2012年4月28日土曜日

BBC『State of Play 』DVD感想

某所にて4/8公開

 09年にNHK BS-2で放映された際に録画して、何度か見なおしてた英ドラマです。

 今回、BBC『SHERLOCK』をポチポチ英文誤訳しながら該当作品の原語が聞きたい!と無性に思い、勢いに任せて購入しました。まぁ、ビル・ナイとジェームズ・マカヴォイが出演してるってのが一番大きな理由なんですが(笑)。
 この作品をハリウッドがリメイクした(邦題:『消されたヘッドイン』)映画版は、Wowow放映時に相方と観ました。が、当然のことな がら細かい設定が飛ばされてるのと、編集長が男性(ビル・ナイ)→女性(ヘレン・ミレン)に変更されていたのが、かなり残念だったなという印象しかありません。ヘレン・ミレンも決して 悪くはないのですが、ビル・ナイの飄々とした柳に風なんだけど骨があるって感じの方が好きかなという。脚本に至っては、これならリメイクする必要ないや ん!でした(^^;;。

 長い前置きはここまでにして本編感想です。


 やっぱり原語でみると吹替とは若干雰囲気が異なりました。てか、英字幕が無いので細かい単語を追えずなんて表現してるのか分からないのが非常にもどかしくはありますが、演者と演出が伝えたいことがダイレクトに気がします。


 今回見てはじめて思ったのが、この作品はデラ・スミスの記者成長物語でもあるよなぁってことでした(笑)。

 もちろん、政治と経済の関係や、記者と政治家の馴れ合い、互いの利権・利益、許認可制度が抱える問題の一面等も描かれてるし、それらが混じり 合ってのドラマ『State of Play 』です。どの陣営も誰もが真っ白な「正義」でもなければ「善人」でもなく、況や完全な「悪」でもない。色んな欲望や思惑やしがらみの中で、何を得れるのかと常に探ってるからこそ面白いんです。やり方もかなりえげつなかったりするし、使えるものはなんでも使う姿が美化されること無く描かれてるのもイ イです。

 そんな作品論とか概論は他のサイトさんに任せておいて、兎に角デラ・スミスですよ!!!この女性記者が我家では大人気なんです。決して美人でな く、記者として優秀でもない。なのに、応援したくなる可愛らしさや必死さがあります。彼女が警察と繋がりを作る場面なんざ、そりゃこのお嬢さんだったら警察もおちるだろうさ!庇護欲駆り立てられるわな!守ってやりたくなるさ!可愛らしいもの!!と納得しちゃうくらい、可愛い。その可愛さは「弱さ」から生ま れるモノでなく、ひたむきさから生まれてるからこそ同性の私からみても「守りたい」と思ってしまう気がします。

 物語の役割としても、彼女の真っ直ぐさが推進力になってる面があります。しかも、ハリウッドやよくあるドマラのように、同僚や周辺人物とくっつ かない!。これが見てて清々しい最大の要因です。デラの恋愛模様なんか一切描かれないのに、ちゃんと私生活(酔って大声出したりとか)は見える。そう意味では、甘くない女性像としては素敵な描かれかたじゃないかな。

 そして意外に美味しいのが、編集長親子です。編集長なキャメロン・フォスターなビル・ナイについては、これで一目惚れしたくらい印象的で魅力的です。こんな人のもとで働けたらシンドいけど楽しそうだと思うくらい、素敵な上司。

 その息子である、ダン・フォスターなジェームズ・マカヴォイ。すみません、凄くツボりました(笑)。上目遣いとか弾けてる動きとか、全部ツボで す。ジェームズ・マカヴォイと言えば、『ナルニア国物語』のタムナスさん役と最近では『X-Men ファースト・ジェネレーション』のチャールズ・エクゼビアが有名かと思います。ダン・フォスターはどちらかと言えば、チャールズ寄りのキャラです。なので もうね…色っぽいんだ!(断言)。ちょっとした仕草とか表情に色気が漏れてるっていうのかな。思わず、何この小悪魔!?とニマニマしちゃうくらいの色気。 正直、見てて凄く幸せになります(馬鹿)。

 他にも気になる役者さんが多くて、アンサブル劇としても満足できるドラマ。ドンパチは全く無いけれど、台詞と視線と仕草で十分緊張感を味わえる作品でした。 


<追記>
 言語で見るジェームズ・マカヴォイは3割増しで小悪魔でした(笑) 。お陰でベネディクト・カンバーバッチとの共演作品DVD(『つぐない』)と買わない予定だった『X-Men』まで手を出しました…。ベネディクト共演作品はどうやら他にもあるらしく、そちらも気になってるんですが輸入しか入手方法が無さそうで、どうしようかと思案中。泥縄です(苦笑)