2010年7月18日日曜日

新・三銃士 全話感想

12話から録り溜めしていた、NHK教育 人形劇『新・三銃士』を3日かけて視聴。
1話毎の感想は流石に無理なので、全話を観終わった感想というか与太を書いて行きたいと思います。

○お話
 前半の『首飾り事件』は、奇麗にまとめたなという印象です。欠けちゃいけない要素をきちんと納めつつ、三谷さんらしい要素をあちこちにちりばめ独自の世界観を見せてくれたのは、ホント流石としか言えませんです。
 後半の『ラ・ロシェルの攻防』は、まさか人形劇にこれを持ってくると予想してなかっただけにかなり吃驚しました(笑)。私もざっくりとした背景しかしらないんですが、『ラ・ロシェル』は宗教とか外交とか歴史とか色々ややこしのがあるんですよね。それをあんなにざっくりとややこしい部分は最小限にして、「戦い」として見せたのは凄いです。声高に「戦争の悲惨さ」を語ってはいないにも関わらず、効果的な言葉と登場人物の表情(動き)で「戦争」が与える「影」を見せてくれた事に鳥肌が立ちました。
 最終回については、強引に色々まとめたよなっ!と突っ込みました(笑)。40回という枠の中で、『三銃士』文庫本2冊を消化するのが無謀だったんだって、しかもダルとルイの成長物語も組み込んでるしさと生温い目で見てしまいました。
 あの強引な幕引きについては賛否両論あるだろうとは思います。が、私としてはまずまずの終わり方だったんじゃないかと納得してます。
 
 余談になりますが、04大河やこの作品の様な「戦い」を扱った三谷作品は、「死」や「戦い」の持つ本質的な怖さや陰惨さ窮屈な部分をきちんと見せてくれる様に感じます。決して軽いだけの脚本家ではないと、こういった作品を見る度に思ったりします。
 

○人形

 相変わらずキャラクター設定上手すぎ、ミタニン!で、どのキャラクターも魅力的でした。また、人形の造型が見事!!耽美で愛らしくて、ぶっちゃけキャラグッズ展開して欲しかったくらい素敵でした。
 声に関しても期待通りで外れが無く、感嘆しつつ萌えれたのは声優さんたちのお陰だと思います。この人形劇で江原さんの声に惚れました(笑)。また、操演も見事でそれぞれのキャラクターが生き生きと動いてたのは、ホント凄いと。人形に命を吹き込んだ、声の方と操演の方には惜しみない賛辞を捧げたいと思う次第です。

○個々のキャラと声について

・主人公なダルタニアン(もしくは谷やん)
 悩める主人公で三銃士を振り回す狂言回し的な役割を持ってた気がします。彼の若さ故の無謀さとか無鉄砲さや頑さは、清々しさすら覚えましたよ。ただ、最終回で銃士隊長になっちまうのは、如何なものかと(笑)。もう少し経験値上げた方が良く無いかい??とか思ったりしましたが、強引な幕引きとしてはあれしかなかったのかとも。
 声の池松君は、当初堅さがあったりして「大丈夫か?」と思ってましたが、話数が進むにつれて違和感がなくなった気がしてます。
 けど、谷やんはアニメでも映画でも原作でも好きじゃなくて(すみません)。今回もあまりこう積極的に萌えれなかったなぁと。これは、きっと私の好みの問題です(^^;;
 
・プランシェ
 お猿さんにされたんだ!と設定に大喜びしたキャラの1人(人なのか?!)。山寺さんのチーズちっくなお芝居や、お猿ならではの機動力を生かした脚本に大喜びさせてもらいました。

・コンスタンス
 ちゃんとボナシュー夫人な設定だったので、NHK的には大丈夫なのか?と危惧してましたが、全く不倫な雰囲気が無く良かったです。流石NHK(笑)。きっと、清楚で硬質な造形と貫地谷嬢の落ち着いた声のお陰かと。
 賢さ行動力、胆力は谷やん以上なんじゃないかと(笑)。非常に優秀な女性として描かれてたのが好印象でした。しかし、この子はその賢さ故に苦労しそうだよなぁと思ったりです。

 ・アトス
 容姿と発言に「原作のお貴族様で知恵のアトス」の面影が全く無く、前半は見る度に泣いてました(苦笑)。話が進むにつれて、高所恐怖症とか低血圧とか、弱点がこれでもかっとばかりに出てくるし...いい所は全部アラミスに持ってかれるし...。
 後半、それらを愛嬌だと思える様になったのは山寺さんのお陰です。山寺さんありがとう!
 ただ、ミレディとの関係は新機軸で嬉しい驚きでした。てか、あんな前半早々にあの二人が夫婦って明らかにされるとは思ってなくて、かなり吃驚したんですよ。しかも、率先して助けに行くわ、再プロポーズしちゃうわで、間違って無いけど何か原作アトスの「影」がすっかり無くなってるよなぁと遠い目をしたりしました。

 ・アラミス
 アニメでは女性にされちゃったアラミスですが、人形劇では一番美味しい役どころだった気がします。耽美な外見と二枚目な声、影のある設定等々、乙女の心鷲掴みですよ!しかも、奇麗な恋愛模様まで披露してくれたし。
 えぇこの人形劇で何に一番収穫だったかと言えば、アラミスとコンスタンスの恋愛模様。ホントこれに尽きます(笑)。あの二人が双んだ画の奇麗な事ったら、溜息ものでした。秘めたる恋ってのが、あの二人の外見に見事に嵌って、ドギマギさせてもらいましたです。ありがとうございました。
 江原正士さんの声がこれまた色っぽくて艶っぽくて、幸せでした。アニメに引き続き、容姿と声で惹かれたのがアラミスだったってのが、本当に吃驚です(苦笑)

 ・ポルトス
 大好き!ぷにぷにしたほっぺたと、丸い(むくんでる/笑)体型。ゆとりのある台詞と懐(包容力)。ホント可愛くて愛らしくて大好きですよ。中でも、序盤の桃太郎侍なポルちゃんは最高でした。格好良いくも間抜けなカメラワークと決め台詞、あれはホント白眉でした。結婚するなら絶対ポルちゃん!です(笑)。
 終盤の物言わないポルトスは、ちょっと強引だよなとか『Wall-e』を観た後じゃちょっとな、とか非常に意地悪く観ちゃってました。が、あの物語で「戦争」を語る上では必要であったとは認識してます。アラポルが「戦い」の影を表現したのは、上手いと思うし、ああいう形で「見せた」ことは評価してます。
 高木渉さんの声とお名前はこれで初めて知りましたが、ジャック・ブラックの吹替えされてたと知り膝を打ちました。軽妙かつ嫌みの無い声がとても好みで、今後ちょっと気にしてみたい声優さんになりました(今更ですみません^^;;)。
 
 ・ミレディ&ケイティ
 ミレディが単なる悪女ではなく、可愛らしさやか弱さをもった女性として描かれていたのは三谷らしいなぁと。そのお陰で、「悪いやっちゃなぁ」と苦笑しつつ彼女の活躍を心から楽しみつつ観る事ができました。特に、男性陣を翻弄する姿は、「いい女だよね〜。これは騙されるのも仕方ないよねぇ。」と同性ながらうっとりしちゃったりもしました(笑)。
 声に関しては、戸田さん面目躍如!としか言えませんて(笑)。これは一体どこ方面に対するご褒美?!と、叫びたくなる様な楽しさでした。と悪女、聖女、少女、老女等々戸田さんの声を聞いてきた世代にとっては、素晴らしく楽しい時間だったのは言うまでもありません。
 余談に成りますが、ミレディ×アトス、ミレディ×ロシュフォール又はケイティ×プランシェを観る度に「おぉぉ!!あんぱんマンとチーズだぜ!」と明後日方向で盛り上がりました(笑)。

 ・国王&王妃
 ルイの造形は本当にツボでツボで、この子のストラップ化希望!と職場で言い倒して、生温い目で見られてました。山寺さんの無駄にアホの子っぽい声にも萌えまくり(笑)。兎に角、歴史とか原作とえらく違うとか、王妃の不倫を知ってようが、傀儡だと解ってようが、そんな背景や細かい(のか?!)部分はすっとばして、可愛いくて可愛くて仕方ないキャラでした。可愛いよ、ルイ!!
 逆に王妃は、割合原作&歴史準拠な役回りだったので違和感無く美しさと、恋愛体質なお馬鹿加減を楽しませてもらいました。キャラ造形も非常に耽美だったし、文句ございませんです。ただ瀬戸カトちゃんがここまで上手くできるのか!と驚いたのは事実です。
 某所でも言われてましたが、アンヌ王妃ってフランスの為になってないよなぁと改めて実感。確かに、スペインの国益のた為に派遣されたし良いんだけど、ぶっちゃけどうよ?首飾り事件は?!と思わなくも無く。ある意味、トラブルメーカーなんだよなとも初めて思った次第です。

 ・猊下&ロシュフォール伯
 猊下については、立派な宰相なのに....ブルボン王朝繁栄の基礎を作られた方なのに、こんなダンゴムシにされしまって(涙)としか言えません。とは言え、物語の悪役としては非常に魅力たっぷりな小物っぷりで大好きでした。一応、王妃に対する秘めた恋心っていう与太も組み込んでもらえたし、満足ではあります。
 ロ伯は、耽美極まる造形と山寺さんの低音声にやられまくりでした。あの低音は乙女の心をトロトロにしてしまいますよ。そういった意味ではある種の犯罪だと思いますです(←馬鹿)。
 キャラ的には、色々美味しかったと。吊るされてみたり、騙されてみたり、最後の落しどころだったりと。

 ・バッキンガム公爵&パトリック
 バッキンが意外にまともだったので吃驚。この方は、史実通りにしちゃうと色々問題有るんだろうな等大人の事情を理解しつつも、「こんな真っ当な(一応出来る)宰相っぷりはどうよ、バッキン」と突っ込みまくり。最後の落ちがああだったんで、ヘタレバッキン万歳な私としては、溜飲が下がっりました(ってどうよ、それは)。
 パトリックさんについては、アニメでは紅顔の美少年だったような(それはそれでバッキンの趣味だと理解^^;;)。なのに、田中邦衛さんちっくな出来るおじさんだったので、ちょっと吃驚でした。しかし、ミタニンはホント田中邦衛さん好きだよね〜と明後日方向でしみじみいたしました。

 ・ボナシュー
 一番美味しいキャラクターだったんじゃなかろうか、と。正直、最後は谷やん以上に存在感有ったし、活躍したよなと思わなくも無いです(笑)。冒険活劇はこの人の為にある言葉だと真剣思います。
 しかし、ボナシューとバッキンが同じ高木さんだとは、信じられませんです、はい。

○その他雑感
 同じ声優さんで何役もこなされてるとは思えないくらい、それぞれ個性的で魅力的でした。また、同じ声優さんが演じてるキャラが複数出て、会話する度に「混沌としとるなぁ^^;;」と楽しい味わい方もする事ができました。
 そんな中で一番吃驚したのは、エンディングを各キャラが歌った回。鳥肌が立つくらい凄かったです!声だけじゃなく、歌い方まで変えてらっしゃって、なんかプロの凄さを見せてもらいました。第一線級のプロって本当に何か偉大です。だた、主役(谷やん&コンス)が殆ど出番が無かったのには、ちょっと笑いました。が、あの面子だったら仕方ないよなぁと納得です。

 人形劇出演おめでとう、ミタニン&爆笑問題(特に太田さん/笑)。ミタニンについては、ホント好きだねぇ奥様に呆れられてないかい?(苦笑)な感じで、半ば慣れっこになってる自分が嫌です(苦笑)。爆笑問題のお二人については、役回り的に有りだなと。太田さんについては、番宣であんだけ人形劇好きを宣言されたら、ミタニンもNHKも出すだろうし、良かったね太田さんと言いたい気持ちで一杯でした(笑)。

 個人的には、アラコンの秘めたる恋模様をもう少し掘り下げて欲しかったです。きっと、美しい恋物語になったろうに。これについては、脳内及びWeb(二次創作)で補完しようと考え中です。
 
 とにもかくにも、三谷幸喜×NHK人形劇が無事大円団を迎えたことに感謝したいと思いますです。ありがとう!!

 
 

JOKER ジョーカー許されざる捜査官 第1話

堺雅人氏が主演なドラマの感想です。

 ファンサイトさんでこの情報を知った時は、微妙な気分でございました(苦笑)。昨年より映画で主演が続いてるので、TVドラマの主演も有りかなとは思います。が、映画の主演は主演と言っても、あれは半ば群像劇で何となくメインの人って感じだったし、TVドラマで言われる主演とはちょっと方向が違うような気がしたり。余り華が無い(TV向けって意味での華です!役者としての存在感とは別ですので)人だし、フジ系列だとベタな恋愛模様も当然主演だったらあるだろうし...微妙だよな。というのが最初の感想でした。

 恋愛模様云々は、流石に役者の芝居や私生活に嫉妬する年齢でも無分別でもないので、所謂「嫉妬」では無いです(^^;;。単に、堺君がベタなラブシーンを演るとどうしようもなく「嘘くさい」というか、身の丈にあってないというのか、はっきり言ってヘタレすぎて見てられないんですよ!
 『新選組!』や『篤姫』の時みたいに触れるか触れないかの距離感があって、尚かつ心理的にどっぷり寄り添い溺れてる感じとかを見せてくれると、巧いし色気や艶を感じちゃいます(あと事後の気怠い雰囲気とかね)。また、全く逆に思いっきり「情欲に突き動かされてる」(舞台『噂の男』等)のも魅力的に見えます。とか、ゆっくり変化してく想い(映画『ゴールデン・スランバー』とか)も普通に納得させてくれるんですよ。
 なのになのに、何故ごく普通のラブシーンがあそこまでベタベタかつヘタレ風になるのか!?非常に謎です(苦笑)

 今回は事前情報も積極的に得ませんでした。下手に事前情報を見ちゃうと、期待しちゃって失速するのが早い気がして(もの凄く複雑なファン心理^^;;)。

 で、録画分を視聴完了した感想です。

 まともなドラマで良かった!一応、群像劇っぽいし、主演と言っても派手なアクションとか台詞とか無いし、これなら何とか見続けられそうかも。以上、視聴後のざっくりとした思いでした(笑)

 堺ファンの分析がなされた結果なのか不明ですが、細かい部分ではツボを突かれもしましたし、概ね満足ではあります。ただ、視聴率の兼ね合や某週刊誌で国外ドラマのパクリと開始早々に書かれちゃったりしたし、その辺含めてどう転ぶのかが解らないのがちょっと不安かなぁと。下手に恋愛ドラマや正義の味方やアクション方向にシフトしちゃうと、堺君には荷が重い様な重たく無い様な(ごにょごにょ)。なので、初回の雰囲気のまま全うしてくれれば、もの凄く嬉しいかなと。

 で、細かい部分のツボとしては。
 初っ端の囮で腰が引けてたり、パイプを踏んで転けちゃったりするのは「上手いぞ!フジ。堺君の魅力を心得てるね!」と高評価です。その後の、給料泥棒っぷりとか部下に良いようにあしらわれちゃったりの場面は、非常に可愛らしくて良かったです(誉めてますから)。
 鹿賀丈史さんとかりょうさん、蓮さんと絡むとかなり自然な雰囲気でむちゃむちゃ安心して見れました。特に、鹿賀さんとの絡みは「良いもの見た〜」と心から満足させてもらいました。
 と、緑ジャージ!!再会ですな(にんまり)と一部のファンは楽しんだと思ったり。あと、ラーメン。縁があるのか無いのか(笑)
 邪な部分では、亡くなったコンビの妹と再コンビを組むという設定に、これはCHかっと突っ込みそうになりました。しかも、人情家で天然なのに洞察鋭いという伊達の設定に「これは槇村なのか?そうか、実写版CHだと堺君=槇村ってのも有りだよな、うん。」と一人で納得してしまいましたです。

 懸念だった、裏の伊達さんVer。意外に淡々とした口調と佇まいだったので、一安心。あれをケレン味たっぷりにされたらどうしようか、とホント不安だったので良い形で裏切られて良かったです。衣装も一応「普段着」っぽい感じだったし。

 堺君については、こんな感じでした。本編については、
 こんなモノかと。及第点かな?という感じです。
 粗を探せば、裏伊達さんのお仕事は島流しなのか?あの船は一体どうやって調達して誰が運転しているのか?少年犯罪と言えど罪を犯した人って警察に入れたっけ?とかあるんですが...。まぁそれらが今後明かされるかどうかは、期待せずに楽しみにしておこうと(酷)。

 と、一つ疑問が。堺君の髪って、鬘なんですよね?映画撮影で短髪にしてから、それほど時間も経ってないし。にしては、上手く出来てるよなぁと感心してました。

 内容に殆ど触れてないことは、何となく推し量っていただけると有難いです(苦笑)





 

 
 

2010 ワールドカップ感想

かなり周回遅れな気がしなくも無いんですが、スペインが初優勝した2010 FIFA W杯についての感想を、ちょこちょことまとめてみようかと思います。
感想と言っても、所詮ニワカでド素人。戦術理解もへったくれもないまとめ。ぶっちゃけ「今回私が何をどう楽しんだか」のメモというか、日記です(笑)。

 まず、躍進したと言われる日本代表について。
 このW杯の日本代表に関しては、オシムさん好きな私にとってはとてもとても複雑なモノが有りました。
 監督が岡田さんに替わって以降、オシムさんが築き上げてらっしゃった「フットーボール」がグダグダに崩れて行くかの様が哀しくて。そして、親善試合で見せられる「俺流」と言われる何とも魅力が無く、何が課題なのかすら見えない、課題が見えたとしても次の試合で改善されてないかの様なサッカー。勝てない以上に「負けて得るものが無い」試合に退屈し、興味を失いました。
 そんな調子で迎えたW杯。Best16まで行ったと世間は大騒ぎし、勝てば官軍とばかりに岡田さんや明後日の方向で選手を持ち上げるマスコミ。あぁ日本はまたこれを繰り返すのかと、なんとも情けない気分になりました。えぇぶっちゃけ、世間がヒートアップするのと反比例して思いっき冷めて引いてました。
 確かに、今回の戦績は評価するものだと思います。が、決して中身は誉められたものじゃない筈。対戦相手のコンディション、チーム内の不和、戦略ミスなど実力以外の部分で、見事に運を味方にしただけだと思ってます。確かに、選手達は限られた中で考えて走って耐えて守り攻めた、と評価します。が、岡田監督の功罪(実績)に関してはこの瞬間風速で図るのではなく、彼が前任者より引継いだ2年半を含め総合的に判断すべきなのでは、と思うのです。未だ、各紙に依る「分析」が出てないことには然もありなんと思いつつも、これじゃまた同じことの繰り返しなんじゃないのかと危惧してしまいます。

 そんな風に思いつつも、情緒的な部分では「あぁオシムの爺ちゃんが監督のままだったら!!」と。爺ちゃんの率いた日本代表が見たかったよぅ、どんな風に相手を崩して、攻めて守って、何より選手を生き生きと動かしてくれたんだろう?と思うばかりでした。
 まぁ後述しますが、爺ちゃんには色んな意味で楽しませいただいたので文句はないんですが(笑)。それでも、やっぱりあの南アのスタジアムで指揮する爺ちゃんを見てみたかったと思うのです。

 日本代表については、非常に複雑でした。
 監督とマスコミには嫌悪感すらあるのに、爺ちゃんの薫陶を受けた選手達が頑張ってるし、爺ちゃんはサポーター宣言をしちゃってるし、そんな爺ちゃんに応援して下さいと言われてしまうと...。なんとも今回ばかりは何とも二律背反な状態でした。選手も監督もマスコミも大っ嫌いだった4年前は楽だった(笑)。
 積極的に応援しない私に対して、超ニワカの母に「国賊」呼ばわりされた時は唖然呆然しつつも、マスコミってスゲェよなと妙に実感したりもしました。ホント、TVや週刊誌の威力って凄いですね...。人から思考力なり判断力を簡単に奪ってしまうんですから...。

 と言いつつ、今回はスカパーさんのお世話になったことを明記しておきたいと思います。
 「私と一緒に観ないか」という爺ちゃんの素敵なお誘いに、かなり心動かされ一時は加入する直前でした。が、自宅のTV環境が未だアナログかつブラウン管(TVを全くと言って良い程見ないので地デジにする積極的な理由が無く、壊れなければ来年7月まで使用する予定/笑)な為、泣く泣く見送ったんです。
 
 が、流石スカパー!(何が流石なのかわかりませんが)
 Twitterで「オシムのつぶやき」なるイベントをしてらっしゃたんですよね☆加えてそれに連動して、通訳の千田善さんのブログもほぼ毎日更新しておられてその恩恵に思い切り与りました。爺ちゃんと一緒に観る気分を味わせてもらい、とても楽しいW杯期間を過ごさせていただきました。

 で、そのスカパー呟きと千田さんのブログなんですが、爺ちゃんに対する愛が溢れまくってた気がします。何故って、文字から読み取れる爺ちゃんががヤタラメッタラ可愛い!んですよ(笑)。特筆すべきは「ニヤっ」という表現。あぁあの表情をされたんだぁと解る表現は、愛が無かったら絶対生まれませんって!
 しかも、茶化す所はしっかり茶化してくれるし。オシムの爺ちゃんの素敵さをこれでもかっとばかりに教えてくれた、素晴らしいTwitterだったと思う訳です。
 勿論、オシムさんのフットボールに対する愛とか戦術眼、監督(勝負師)としての本能も詳らかに見せてくださり、やっぱり凄い爺様だよな...と感嘆することも頻りでした。

 けどね、けどね、やっぱり絶対可愛いの(笑)

 何が可愛いって、全方向に皮肉言いまくり(準決勝と決勝戦)とか、リーグで推してたスペインが不甲斐無い戦いをした時の切れ振りとか、何所までも選手をネタに遊んじゃうところとか、監督になってしまってる様とかとか。

 一番笑ったのは、スペインがリーグ2戦目で辛うじて勝った時のコメントです。ニコ動で動画を見たんですが、憤懣やるかたないと言った様子で16分間怒りまくる爺ちゃんに、申し訳ないけれど大笑いさせてもらいました。
 フットボールの未来を真剣に考えてにスペインを推してたのは、事前のインタビューなんかを読んで解ってたんですが、まさかあそこまでとは(笑)。スタジオと千田さんがちょっと(なのか?!)可哀想になりました。が、MCの方は地雷を自ら踏んでた様な気がしなくも無いのが、これまた絶妙な可笑しさでした。
 爺ちゃんはスペインの監督ですかい!?な発言(ロッカーで2・3人蹴飛ばして、翌日の新聞にオシム選手を蹴飛ばすと出るんだ)もかなりツボらせてもらいました。ホントこの爺ちゃんは「監督という生き物」なんだと、実感した瞬間でした。
 と同時に、このタイミングで真剣にスペインを応援する気になりました。だって、あのままリーグ敗退しちゃったりなんかしたら爺ちゃんの健康が心配で心配で。爺ちゃんの健康と長寿の為に頑張れスペイン、爺ちゃんが満足するフットボールをしてくれ!と祈る様な気持ちでした(ホント明後日な方向に行きまくってました)。
 で、最後に喋り(怒り)すぎを反省する爺ちゃんがこれまた可愛い(笑 )。良いもの見せてもらったなぁと(何かが違)とスカパーさんには深く深く感謝する次第です。

 選手ネタについては、
 大久保は小さいからマンマークに二人つく必要は無い(恐らく大久保が前線撹乱させたことを誉めてらっしゃったんだろうと推察)
 川島は相手選手とトゥーリを警戒しなければならないから、大変だ(イングランド戦でのトゥーのオウンゴールを期間中やたら揶揄されてたのが印象深い/笑)
 大久保はオフサイドを知らない、大久保はフットボールがチームプレーだと知っているのか(大久保もかなりネタにされてたような気がします)
 ドイツのエジル選手は、最後までハニューと呼んでみたり(それを受けて羽生選手にコメント取ったスカパーはどうかと/笑)
等々職場の女性と持ち寄っては「可愛いぞ!可愛過ぎるぞ!大久保とトゥーリオは愛され過ぎ」と良いネタでした。

 なんか、どの選手も等しく愛されてるよなぁと微笑ましくなっておりました。けどね、阿部とか遠藤とかはもっと誉めてやって欲しかったよ...頑張ってたもの!

 一番印象深かったのは、千田さんが言葉に詰まった言葉。
 敗退が決まった時のコメントです。なんかもうこの人は、未だに日本代表の監督であり続けて、遥か南アフリカの選手達にとってどんな言葉や視点が必要なのかを考えておられたんだと、ホント嬉しくて悔しくて幸せで哀しくてなりませんでした。
 ハーフタイムのコメントなんか、きっと選手が聞いたら勇気を与えられたで有ろうし、闘う攻める力を鼓舞されたんでは無いかと思いました。えぇきっとこの方がおっしゃるからこそ伝わる「何か」があって、他の監督では駄目なんだろうと思わせられる説得力や静かな闘志なんかがあるんじゃないかと。
 ホント、阿部とか遠藤とか憲剛とかが聞いてたらもっと違ってたんじゃないのかと思わずにいられません。

 また、リーグ突破した瞬間、誰よりも長く拍手されたとの様子を知り、泣けて泣けて仕方なかったんですよ。オシムさんどこまで日本代表(日本のフットボール)を愛してくださってるんだと。

 あと、FIFAに文句というか八つ当たり言いまくってたとか、胸ポケットにレッド&イエローカード常備されてたとか、一観客な発言もあったりとか、お寿司とサンドウィッチを召し上がっておられたとか、そんな細かいお茶目な部分も教えて下さったスカパーに心より感謝です。
 相方に言わせると「ターゲットは何所?」らしいですが、完全に楽しんだ視聴者(なのか?)が確実にここに一人おります!!

 で、スカパーは自らを窮地に追い込んだメディアだったと確信してます(笑)
 本放送は未見なんですが、ゲストがどうやら爺ちゃん縁の人が多かったようで、何かと面白い状況になったらしいと千田さんのブログ経由で楽しく情報入手しておりました。
 中でも、幡戸選手が公開説教くらったとかのネタは、すみません大笑いさせてもらいました。爺ちゃん、公共の電波使って一選手に説教せんでも(笑)。また、くらったほうのブログを読むとどうやら「嬉しかった」そうで(笑)。なんかもう、爺ちゃんの選手掌握術って最強だよなぁと思ったりしました。てか、幡戸選手、一人でオーストリア言って言葉大丈夫なのか?千田さん引っぱり出さなきゃじゃいのか?と邪推したのは内緒です。
 あと、オリベイラ監督との「どっちが長く喋るか対決(by千田さん)」とか、対トルちゃんや対フィンケ監督なんかの通訳無視かも対談とかとか。自ら窮地に落ちてどうする?スカパー!なイベント(違)が目白押しだったようで、未加入だったことを激しく後悔しました。

 スペイン優勝は爺ちゃんの許容範囲ギリギリだった様なので、これでなんとか血圧は大丈夫な筈じゃないかと。まぁいろんなインタビュー読む限り、内容には満足されてないのが丸解りなんですが(笑)。暫く総括的な話題では爺ちゃんのコメントが出るみたいなので、全方位に向けて皮肉と嫌み言いまくりな、そんなコメントを求めて雑誌とWebを暫くウロウロしようかと画策中です。

 あと、マラドーナ!ありがとう!凄く面白かったよ!というので、感想を閉めたいと思います。