな仕草とかが少しずつ変化してたように思います。それでいて、舞台の完成度は全く変化しないってのは!!全く「凄い」とかしか言葉がありませんでした。お陰で、これまで観た舞台(特に『オケピ!2003』)も、無理をしてでも複数回観ておくべきだった!!と今更ながらの後悔をいたしました(ホント今更)。

 あらすじや全体の雰囲気等々については詳細かつ丁寧なレビューが上がってるので、以下ネタバレなミーハー的雑感です。

 私は映画版を観ていたので、あらすじ及び登場人物の性格付け、行動等々は知っている状態でした。なので、あの陪審員が今回の役者でどう変わるのか、その結果舞台全体がどう変化するのかがかなり楽しみでした。
 初回鑑賞後は、良くも悪くも若干の「違和感」がありました。その違和感なるものが何を起因としているのかは、未だに分析できていません。が、「違和感の理由」だと思われる一つとして、陪審員11号が過去に演じた「役」についてです。映画版では「弁護士の役」で、今回は「陪審員の役」となっていました。どういった意図で脚本が変更されたのかは不明ですが(三谷さんのことなので、きっと何か深い意図があるに違いない筈)、11号の役割を考えた場合「弁護士」の方がよりストンと落ちるように思えてなりませんでした。(だって、「陪審員の役」をやった役者が「弁護士」ですと言い、延々それらしく振舞ってる背景が見えないように思えて)。
 他は、陪審員7号@温水洋一氏の小さな(笑)椅子の扱いかな。円形テーブルを使用している舞台なので、普通の椅子では体が被るから小さな椅子にしたんふだろうとは思うんです。が、その折角の設定が今ひとつ活かされてなかった様に感じました。まぁ7号の動きでそれとなく落ちは付いてまし、それ程気にする部分でないのかも知れないですが、あまりにも唐突で三谷さんらしく無いような気がした部分でした。

 2回目は上記以外の違和感は薄れたように感じました。恐らく席が近かったお陰で、役者さんの細かい表情とか小さな台詞等を掴むことができたからだと思います。

 正直、初回は見るのに疲れました(苦笑)。理由は、簡単です。魅力的な人が多すぎ(笑)。
 後方席でいくら全体が見渡せるからといっても、12人全員の動きを追うのは流石に無理がありました。しかも、皆さん喋ってない時も当然「役」として動いておられ、そっちも気になるしとかなり視線が右往左往してしまう。
 2回目は、最前列だったが故に最初から全体を見ることは諦め(ってか見えないし)、陪審員2号&4号&8号@鈴木砂羽氏&9号&12号@山寺宏一氏の6名を追いかける作戦にでました。そのお陰で、視線は迷うことなく予想以上に楽に見ることが出来たように思います。ある程度、流れや動きを知っていたからだと思うと、初回のしんどさも有難さに変わりました。

 この舞台、ご存知の様に色んな分野から役者さんが集まってます。そんな中で思ったことは、「やっぱり舞台を続けておられる方は、舞台で輝くんだよな〜」という当たり前な事でした。目玉の一つであり一人格好良い(笑)陪審員11号以上に目を引いたのが、生瀬さんでした。そして、舞台を経験されてる方の動きは本当にキレがあり、また、立っているだけの時でも全身に神経を使われてることが分りました。特にカーテンコール時に強く感じてしまいました、です。
 というのは、初回鑑賞時気になったのが11号。腕がブラブラしていて申し訳ないけれど「汚い姿」だと感じてしまいました。確かに、生瀬さんや小日向さん達と比べるのは申し訳ないと思うんですが。それを見て思い出したのが、随分前にどこかの番組内(木梨さんがホストで三谷さんと天海さんがゲストで出ておられた番組)で天海祐希さんが言われた言葉。古い記憶なので不確かだとは思いますが、「(舞台に戻るのは)ドラマだとカメラに写る部分だけお芝居をしてしまい、それ以外は弛緩してしまう。けれど舞台では全身を使ってお芝居をする。そういった緊張感をもってドラマでもお芝居をしたいし、その緊張感を忘れないように」と言う様な事だったと思います。その時は「ふ〜ん。流石舞台出身の方やな...」という感想しかなかったんですが、今回改めて彼女が言っていた事が具体的に見えた気がしたんです。11号の方が悪いという意味ではなく、舞台とカメラの前のお芝居は似てるようで全く違うものなんだと。ただ、2回目の時はそれ程気にならなかったのでやっぱり「慣れ」なんだろう〜と思います。
 あと、声の通りが違いました(苦笑)。この面で11号は違和感無かったんですが、5号の方が。声の通りが悪いというか、一部聞き取り難いと感じたのも事実。いや、他の方達が通り過ぎってのも十分あるんですがね(特に生瀬さん/笑)。

各陪審員について雑感。

○1号@浅野和之氏
 体の柔らかさに吃驚(笑)でした。
 何があってもブレない方で、安心して観てられる方でした。特に小日向さんが台詞を間違った時に、慌てずフォローをされてたのには「凄い」の言葉しかありませんでした。
 この方の声は聞きやすい上、私の好みです(って)
○2号@生瀬勝久氏
 お疲れ様です、としか言いようがない(笑)
 2時間強のうちほぼ2/3は2号が喋ってるんじゃないでしょうか???その上、11人全員にツッコマナあかんしホント大変だったと思います、です。とは言え、生瀬さんの突っ込みは素晴しく冴えわたっておられましたよ!!しかも、安定感あるし、声は鬼のように通るし、素晴しかったです(贅沢なことですが、!最前列であの声は流石に「大きすぎ」た^^;;;)。
 やっぱり舞台では一番格好良くて目が離せませんでした。どんな時でも「2号」として存在されていて、不安そうな表情とか、9号に梯子を外れた時の何とも表現できない表情とか、激昂した時に見せる「駄目男」さとかは、流石生瀬さん!!でした。
 2号の奥さんが離れた理由とか、彼の日常の立場とかそういった部分が何気無い仕草とか言い回しで見えて、説得力のあるお芝居ってこういう事なんだと思った次第です。
 なのに、カーテンコールでは11号に完全に負けてた2号(笑)
 2回目鑑賞時の最終カーテンコールの事。ウィンクとちょっと格好良い仕草でお嬢さん達黄色い歓声(悲鳴/笑)を独り占めした11号。それに気づいた2号の悔しそうな表情と、投げKISSをしてちょっと少なめな黄色い歓声を浴びた時の満足そうな表情は、きっと忘れないと思います(そして、今後彼を見るたびに思い出し笑いする筈)。そんな負けず嫌いな生瀬さんが大好きですよ!!
 近くで見た生瀬さんは、細いし髪の毛さらさらだし、ちょっと艶があるし、でドキドキでした。
○3号@伊藤正之氏
 毎回毎回「プリン・ア・ラ・モード」食されてるんでしょうね....それもそれで大変かと(苦笑)
 『BN☆GT』のホテル従業員さんも、パニックに弱い役だったので、是非他のお芝居を拝見したいと思いました。 
○4号@筒井道隆氏
 役はどうやらガテン系だったらしいですが、どう見ても「良いとこの坊ちゃんが、社会勉強の為ちょっと無理して体力仕事をしてる」にしか見えないのは私の目が濁ってるからなんでしょうか??
 えっと、筒井君の無精髭を見て一瞬「どきどき」したのは何故???もしかして気づかないうちに筒井君のファンになったのか、私?!と妙に動揺してました。
 11人中で最強のボケは4号だと信じて疑いません。だって、言動全てが素ボケで可笑しいんですが(その上可愛らしさがあるって!!)。なので、生瀬さんとの絡みは素晴しく素敵でした。生瀬さんもイキイキ突っ込んでたし(笑)
 ただね、台詞が無い時に視線が落ち着かないってのはどうよ、と思うんですが、そこも筒井君らしくて良いか思わせる人徳が彼にはあるような気がします。あと、せめて4号くらいは6号とハイタッチしてあげようよ。容保様の為に尽くしてたじゃないよ秋月様は〜とジタバタしたくなりました(馬鹿)。
○5号@石田・ゆり子氏
 流石に綺麗でございました。
 必死で笑いを堪えてる様子が印象的でございました。もしかすると、一番素で受けてたの彼女かもしれません。
○6号@堀部圭亮氏
 秋月様っ!!な雰囲気は当然ながら全く無く、ちょっと寂しい思いもしましたが(っておい)、メリハリの利いた感じのお芝居、好きです。
 ただ、4号との絡みがあまり無かったのは寂しいかった次第です(しつこい)。
○7号@温水洋一氏
 初っ端の笑いを掻っ攫う7号。その後も、言動で笑いを掻っ攫ってくれ、ある意味生瀬さん以上に激しい役立ったと思われます。
 しかし、そんなことよりないより衝撃的だったのは、「ランニング姿」を目の前で見たことです(笑)。金鎖のネックレスしてたのね〜と思わず見入った最前列(字余り??)。
○8号@鈴木砂羽氏
 本当に綺麗で可愛らしくてスタイル良くて、可笑しくて!!もう砂羽さん大好き!!!と叫びたくなりました(迷惑です)。
 恐らく女性陣で一番動いて台詞も多いんじゃないかと思われるんですが、飄々と丁寧に可愛らしく素敵に演じておられました。2回目の時台詞を噛んだ(珍しいのかな??)後、素で周辺の皆に片手拝みで謝っておられた様子が誠に愛らしゅうございました。
 陪審員で一番親近感を抱いたのが、実は8号でした。あの大勢に流されやすい所が特に。映画版では世間知らずっぽい、浮世離れした感じだったのがものすごく何処にでも居そうな女性に変更してたのが、印象的でありました。
○9号@小日向文世氏
 12人中一番理性的で論理的な役。小日向さんの持っておられる抽斗の多さを感じました。この方が難しい台詞を喋ると場の緊張感が高まるというか、水を打ったように静まり返る気がします。たった一人で場を変えられるって凄いですよ、ホント。
 とは言え小日向さんです。期待(?!)は裏切ってくれません。
 初回の事なんですが、9号が議論を続ける為だけに「無罪」を「有罪」に変え有罪である根拠を説明する。その説明を聞いた5号が有罪に変更すると、議論を続ける理由が出来たので9号は元来の主張であった無罪に再変更する、場面。本来なら「無罪」と言わなくてはいけないのに、「有罪」と思わず言った9号。その後、9号が「有罪....無罪」と素で忘れた様な雰囲気が漂い、他11人の戸惑いが一瞬見えました(笑)。がそれ程度間は空かず、1号が「どっちなんです?」と向けて9号が「無罪です」と言い、元の流れに戻りました。が、やっぱり小日向さんの素ボケは最強だわ、や、期待は裏切ってくれないわ、等々なんとも失礼な事を思った次第です(笑)。
 2回目は何事も無かったんですが、その場面の前に妙な空気があったのできっと小日向さんはあの場面苦手なんだろうなと思います、です。28日の生放送頑張って下さい、と言ってみます。
 あと、終始微笑を浮かべておられたのは演技なのか、素なのか。ものすごい気になりました(笑)
○10号@堀内敬子氏
 うろたえ方や佇まいがそれは可愛らしくて。大好きになってしまいました。4号とのWボケコンビも素敵だったし(笑)
 劇団・四季のご出身だそうですが、流石に声の通りも、括舌も良くて本当に聞き易かったです。
 この方の、ベル(『美女と野獣』)はきっと素敵だったろうな〜と思いました。
○11号@江口・洋介氏
 素で格好良かったです(笑)。特にカーテンコールはこの方の為だけにあるといっても良いかと。
 1回目観た時よりも2回目の方がしっくり馴染んできた所為か、ゆとりを持って生き生きと演じられていたように思います。その所為か、2回目の方が本来の魅力が出て、格好良く感じました(偉そう)。古畑の物真似を2回目に観た時に、あぁ舞台上で遊ぶゆとりが出てきたんだな〜と。実際、微妙に似てたし会場も受けてました。
 実は、そういった一番変化を感じたのがこの方だったんですよね。それだけ吸収されて、表現できる力のある役者さんなんだな〜と思いました。
 カーテンコール時、あまりの近さとその格好良さに思わず「携帯写真撮れる距離やん!!つうか撮りたい!!」と思った程。なんか一人だけ放ってる光が違いました。あぁ吃驚(笑)
○12号@山寺宏一氏
 あの「トリさん(By『魔神英雄伝・ワタル』)」だった山寺さんが、こんなに...、と妙に感慨深くなりました(笑)。実は山寺氏の声優初期を知ってたりします、私...。20年以上も前の話ですがね(と遠い目をしてみる)。
 そんな古い話はさて置き、遜色ないお芝居に驚きました。声も申し分なく通るし、台詞のテンポも素晴しく良い。ご本人が言っておられた動きも全く遜色無く、安心感のあるお芝居だったと思います、です。

 音楽ついて一言。
 劇中音楽は一切ありませんでした。その分、最後に流れるテーマ音楽が非常に印象的に感じました。その音楽は「古畑シリーズ」でお馴染みの本間勇輔さんだと知ったのは、初回公演後。決して華やかではないんですが、心地よい音楽です。もしかしたら後日CD買うかもしれません。

パンフレットについて少しだけ。
 今回劇場で購入したのは、パンフレットのみでした。カレンダーを買おうかと思ったんですが、これ以上職場にも自宅にも置けないと思い買いませんでした(へたれ)。
 パンフレットで秀逸なのは、出演者と法務省の方との陪審員導入に関するQ&Aです。小日向さんと山寺さんの質問が素晴しく可笑しいので、明日明後日行かれる方は是非ご覧になって下さいませ。

2006年1月17日火曜日

1月開始ドラマあれこれ。一巡目(金曜時代劇『出雲の阿国』)

 堺さん目当てでしたが、駄目かもしれません。録画して、堺さんの場面だけ見るような気がします。話そのものは物凄く面白そうなんですが...。

 「阿国」という題材は非常に興味があるし、木の実奈々さんの『ミュージカル 阿国』も良く出来ていて、好きでした(TV放映見ただけですが)。が、如何せん菊川怜嬢の全てにおける危なさが..........。どうにもこうにも性に合わずです。
 この際、巧い下手、好き嫌いは端っこに置いておきましょう(偉そう)。けれども何故、彼女が阿国役なのか?!。キャストを知ったときから疑問でしたが、初回を見て更に疑問符が増えました。危なっかしい演技でも台詞回しが拙くても、何故かしら「役」としての魅力を感じる方はいらっしゃいます。が、菊川阿国にはそういった魅力すら感じませんでした。

 阿国の生命力とか憑坐(踊りの神に魅入られるという感じで使ってます)とか天賦の才とかが全く見えず、堺三九郎らが彼女の「生」や「熱」のある踊りに魅られ、その熱に引き込まれ彼らの人生を賭ける、という話の基本(基底)となる部分すら崩れてる様な気がします。キツイ言い方をすれば「基底が無い上のに、無理に美しい建物を建てようとしてる」無謀さすら感じました。
 なので、三九郎が「お前と出会うのが運命だった」とか「お前となら世間に出て行けると思うた」と言葉を費やす度に、本来なら阿国と出会って初めて表に出たであろう、「熱」や「欲」、「焦燥」なんかが見えず悲しいかな非常に薄っぺらなモノに聞こえました。

 それ以上に、阿国の「国が無い」不安定さや悲しみ、それがあるが故により激しく「温もりを求める」行為(踊りや恋)が薄くて薄くて(失笑)。見ていて正直嫌になりました。だから、ラブシーンが物凄く、生理的に見ていられなくて...。相方は「堺ファンやからやろ?」と揶揄しましたが、巧い方同士のラブシーンだったら何度も見ちゃうんで(以下略)。
 見終わった後、『組!』32話「山南さんin浮船」の明里との幸せな場面を見直しました程です(同じラブシーンなのに何故こうも違うんだろうと)。
 阿国役他に居なかったんでしょうか???題材とか本当に面白いのに〜

 これだけじゃ何なので、My鼓まで買ってカラオケBOXで自習に励んでらっしゃる(笑)堺三九郎について、少しだけ。
 堺さんがおっしゃる様に、判り難い人物ですね。周囲の人物(除く阿国)も「見せない」人物なので、そういった方たちとの遣り取りは見ていて楽しいし、彼らの真意を探る楽しみもあると思います。いっその事、阿国を脇(影響の無い場所)において御伽衆の権謀術数劇にすりゃ良いのに、と思いますよ。
 ただ、阿国に惹かれた理由は説明されたので判りましたが、伝わってこないのはかなり辛い。挙句友人に「堺さんってあんなに下手だった??」と聞かれる始末。
今後の展開を期待してます>製作者。

1月開始ドラマあれこれ。一巡目(『西遊記』)

○『西遊記』

 夏目雅子・堺正章版『西遊記』は、再放送がある度にしつこくしつこく見ていた程大好きな作品です。今でも深夜枠で再放送してくれたら確実に見続ける自信ありますよ!!ただ、初回版(猪八戒:西田敏行)も続編版(猪八戒:左とん平、新メンバー白馬:藤村俊二)のどちらも好きで好きだったりします。とはいえ、変更された時は幼心にショックではありましたが。
 未だに、私にとっての弁財天は「研ナオコ」で鬼子母神は「和田あき子」だったりするのはこの作品の所為です(笑)。この二つの話は物凄くインパクトが強くて、子細まで覚えております(特に研ナオコと堺正章の掛け合いは絶品だった)。

 当然、三蔵法師といえば夏目雅子さんに止めを刺します。この世のものとは思えないくらい美しくて凛々しく色っぽいお坊様でございました...。何話か忘れましたが、洞窟内で孫悟空が三蔵に膝枕してもらってる場面があり、見ちゃいけない場面を見たかのようにドキドキしておりました(今思い出してもドキドキするのは何故?!)。

 そして、高峰三枝子さんのお釈迦様!!!なんとも気高く案外茶目っ気のあるお釈迦様でございました。

 ってな古い話はさておき(延々書いてしまいそうなので/苦笑)、最新版『西遊記』です。冒頭のまるっきりコントだった「キムタクVS孫悟空」に一瞬腰が引いたものの、深津三蔵と内村沙悟浄のお陰で態勢を立て直すことができました(って何)。初回を見ながら思ったのは、「懐かしい〜!!!」でした。
 三蔵の伝家の宝刀「破門です」とか、「破門」といわれ凹みつつも無駄な反抗を示す猿とか、それを傍観者な立場で眺めつつ、きっちり突っ込む豚河童とか、猿豚河童の馬鹿な掛け合い&「お師匠(っしょ)さま」とか、「齊天大聖孫悟空さま」ってな言葉とか、「緊箍児」をちょっと嬉しそうに使う三蔵とか、そんな細かな要素がきっちり残っていた事が単純に嬉しくて、懐かしかったんです。
 こういう感想を抱かせてしまったことは作品として、良いのか悪いのか判りません。ただ、過去作品に対する「愛情」を感じたのは事実で、それが懐かしさに繋がったんだろうなと好意的に解釈してます。
けれど....「なまか」という言葉センスはちょっと苦手かもです(^^;;;

 特筆すべきは深津三蔵と内村沙悟浄。
 深津三蔵は線の細さは否めないものの、それがちゃんと個性になっている。また、雰囲気とか声に決して守られるだけの「お師匠さま」じゃなく、修行者としての誇りや芯・威厳も感じられ、可愛らしい三蔵だと思います。しかし、三蔵がお姫様抱っこされるってのはどうよと、微笑ましく思ったりです(物凄く可愛らしくて好みなんです/笑)。
 内村沙悟浄は、あんなに内村氏の動きが綺麗だとは!!あちこち拝見していると、内村氏のアクションって定評があったんですね。寡聞ながら全く知らず、驚いてしまいました。勿論、一人冷静キャラってのも活きてるし。
 あと、ナレーターが永井一郎さんで、あの芥川さんのナレーターっぽくしてくれててるのは、嬉しいものでした。

 香取悟空ですが、良いじゃないかと。粗野な感じや(悟空としての)一生懸命さも感じるし。冒頭の場面で思ったのは、キムタクと香取の違いだったりします。贔屓目による思い込みかもしれませんが、木村氏は何を演じても「木村拓哉」でしかないのに対し、香取君は未完成であっても「役」として存在してると。他の巧い役者さんと比べたら色んな意味(技術的な面を含)で未熟だろうけれど、巧く行ったら良い役者さんになるのは、香取君なのかな〜と。
 伊藤猪八戒。えぇ仔豚君、確かに良いキャラですな〜(笑)。前作の「ちょっとずるい」系も見え隠れするし、弄られるのは猪八戒役の常ということで、良いと思います。
 大倉老子。いや、楽しくて良いんですが、できれば大倉君のもっと違った面を見せてもらいたかったと勿体無く思う次第です。
 
 多分、大きな破綻や台詞の恥ずかしさが無い限り最終話まで見ます。しかし....たった3ヶ月で天竺まで行くのか、本当に?!

1月開始ドラマあれこれ。一巡目(06年大河『巧妙が辻』)

 連続ドラマを1年ぶりに週3本という(私にとっては)密なスケジュールで、初回から見てます。その理由は当然の事ながら『組!』関係者が出てるからと、題材に興味あったからという安易なもの。

 とりあえず一巡したので、その雑感をつらつらと(*興が乗ったものはカテゴリーを分けるとは思いますが、暫くはこういう表題になろうかと思います)。

○06年大河『巧妙が辻』
 これを『組!』関係と言って良いのか。まぁ三谷さんも出るし、生瀬さん・筒井君(津川さん・西田さん)の「チーム・三谷」の面々も出るし、含めます(笑)。
 初回を見た感じでは、結構好きかも、です。会話のテンポもそれなりに良いし、一豊の猪突猛進というかおっちょこちょいな部分も好印象。何はともあれ、冒頭の千代の朗らかさや愛らしさだけで見る気満々になりました。『TRICK』以来仲間嬢はかなりお気に入りなので、彼女の良さが見える限りは、この「おっちょこちょい夫婦」の戦国世渡り記を、見続けようとは思っております。
 とりあえず、三谷足利将軍が出終わるまでは確実に(笑)
 
 細かな部分について。
 おそらく見ておられた方の大半が突っ込んだと思うんですが、あの時点での年齢差が今一きっちりと見えないんでそう思うんでしょうが、「一豊って。ロリ??!」と申したいと(笑)。
 とはいえ、子役の演技の巧さや、凛とした雰囲気のお陰で隠微な感じもなく微笑ましく思えたので、ああいう描き方は良かったんじゃないかと思ってます。また、武田鉄也&前田吟の従者コンビが意外に良かったかもです。もっと煩いかと思ったんですが、二人の会話でテンポアップしたり、軽妙さを醸し出していている気がしました。そういった意味で、お二人の巧さを改めて認識いたしました。

 他印象的だったのは、和久井さんの濃姫と佐久間さんの法秀尼。
 濃姫は昔から好きで仕方ないんですが、今回の和久井さんはヒットでした。たおやかで、凛としといて知的で肝も据わっていて、斉藤道三の愛娘といった「愛されて育った」雰囲気も出ていて、本当に嬉しくなってしましました(笑)。なので、あの信長が正直イタダケナイ(苦笑)。舘さん決して悪くはないと思うんですが.......どうも声とかが軽いような気がしてしまいました。特に敦盛を舞われた部分は、正直「う〜ん」と唸ってしまいました、です。
 佐久間良子さんは、流石に巧いですよね。この方を見ると何故かしら、秀吉正妻・寧々を思い浮かべてしまいます(『女太閤記』を未見にも関わらず)。

 他気になったのは、秀吉を演じられた役者さんが多いこと(笑)。皆さん混乱されないのかしら??と思うほどです(そういや家康も/^^;;)。大河常連の役者さんが出演されると安定感は出るけれど、こういった部分や年齢に違和感を覚えたりするもんだと初めて感じました。特に秀吉&寧々の円熟振が気になって仕方なかったです。年齢以外は秀吉の「人たらし」な部分とかは流石柄本さん、巧く見せてくださってるので大満足なんですが。如何せん年齢が...桶狭間の時はもっと若かったろうよ、と思う次第です。

2006年1月13日金曜日

『古畑ファイナル』感想

 第2夜、第3夜は何とかリアルタイムで見ることが出来たものの、肝心要の第1夜は結局3連休最終日に見たという情けなさです。とはいえ、ドラマ嫌いな相方が珍しく全話鑑賞し、我が家的に非常に稀有且つ新鮮なドラマ鑑賞時間となりました(回りもった言い方ですが)。

 全3話見終わっての感想は、「放映順が間違ってやしないか?」でした。徒波の涼さんが『年末年始、大人の事情、何かが等閑』で書いておられる放映順及びその理由、特に

第一夜に鳴り物入りでイチロー登場、第二夜は脚本家の役者を信頼しきった質の高い本で多くの視聴者を魅了

 に激しく同意です。我が家でもほぼ同一見解で「『第2夜→第1夜→第3夜』に絶対すべきだった」となってましたもの!!!!(大げさな...)あの第1夜が『組!!』と被ってしまった事は三谷好きにとっては心底勿体無く、悔しいことだったと思います。また、それ程三谷好きじゃない方にとっても、一見の価値があったと思われてならないんです。だからこそ、イチロー&松島嬢と言った話題性の間に挟んで(サンドウィッチの具ですよ!)、じっくり味わわせてもらいたかったです。本当に。

 ところで、涼さんが書かれてるラテ欄の件については、当日その違和感に全く気が付かなかった私が言うのもどうかと思うんですが、少しだけ触れてみたいと思います。

 結局のところ、日時が被った事やラテ欄の件については、NHK・フジ両局ともに視聴者と作家に対する甘えが露骨に出た所為だよなと思った次第です。
 特に日時が被った件については、「(ファンは)どうせDVDが出たら買うだろうし」とか思われてるんだろう、そういう二次発生分の利益等をちゃんと見込んだ結果なんだろうと、かなり歪んだ見方をしていました。

 フジに関しては視聴者と作家だけでなく、NHKに対する甘えを思いっきり感じました。が、民放局に関してはどこかで、「所詮『視聴率競争』の前では倫理も礼節も関係ないんだろうな」と結構突き放して見れる部分があったりします(それが良いかどうか、好きかどうかはさて置いて)。
 次にNHKなんですが、ものすごく努力されていたのは薄らと見えてはいたし、頑張ったなと好意的に捉えてもいます。が、年末付近になって「BS-2で再放送します」と宣伝し始めた時点で、これって一部視聴者(衛星放送受信者のみ)へのサービスとフジへの気遣いとの二面でこうなったんだよな、と嫌らしく思ったのも事実。

 両局とも一般的な視聴者への配慮が足りなかったり、考慮すべき相手を間違ってるような気がして仕方ありません。こんな馬鹿な小細工してるから、どんどんTV離れが進むんだわ、とちょっとだけ明後日な感想を抱きました。

気分を変えて、以下各話についての雑感。

第1夜
 ドラマとしての出来は、第1夜が頭一つどころか他2本とは雲泥の差だったと思います。三谷脚本の魅力と技が満載されいて、どの言葉も伏線として活かされ、役者自身も三谷脚本のそういった徴を理解して演じてるからきちんと伝わるし、本当に最後までいい緊張感があって良かったです。

 しかし、藤原君があんな役回りだったとは!!今まで『天才』とか『早熟』だったりする役ばかり見ていた所為か、非常に新鮮に感じました過大な自己評価と生来の「愛される素質」だけが全てで、客観性を持っていない全くの「お子様」。それが最後には自分の首を絞めてしまう結果へと繋がる。なんか意地悪だよな〜三谷さん、と思ったりしたのも事実でした(笑)
 しかし、藤原君のああいう不安定だったり、未熟さや無邪気さ(若しくは「自己を客観視できない」)から出る失礼な言動な表情や様子は、視聴者に「嫌悪感」を抱かせないという一点において(それだけじゃないけれど)、やっぱり「上手い」としか思えませんでした。

 対する石坂浩二も良かったな〜と思うしだいです。古畑と天馬の対決は、相方が「コロンボVS金田一というよりも、シャーロック・ホームズVSモリアティ教授だな。これは」と評するほど、緊張感と安定感が見事だった場面だったと思うんです。決して派手な動きや表情は無いけれど、互いに均衡してる力関係とか、心理戦の妙を本当に見事に見せてもらえたと思いますです。

 ところで、考古的な作品であったため相方の突っ込が若干ございました(笑)。一番引っかかっていたのが、天馬が「旧石器時代の土器が出てくる」と言った部分。相方に曰く「旧石器時代に器はない!!」との事で、かなり大きな間違いだそうです(笑)。
 後は15年前の事件の物象であった「石槍」。これについて、「石鏃はあるけれど、石槍っつうのは無いんじゃ無いかと。旧石器は専門じゃないから明確には判らんけど...」だそう。他、尖底土器等々の説明は合格だそうです(笑)。ちなみに、天馬の部屋に飾ってあった出土状況のパネルは、「縄文後期の土器」との事。

第2夜
 イチローの器用さに驚かされた話。以上(って...)
 確かに台詞回しも表情も、下手な新人さんよりは上手いな〜と思いました。しかし、あれは受け側が上手いからじゃないのか??と物凄く嫌らしい見方もしてました。だって・・・田村さんとか慶喜公だった今井明彦さんとか巧く受けておられましたもの。なので正直、モノローグとかの台詞のぎこちなさが気になった部分も多少ありました。

 話としては、う〜ん。チローのイメージを崩さないようにしているのが、見ていて窮屈ではありました。「フェアー」って言葉に縛られて巧く動けてない感じが無きにしもあらずだったように感じました。

 三谷好きに嬉しかったのは、向島と今泉の会話場面!!東京サンシャインの二人だよっとTVの前で大はしゃぎしていたのは、私だけじゃない筈。そして、向島持っていた薬の出所はきっと亡くなられた伊藤さんが演じられていた「桑原君」だと思うんです。ああいう部分に三谷の役者に対する優しさが見えては、本当に嬉しかったです。

この話に関しては、こんなもので。

第3夜

 小日向さんのブルガリ・三四郎!!!!黄色いコート!!!と大騒ぎでした(何っ)
 冒頭から小日向さんに心奪われ、脱力させられた第3夜。私にとっては冒頭だけでお腹いっぱい、大満足な第3夜。

 他は、古畑に絡みまくる今泉君と西園寺君コンビが非常にツボだったとか、チーム三谷の面々が思いっきり出ていたり(松金さんとか近藤さんとか)と、かなり和んで楽しく見られた回でした。
 松嶋さんに関しては、まぁこんなものか(偉そう)ということで。ただ、彼女は地味な役より派手な方が生き生きと演じておられるし、似合ってるよな〜って位でしょうか。

 他は田村さんが心底格好良かったです。こう色気があるというのか。チークダンスの場面は、ちょっとドキドキとときめいておりました。

2006年1月11日水曜日

お正月の山南さんと土方君

 『組!!』の中でやたら山南さんの名が土方の口から出てきてたり、山南さんの影響を受けているような言葉があった所為か、両者の関係を又もやいろいろと考えてしまいました。いい加減にしなきゃと思うんですが(苦笑)。

以下、うだうだ言ってみます。

 一番最初に思ったのは、折に触れ土方の口から「山南」と出る度に山南さんの影響の大きさをでした。恐らくああいう形で喪ったからこその大きさだとは思うんですが、それでもその影響を感じるにつれ、土方が彼の死をちゃんと受け止め、かの存在を巧く取り込めていたことが嬉しくて、哀しかった。
 何故、生きてるうちにきちんと向かい合うことで、それができなかったんだろうか??と相変わらずの繰言をつぶやいたのも事実。で相馬や他の事情を知らない新参隊士達に対して、「武士の中の武士だった」と言ってくれた事は嬉しかったし、土方の中で漸く整理できたんだろうと思った場面でした。

 そして一番引っかかったのが、榎本が池田家騒動に関して訊ね、それに対し土方答えた以下の部分でした。

土方が大まかな作戦を立て、山南さんが細かな陣割をしていった。それが新選組のやり方だった。(うろ覚えです)

 だったら何故、31話以降あぁいう関係になったのか?土方が山南さんを(無意識であれ)ああまでも疎外しようとしたのは何故なのか?確かに33話中に答えらしきモノはありました。けれどどうしてもそれだけでは納得できないんです。その辺りはあまりきちんと描かれなかったというか、はしょられたというのか(役者の力で見せられるという判断があったからでしょうが)。それでも消化不良な感じは未だに拭えません。
結局のところ、芹沢暗殺が当初予定より延びたってのが一番の原因なんでしょうね(苦笑)
 なんか、年明けから2年前の大河のあれこれを考えてしまうってもの、どうかと思いますが、ちょっと引っかかったので。ただ、こういった部分もこの作品の魅力のひとつだとは思って、楽しんでたりもしてます。

『新選組!! 土方歳三最期の一日』感想

 「お正月時代劇」とは銘打ってはいるものの、実質は『2004年大河 新選組!』若しくは、香取近藤と山本土方にとって、本当の最終話。それ以上でも以下でも無い作品だったと思います。そういった意味で、NHKとしてはどうか判りませんが(視聴率もあまり振るわなかったようですし...)、一ファンとしては充分満足できる作品でした。

 不安だった脚本と演出の兼ね合いも、まったく違和感を覚えることがありませんでした。違和感どころか、見たい画を見せてもらえたという満足感だけです!!.。無意味な表情アップも無く、大きい画で役者さんの全身の動きを見せてもらえて、なんかいいお芝居を見せてもらえたと思っております。本当にありがとうございました。

 この物語の主軸は香取近藤と山本土方の関係性であったと再認識すらさせられました。
  「公」だけでなく「私」の領域にまで踏み込み、挙句香取君の「公(仕事)」にすら影響を与えてしまった山本君の果てしない「愛」(としか言い様が無い)があればこそ、この着地であったと強く感じました(つうか…近藤を語る土方がどうにもこうにも香取に思いを馳せる山本君にしか思えなかったです^^;;)。

 また、2004年に三谷幸喜が紡ぎ、香取近藤・山本土方・藤原総司・堺山南を始めとする「新選組」の面々(勿論スタッフの方達)が築き上げた物語の終着点が、この作品であったことに大きな喜びと幸せ、そしてこれが最後であることに小さな寂しさを覚えました。
 とにかく観終わった後は、清々しく温かな気持ちになりました。これは恐らく、作中で亡くなった人達自信や彼らの「思い(志)」が何一つ「無」にされる事が無く、幕末から明治、そして現在へと引き継がれていると思えたからだと。『組!』で幾度も感じ、三谷氏も何度もインタビュー等でおっしゃっておられますが、死者が「生きていく者」に残す「何か」を確実に今回も感じることが出来ました。

 そして、歴史とは想いを託された人達が、託した者たちの死や思いを無駄にすることなく語り継ぎ、繋いで行くものであるんだと。果てしなく恥ずかしい表現をすれば「想いのリレー」なんだな、と(恥)しみじみ感じた次第です。ただ、それが「勝者」として「正史」として「真実」として残されるのか、「敗者」としてその「真実」は隠されるのかの違いだけであるんじゃないかと。
 挙句、歴史においての「真実」の曖昧さを見ながら考え、また傍流となったものに光を当てて初めて、歴史とは立体的に浮かび上がるんじゃないかと、そんなことすら考えさせられました(めでたい正月なのに)。

以下いつものように時系列を無視した雑感です。

・土方の最初と最後の台詞は予想通りでしたが、それでも心動かされることに変わりは無く。1年間の積み重ねって本当に大きいものだとも、一言の台詞をも無駄にしない脚本に改めて驚いてみたりです。
・役者二人の台詞だけで長回しの場面を、一度もダレル事無く、緊張感を持ち続けられるってのは本当に役者と脚本の力だよなと感嘆いたしました。それを巧く映像として収めた「今回の」演出も素晴しかったと思います!!(繰言になりますが、以前だったらアップアップでうんざりしただろうなと思ったり/酷)
・照英島田と山本土方との関係が、香取近藤と山本土方との関係に近くて思わず微苦笑してみたり。
土方に絡む島田が、どうにもこうにもラブラドール・レトリバーに見えて仕方が無かったんですが…(近藤に絡む土方は紀州犬だったのか?!)
・片岡榎本&吹越大鳥ですがまったく違和感が無く、土方を含めて三人三様の生き方や考え方が見えたのは流石だと。また異なる個性や思考性が「勝つ」為「生きる」為に変化してく様はホント見ごたえがありました。ただ、悲しいかな画面がものすごく地味で、本当にこれは「正月時代劇」なのか!?と少々疑ってみたり(笑)
・池村鉄之助の場面だけは華があったというか、和んだというか。それでも、必死さが伝わってきて、彼が草原を走る最後の場面は、彼らの未来を思うと同時に、何がなんでも生き抜いて多摩まで辿り着いて欲しいと祈るような気持ちになりました。しかし、そういった感情を覚える程、まったく可愛いかったですよっ!!!鉄之助はっ!!!あの可愛さだったら、そりゃ「あの」山本君も可愛いと思うはずだわ、と大きく納得するほどの可愛らしさと凛々しさでした(笑)。
・永井様の台詞で「ごめんんさいでいいじゃないか」とか「(新選組を)受け入れなかった国がどういう国になるのか見届けるんだ」とかが、痛くて切なくて深くて優しくて、残ってます。永井様が抱えてるモノも複雑であの言葉は自身を納得させるために言っていたのかと、ちょっとだけ穿ってみたりです。また、佐藤B作さんのお芝居がちょっと他の方とは違っていたのが、更に旧時代を感じさせられました。
・これまで「託されて」きたばかりの土方が、生きる者に「託した」モノの大きさや重さを思うと、市村が草原を駆ける場面は、言葉無く祈るばかりでした。

お楽しみだった回想場面について
○試衛館
・兎にも角にも、万歳っ!!!!!ですよ(って何?!)
・やっぱり藤原総司の無邪気さは最強でした(だから何)
・総司の「振り逃げ」とそれをつっこむ土方が可笑しいやら楽しいやらで。三谷さんあて書にも程があるよ!!!と大笑いでした。
・山南さんが話す度に嫌そうな顔の土方が懐かしく、微笑ましく思えました。あの頃の上昇志向と何も知らい無邪気さは、こんなに幸せで温かい風景だったんですよね...。
・源さんは熊に勝ったんですか!?しかし、一刀両断に「じゃ強くない」と斬るなよ、総司。せめて凄いとか言ってやれよ...、あまりにも源さんが可哀想だろうよ...とやっぱり総司に突っ込んでおりました。
・山南さんの空気を読めてない(笑)深〜い言葉の数々に、堺山南さんだよっ!!流石だよ!!!と意味不明に盛り上がっていたのは内緒です。
・平ちゃんっ!!!!えぇやっぱり平ちゃんは良い御子でした。
・しかし、この回想場面ですら無駄にしない脚本って!!三谷脚本の素晴しさを思う存分味あわせてもらいました。まさかあの「鵺話」が土方の心情を表現する伏線として生かされるとは、予想すらしませんでした。三谷さん、ごめんなさいと言いたい気分です。

○会津
・容保公の佇まいに、会津の悲劇が被さってしまい。この方はこうやって己の運命を淡々と受け止めたんだろうなと思いました。
・わんこ最後の恩返し。

 上でも触れてますが、正月時代劇としては派手な映像も無く、華やかな女優さんや衣装は無くと、これまで違ってかなり地味だったように思います。男ばかりの映像且つ台詞の応酬劇に果たして一見さんは付いて行けたのか??とちょっと不安になりましたが、あそこまで徹底してくれれば「ここまでやるかNHK」と清々しい思いでした(笑)

2006年1月4日水曜日

2005年の『紅白歌合戦』等。

 新年早々やっぱり出遅れてる、大晦日の話題です(今年もこんな感じです....)。
 紅白歌合戦をまさか録画してまで観ようとは!!流石『組!』効果です。オン・タイムでも少しだけ観てたんですが、全て見れたのは年明け1月2日でございました。興味のある場面は一応ちゃんと見ましたが、勿論目当ては紅白の司会者のみ。

 番組自体の印象ですが、余りにも纏まりのない演出とういか構成に正直疲れました。大掛かりで気合いが入ってたり、お金が掛かってたり、NHKの威信が掛かってたりするのはもの凄〜く判るんですが、それが会場全体の雰囲気等々と巧く咬み合って無いような気がして、何となく全体が空回りしてたような気がしまいました。あれは、歌手の方達も歌い難いだろうなと思ったりしましたよ。
 司会者はやっぱり、みの氏と山根アナ(大好き!)の捌きはやっぱり巧いと思いましたね。みの氏の起用も賛否両論あったようですが、今回の紅白にはみの氏特有の勢いと「俗」さが合ってた様な気がします。それを山根アナが巧く押さえつつ、NHKらしさも加えておられたと思ったり(えぇ山根アナが大好きですよ!)。

 私にとってのメインである山本君&仲間嬢。
 仲間嬢は意外に落ち着いていたので、安心感も有り、彼女の可愛らしさも出ていて良かったかと(『山田』的なのも期待してたんですが、無くて残念でした)。

 相方の山本君。
 いや、もう初々しいというか落ち着のなさが見え隠れしていて、観ていて妙にドキドキ・ヒヤヒヤ・観てるこっちまで緊張して、手に汗握る司会っぷりでした(笑)。まるで、近所のおばちゃん気分で紅白を観させるとは、流石副長目が離せない男(違)。オン・タイムで観ていた時、傍にいた母に「何でそんなにあんたがそわそわしてるん?!知り合いとちゃうやろ?!」と突っ込まれる程でした。

 また、表情にウソが無さそうなので、ゲストの方との絡みがこれまた不安且つ心配で...。一体どないな司会者やねん!!と画面に向かって突っ込みそうになりました。正直みの氏が居てくれて良かったと何度思ったことか!!(そのみの氏にもかなり振り回れておりましたが/笑)。唯一SMAPとの絡みだけは安心して見ていられたってのは、やっぱり香取君効果なんでしょうか(お魚屋さんの幼なじみとの絡みが無かったのは残念でした)。

 期待は裏切らない、やっぱりやってくれました、釣った魚(ファン)には餌を与えてどこまでも放さない、流石本家本元元祖、NHKっ!!な山本君(&一部視聴者)安らぎの場、「山本君&香取君との絡み」。
 もう色んな意味で涙いたしました。
 初めて見たときにゃ、哀しいかな「良いのかNHK(と香取山本)。世界にこんないちゃつき(別名「愛の軌跡」)を見せつけて」的な、もの凄く歪んだ感想しか思い浮かびませんでした。
 だって、ですよ。山本君の表情がそれまでと全く違って柔和だし、安心しきってるというか嬉しさ大爆発で、大好き光線でまくってるし、おまけに隣の(孫悟空化してた/笑)香取君も妙に穏やかだし、みの氏が語ってる間こそこそ内緒話をしてみたり(注:最終確認or打ち合わせです)、肘で突き合ってるし(注:以下同)。どうみても、お仕事中では無い『組!』撮影終了前後の飲み会の二人のようじゃないですかっ!!(見たこと無い癖に言い切る私って...)。
 すみません、これは言い訳にすらないです(反省)。

 挙げ句、あの香取君に「男の友情です」と言わせる演出には、もう「山本君っ頑張ったねっ。良かったねっっ」の感想しか無かったですよ。
 そういった意味で、あの演出はもの凄く狭い視聴者向だったような気がしてなりません。が、心から「ありがとう」と言いたい(笑)。前作の大河ネタをこうまで振ってやってくれるとは、予想外な展開でホント嬉しくて嬉しくて、この部分だけ何度繰り返し見させていただきました。だた悲しいかなBS-hiで録画していたので、この部分だけ切取→編集ができないことが判りました(悔)。あぁ勿体ないっ。

かなりツボだった場面は、
○前川氏を山川氏と言い間違えて、すかさず「ごめんなさいっ」と潔く謝った山本君。
 大層大役に緊張してる感じが出て、可愛らしいというか年相応な感じで良かったかと。
○半腕組みをしながら「です」と堺さん物真似をした山本君。
 あの口調と顔ってやっぱり堺さん物真似ですよね?!何度か見て確認したんですが、歪んだ目にはそうとしか思えなくて。もしそうなら、どれだけの視聴者が理解したのか(苦笑)
 あれを見た瞬間堺さんの「もう僕ですらないよね」の言葉が浮かびました、です。
○優勝旗を遠慮しながら受け取って、「僕は何もしてないんですが」と照れくさそうに
語る姿が、非常に好感度UP(笑)。しかし、旗が似合う男ですな〜(ちと違)。
○和田あきこさんに抱きつかれた姿。
 あぁ受け入れられてて良かった・・・とホント安心しました。大役お疲れ様、本当に頑張ったね・・・と思った瞬間でした。

その他の方についてちょこっと
○山崎まさよし氏の後で指揮をしておられた服部さん。
 むっちゃお洒落さんで、かなり吃驚しましたよ...服部さんがあんなお洒落さんな格好されてああまで似合われるとは、失礼ながらかなり驚いて目が醒めました。
○「グループ魂」
 亀がドラムだよっっ!!サダヲが歌ってるよ!!と今更ながら大騒ぎしてましたが、恐らく母も相方も理解してないと思います(どれだけの視聴者が理解してたんだろう???謎です)。
 その後も三宅さんが写るたびに「亀だよっ。亀が出てるよ」と一頻り大騒ぎしてたのは、内緒です。
○アリス
 母と二人して「『アリス』と言えば名曲「チャンピオン」じゃないかっ!!!何故ヤラナイんだNHK」とか、谷村氏の格好良さに大騒ぎでしてました(何つう母娘)。
○モー娘。
 初期メンでの『LOVEマシーン』は良かったな〜と思う私は、4期メンバー迄しか判りません(それだけで充分だと思います)。
○ドリカム
 やっぱ良いよな・・・とその一言です。流石に20代と比べて声量は落ちたけれど、巧さや個性は相変わらず素晴らしく、良いLIVE見せてもらえたとしみじみしました。
○渡辺美里
『My Revolution』!!!!!歌詞見なくても歌える程大好きな歌でございます。いや〜久し振りに聞くとやっぱり良いです。この時期の小室哲哉の曲は良いのが多いと思いますよ(としみじみ)。

視聴率も何とか微上昇したようですし、ちょと安心しました。