2012年7月28日土曜日

ロンドン五輪 開会式雑感。

某所にて7/28公開、8/5転記

NHK地上波の中継を録画視聴した雑感です。



・芸術監督が『スラムドック・ミリオネア』のダニー・ボイルと知った時から、結構ワクワク楽しみにしてた開会式。だって、ベネディクトが出演した『Frankenstein』の監督でもあるから、もしかしたら…という皮算用が働いた訳です(^^;;。
・結果として、ベネディクトの姿は見えませんでしたが、それでも十分楽しかった開会式でした。
 <ちょこっと追記> BBCの直前CM(でいいのかな)に出演してた!流石BBC抜かりなし!!
・初めてオリンピックの開会式を最初から最後まで観たような気がします。しかも、ワキャワキャ盛り上がりながら(笑)

・客席を青い布が覆う。瞬間にして海が生まれ、海に囲まれた島となった会場。そして、さざなみ。うわぁ凄く好きな画だわ…とのっけから食いつきまくり。
・カウントダウン映像。背番号とかロンドンの街にある数字を拾ってる映像は、単純なようでいて凝ってた気がします。で中に221bの扉が見えたのは気のせい??私の欲望が見せた錯覚??

・田園風景。遠景な映像では牛さん鶏さん羊さんアヒル&鵞鳥さん達の姿があまりはっきり見えなかったのが、ちと勿体無かった(^^;;。馬さんだけが、荷馬車とか馬車とかで存在感が際立ってた!流石、お馬さん!!!
・田園風景に現れたイギリス紳士達の中に、ケネス・ブラナーが居たなんて。朗読が始まるまで気づかなかった大馬鹿者です(_;;;。
・ケネス・ブラナーが『テンペスト』の一節を朗読!!!私得、私得!!!中継録画してて良かった!!と大騒ぎした瞬間でした。あの場面は、鳥肌が立ちました。田園風景と海と風と音楽を感じたというか、たったあれだけの朗読にもかかわらず世界が見えた感覚になりました。ケネス・ブラナーの凄さを改めて。
・牧歌的な風景が産業革命後のグレーな風景に変化してくのを、ああいう演出で見せるとは予想外な驚き。また、凄く舞台っぽいというか映画っぽいというかな感じがドツボ過ぎて…困りました。限られた空間で世界観なりその変化なりを一瞬にして見せるのは、ある意味舞台っぽいなぁとか、カメラを通した映像を考慮してたりなんかが映画的思ったりしました。
・大木の下から労働者が出てくるのは、炭坑労働者の比喩なんだろうなぁ。何故か、ディケンズ(「オリバー・ツイスト」とか「クリスマ・キャロル」の)がちらと思い浮かびました。
・ちゃんと農家の人と近代化をすすめる人の表情が異なってて、細かいなぁと。農家の方が不安そうというか恐怖を感じてる気がしたんですよね。住む場所が得体の知れない「モノ」に変わっていく不安というのか…。
・産業革命後の舞台でもしかしたらシャーロック・ホームズが出るか!?と少しだけ期待した私がおりました(笑)
・決して幸福そうでない労働者の様子とか空気とか、労働運動と女性参政権運動(プラカードにそれらしきことが)とか、19世紀ロンドンのある意味 影の部分をもキチンと見せてることに驚きました。それが歴史というものについて謙虚なためのか、皮肉な国民性なのかわかりません。が日本だったらオリンピックの開会式でこういう演出はありえないよなぁと思いました。
・製鉄して五輪マークへ。浮かび上がる火の輪を観た瞬間「一つの指輪!!」と思った大馬鹿者です。
・戦死者への追悼。そうか、英国は両世界大戦(のみならず、大概の紛争にもか)に深く関わってるからこその、演出なんだ…。と今更ながら気づいた次第(←馬鹿です^^;;)。

・そして現代へ。コーギー2匹が映った瞬間、おぉ噂の女王出演の映像キタッ!と盛り上がりました。が、まさかまさかあんなにガッツリ出演なさってるとは、予想外過ぎて笑うしか無かった。
・007なダニエル・クライブがかっこよすぎて、女王と一緒な映像が違和感無さ過ぎて、役者の凄さを改めて感じた次第。また、007が拝謁の瞬間 浮かべた微笑。あの表情が素っぽかったからなのと、物凄く敬愛と忠誠を感じたのとでドツボでした。格好いいよっダニエル・クライブ!! 新作は劇場に行くよ!!と決意した瞬間でした(笑)
・王室専用機っぽいヘリに乗り込む女王。乗り込んだ後のコーギー2匹の表情が物凄く非常に愛らしくて悶絶でした。宮殿の映像はコーギー'sのUPと可愛いショットが多くて幸せすぎでした。正直、コーギー'sだけでキュンキュンしてました。ツボだらけの映像ってホント凄いです。
・ヘリから会場へ降下する女王と007(笑)。勿論、スタントな方なのはわかりきってます。だけどだけど、いくらパラシュートと007が付いてるからといってイイのかその演出は!と唖然としつつ大笑いしました。英国民の英王室に対する感情って複雑骨折しすぎてて、素晴らしいよなぁ。てか、その演出を聞い て許可を出した英王室の太っ腹というか鷹揚さというか、王室商法というのかも素晴らしいと思います。日本だったら絶対無理ですよね(^^;;。
・007と女王だったらMも出せ!ジュディ・デンチ(エリザベス1世演じてるしさ)なMも出しやがれ!!!と騒いだ馬鹿者です(^^;;。
・そして、女王が御臨席。いやホントにいいのか!とタイミング的に思ったです。御召物もPVとご一緒だったし、ホントいいんでしょうねぇ。
・イギリスが誇る社会保障制度って崩壊直前なんじゃなかったですか????と突っ込んだのは、激しく間違ってますよね…。すみません。

・第2部のファンタジー。『指輪物語』と『ホビット』と『ナルニア』とアリスは何処に行った?!とTVの前で大騒ぎしました。 <ちょこっと追記> アリスはトランプの女王が居たそうです。気づきませんでした(^^;;。

・英国産のファンタジーっていったら、やっぱり『指輪物語』は外しちゃいかんだろうに…。とグチグチ言ってたら相方が「『指輪』には明確な悪役が居ないからだろ。世界観も複雑だし。こういう場面には合わないからじゃないのか」と。なるほどと納得。
・とは言え、ヴォルデモートとフック船長が分かって大喜びするヨメ。そして、NHKの武田アナが『ハリー・ポッター』ファンとかな豆知識も入手(笑)。「ヴォルデモートです」と説明した声が若干弾んでたのはそのせいか。NHKはっちゃけ過ぎ。
・そして、やっぱりキタッ。子供の味方メリー・ポピンズ(笑)。あのカバンには色々入ってるんだよ!と相方に説明するも、理解はされなかった哀しさ。
・『100匹ワンちゃん』が英国産と今日はじめて知りました。ずっとニューヨークの物語だと思ってたです(それは『わんわん物語』。ディズニーの刷り込みって恐ろしい…)。

・第3部な音楽フェス。登場したMINIに満足。やっぱ可愛いよぉ。
・The PoliceとかOasisとかColdplayってかかりました??
・相方は知ってるArtistが出る度に「おぉぉ」と盛り上がる。良かったね、楽しい箇所があって。
・相方が喜んだもう一つは『炎のランナー』。ヴァンゲリス曲とサイモン・ラトルとロンドン・フィルとローワン・アトキンソンなコラボレーション (笑)。凄いもの観た気がしました…。恐るべしは英国のコメディに対する愛着心かと。こんなところまで「笑い」を取りに来なくても、な反面、これこそ英国文化の本領発揮ってか!?と納得させられました。ホント、自国の名作とかをもこんな場でネタにしちゃうのが凄いですよね。
・ローワン・アトキンソンもやっぱり巧いよなぁと。最近発売された、007のパロ映画らしきものが評判良かったので何かの機会に観たいなぁと思った次第。てか、007繋がりかよ!?と邪推した時点で何かが間違ってる気がしました。
・指揮者のラトルさんも大変だ(笑)

・消えゆく命。これは五輪開幕式だよね?と思いましたが、後から思ったのは「世代へ繋ぐ」から必要な演出だったんだということでした。これについては後述。

・選手入場と宣誓な部分は、すみませんスキップしました…。
・時折音楽を聞きたくて再生してたら、丁度『Stayin' Alive』でビックリでした(笑)。う~ん、やっぱり何かの縁があるとしか思えない(^^;;。

・聖火リレー。テムズ河から来る(上ってるのか下ってるのか分かってません)聖火ランナー。船を運転してるのがベッカムって、ある意味女子の夢だよね!と久しぶりに真っ当な女子らしき発言をした瞬間でした。若干老けた気がするけれど、やっぱり男前だわデビット・ベッカムは。喋らなければホント良いんだけどなぁ、彼の場合声が致命的に好みじゃないから…。写真や動画で見る分にはホント好みど真ん中なのに勿体無いなぁ、と改めて思った聖火リレー。
・最終ランナーと点火がああいう演出とは!!!7人の若者が先頭を入れ替わりながらトラックを走る姿が美しく、過去のメダリスト達からトーチを受け取りそれぞれに点灯する場面は鳥肌が立ちました。あぁ世代を繋ぐんだと。あの演出は見事にそれを象徴してたと思います。この場面で思ったのは、スポーツ だけでなく文化の継承なイメージの演出だったのかもしれないということでした。

・聖火点灯。あの各国に灯った火が一つになる映像はちょっと感動的だった。
・生まれて初めて聖火点灯で鳥肌が立った気がします。各国に灯された聖火が交わることはなまま、一つの大きな「聖火」となった瞬間ホントに美しいと思いました。

・シェークスピアに象徴される文化、ロンドンの歴史、技術、スポーツ、自然、生命も「世代を繋ぎ、世代に引き継がれる」ものだと思ったんです。だからこそ、この開会式が「世代を繋ぐ」がテーマの一つであるのならば、それらを盛り込んだ演出であったのかもしれないと。
・勿論、世代格差は世代間で相容れないモノはあります。が、それを超えた所にある「何か大きなもの」を繋ぎ、引き継ぐという印象がありました。 ROCKの部で老人達が、恐らく自分が若かった頃に流行ってたROCKを聞いて体を動かしてる場面がありました。それも、やっぱり過去が今と繋がってるということなのかと思ったりします。

・前後するけれど、Arctic Monkeysの"Come Together"。好きな曲です。がこの選曲は果たしていいのだろうか…と少しだけ思ったりした(^^;;。
・ポール・マッカートニー登場!やっぱり格が違いすぎでした。そして"ヘイ・ジュード"。最初にこの曲がフィナーレと聞いたときは、閉会式向けじゃないのか…開会式でそれって…と思ったりしました。が、歌詞を読むと励ましの曲っぽいんですよね。なので、ありかと思い直しました。そして、 やっぱりみんなが知ってて合唱できる曲って素晴らしいってことでした。
・ポール・マッカートニーの煽りの巧さにビックリ!タイミングと言い動きといい完璧っ。
・声がどんどん伸びてきて、「本物」の凄さを目の当たりしました。
・が、NHKのアナウンサーが歌にアナウンスを被せるもんだから(怒)。これを楽しみにしてた相方が「煩い!喋るな!!黙れ!」と言ったくらい鬱陶しいアナウンスだった…。時間配分もあるんだろうけど、全体を見渡して欲しかった。
・NHKの解説については、ちと煩かったような気がしました。欲しい情報じゃない部分が多くて、知りたい解説があまり無かったような気がします。特に、サブの女性アナウンサー…見てわかることは言わなくてもいいから、これラジオじゃないから画面見てたら分かるから…と何度思ったことか。

・NHK地上波の録画放映をちらと見ましたが、私が燃えまくった箇所全部編集で無かった…。ケネス・ブラナーもローワン・アトキンソンも007と女王陛下も…。それって、視聴者舐めてないかと思うような編集かと。
・それを見て正直、初めて中継をしておいてよかったと思った…。

< 8/5 追記 >
後日、色々解説とか考察とかが上がってて面白く興味深く拝読しました。ご存じの方も多いと思いますが、備忘録としてこちらのサイトのリンクを載せます。

NAVER まとめ 「ロンドン五輪開幕式典のスペクタクルを振り返る~シェイクスピアからピストルズまで

  あとやっぱり『指輪物語』との比較もされてたりして、色々奥深い開会式だったなぁ思う今回です。開会式だけのDVDが出たら欲しいなぁ。 

 そして、日本の週刊誌…。開会式についての言及が殆どなくてビックリ!!どっか1誌くらい解説とか載せてるかと思ったのに、全滅でした。折角、英国の歴史認識とか王室との関係とか取り上げる良い機会だったと思うんだけどなぁ(^^;;。

 競技については、相変わらず結果とか小ネタで楽しんでます。体操の再審要求に現金($300)が必要だとか、Guardian誌が作った女子フェンシングのレゴ動画とか馬術のデザインとかな小ネタですが。

 体操の再審要求については、ちょっとその場で現金が飛び交う状況に申し訳ないけれど笑いました。他の競技も再審要求に費用がかかるんですねえ。その理由を知ったら納得なんですが、審判団に現金を渡してる姿って、ネタにしかならんよなぁとやっぱり思う素人です。まぁ楽しいからいいけどね☆