2007年6月8日金曜日

06/5/2 中世の面影を残す町 ゴスラー


 当初予定ではハンブルクへ行く筈だったんですが、前日が遅かった所為もありW氏お勧めの町ゴスラーへ。

 ゴスラーはハノーファから車で1時間半位の場所にあり、中世の面影が残る小さな古い町でした。この町には鉱山があり、銀・銅の採掘でかなり栄えた都市らしく、外壁の装飾や街の雰囲気等豊かであった頃の雰囲気が漂っています。
ゴスラーに関する詳細は私が説明するより、
ここ(“Wiki ランメルスベルク鉱山およびゴスラーの歴史都市”) か ここ(日欧協会HP内 ゴスラー)を見て頂く方がより判りやすいかと思いますので、是非行って見てくださいませ。

 この町の第一印象は兎に角「愛らしい」でした。皇帝居城も町並みも何もかもが、「絵本」の様な雰囲気なんです。流れる時間も非常に穏やかで、時間があればもっとゆっくり居たい町でした。また、ブロッケン山麓近くということで、「箒に跨って飛ぶ魔女」の土産物が多くありました。「魔女狩り」という暗い歴史があるのは分ってはいるんですが、その何ともいえない表情の魔女たちに心惹かれておりました。

 最初に訪れた「Kaiserhaus」はかなり小さく、堅牢な作りにもかかわらずこじんまりした感じでした。内部は歴史資料館的だったんですが、当時の館内部を見学できるだけもかなり幸せを感じました。特に、大広間(会議場)は素晴しかったです。3面に飾ってある絵画(ゴスラーの歴史を題材にしている絵画)がとても興味深くて、W氏にあれやこれや解説してもらってました(何せ標記が独だけだったもので^^;;)。

 「ゴスラー博物館」(民家っぽ感じなので、見落としそうでした)でかつての豊かさに思いを馳せ、人生初のスペイン料理に舌鼓を打ち、マルクト広場周辺をのんびり散策し、思う存分中世の町並みと雰囲気を堪能しました。この日は幸いにも天気に恵まれたのも、幸せ度を上げてました。

 その後、「ランメルスベルク鉱山博物館」へ。
 この鉱山現在は閉山されていますが、かつて実際に使われていた坑道の一部が鉱山ガイドツ
アーとして公開され、見学できるようになっています。時間の都合により、私たちは旧坑道のみの見学となりました。
 注: 幾つかのHPを拝見すると、ガイドツアーは何個かのコースに分かれているらしく、私たちが参加したのはどうやら「歴史採掘コース」のようです。
 参考HP:欧羅巴の旅 内 Goslar (9)
     ものづくりネット館  産業観光~ものづくりと出会う旅~   ドイツ世界遺産の旅・ゴスラーの街とランメルスベルグ旧鉱山

 参加者が揃い、かつて使われていた待合ホール(当時の様子が再現されていてかなり面白い)で黄色いヘルメットを取り装着(ヘルメットの被り方が変と相方から散々突っ込まれまれつつ)。先ずは、展示されている鉱山の全容及び鉱山内で使用していた木製巨大水車の模型を見ながら、解説を聞きました。が、当然のことながらドイツ語のみ(涙)。W氏が英語に要約してくれてたんですが、互いに保管しあいつつ模型の助けを借りつつ、それでも良くて5割程しか理解できませんでした。それでも、中世に作られた「水」を利用したシステムの凄さは十分伝わり、相方共々「凄いなぁ」との言葉しか出てきませんでした(水のリサイクルって考え方が既にあった事にも驚きました)。
 
 説明を受けた後、少し歩いて水車の動力源であった「貯水池」に行き、そこでも水の再利用についての説明を受けたと思います(ホント理解できてないです--;;)。その後、旧坑道へ入って行きました。

 坑道内はガイド用の道が整備されていたり、若干の照明あることを除けば、ほぼ当時ままだったと思います。なので、見るものが尽く興味深くて、面白くて。これでガイドさんの説明(若しくはW氏の要約)が分れば、もっと色々解って面白かったのにと己の語学力の無さが悔やまれて為りませんでした(質問したくても出来ないもどかしさったら!!)。それでも現物を前に説明して下さるので、現物の力を借りて4-5割は何とか理解していたとは思われます。
 坑道内で一番驚いたのは、刳り貫いた岩盤に設置されている10m強の木製水車(写真)。掘った土を地上に運んだり、地下水を排出する為に作られた物なんですが、その大きさとシステム(オートリバースになっている)は「凄い」の一言です。しかも、水車の組み立ては坑道内であるとか、10年ごとに取替えを行っていたとか聞くと「ドイツ人の技術力って、もの凄いな...」と深く感じ入った次第です。
 
 それと、炭鉱で発生するガス探査のために犬を使っていた事にも驚きました。「炭鉱のカナリヤ」って世界共通じゃなかったのかと。

 暗い坑道を歩き始めた時、相方が突然「なぁ これって『モリアの洞窟のギムリ(ⓒThe Lord Of The Rings)』な気分やないか」と言い出し、以降二人で「ドワーフ」気分を思う存分味わっておりました(笑)。W氏にその話を振ると「『白雪姫』のドワーフのイメージもこういうところから来てるんだろうね」と言われ、その言葉にここはグリム童話の本拠地だったと改めて認識したり、グリム童話は口承民話を集めたものだという事実を改めて思い出したりしました。(Disneyの『白雪姫』の底抜けの明るさとは無縁の世界だとも思ったり^^;。個人的には、ドイツの情念や暗さや深さを排除してしまったDisney版は好きでは無いかったりします。)