2012年3月18日日曜日

DVD『銀河ヒッチハイクガイド』感想


 某所にて2/26公開

マーティン・フリーマン作品第3弾の感想。
 好きになったら寄り道しつつ純情一路な私なので、過去作品を漁るのはお約束。相方には「また始まりましたですか…」と言われる状態に入りつつある今日この頃です。久しぶりだなぁこういハマり方してるの(笑)

 この作品を買うに至ったのは、密林さんの役者名検索でHITしたのが最初です。その後、評判をあちこちで探ってたら04大河感想以来頻繁に拝見してるサイトさんで、BBC 『SHERLOCK』の感想に「『The Hitchhiker's Guide to the Galaxy』でもアーサーが機械相手に困惑してたしね」的なことを書いてらっしゃいました。えぇ、それを拝読して、物凄く観たいと思ったんですよアーサー=ジョン=マーティン・フリーマンが困惑してる様子を。だって仕方ないじゃないですが、セルフレジと喧嘩するジョンが無闇矢鱈と可愛かったんだから(馬鹿)。その上、マーティン・フリーマン演じるアーサーが、
どうやら巻き込まれ系でちょっと間が抜けるタイプとくりゃ観るしかないと思うんですよね、やっぱり。 
 その他にも、出演者が好みど真ん中でもありました。だってだって、ビル・ナイとアラン・リックマン(声)とジョン・マルコビッチとヘレン・ミレン(声)ですよ!!!。中でも、アラン・リックマンが声を充てるロボット=マーヴィンの性格が、パラノイアで根暗って書いてあったら観たい欲望が高まるじゃないですか、普通。

 少しまじめに作品解説をば。
 SFです。ホントに馬鹿馬鹿しいSFです。ハリウッド的な壮大で荘厳で大義名分バリバリのSFとは真逆の作品です。OPに流れる「美味しい魚をありがとう」を笑って受け容れられたら、この作品はとても愉しく見れると思います。この歌詞がもうね脱力感一杯で、なんじゃこれは!?なんですよ。けど、凄く哲学的かもしれないな歌詞です。
 出てくるキャラクターは皆小市民だし、設定もこじんまりしてるし、大義名分で動いてるキャラがほぼ皆無。
 起点になる地球が壊れる理由も「銀河ハイウェイを作るから」ってなもの。生き残った地球人も地球が壊されたことについて、怒りはするものの「私の故郷が無くなったんだ」という個人的な感想しか漏らさない。
 宇宙全体の系統だった組織とか意義とかなんて一切描かれない。なんか、もうアメリカのSFって物凄く押し付けがましかったんだ!と眼から鱗な位鑑賞者に解を任せてる感じな作品です。いや、解があるのかどうかも謎なんですが…。何せ、最終回答が「42」だし、宇宙旅行で一番大切なのは「タオルの場所を忘れないこと」だし…どうやねん!?な(笑)。
 そんなこんな緩さとテンポが心地いいと思えたら、きっとこの映画が好きになると思います。

 原作は大森望氏曰く「バカSFの傑作」。Wikiによると英国産スラップスティックSF。Wikiで知ったのですが、この作品BBC(またかっ)のラジオドラマ化がオリジナルだったそうで、ちょっと吃驚です…。ラジオドラマから小説→TVドラマ→映画な感じで作られた作品だそうです(ふと『笑の大学』を思い出した。あれもラジオドラマから始まったんだった)。
 あらすじは、どうやらあるようでなさそうな感じです。ただ、イギリス本国ではかなりファンが多い作品とのことと。
 全編、英国的な皮肉と笑いに満ちてる、とのことらしいので非常に読みたくて仕方ない。ただ、河出書房文庫で立ち回り先の書店にはほぼ期待できない状態ですが、翻訳作品は相性があるので買うのは躊躇いがあります。ので、取り敢えず図書館に予約入れました(予約者が2名いて、ちょっと吃驚。誰よこんな古い作品読もうとするのは!←八つ当たり)。翻訳と相性が良ければ、シリーズ全作大人買い予定です。大人になるって素晴らしいよね!!

 そんなゴタクは良いから、登場人物全員愛すべきキャラだから絶対見るべきと思ったりもします(笑)。特に、アーサーとマーヴィンがもう超絶可愛くて可愛くて悶えました。

 その他可愛いとしか書いてない雑感を以下に。

・アーサーが全編パジャマ姿で可愛いんだ…。音声解説でマーティン・フリーマンが「太って見える」とぼやいてましたが、大丈夫だよ!可愛いからと思った私は末期です。
・アーサーが意外にお役立ちで吃驚でした。一応、宇宙船「黄金の心」号でモタモタしてはいるけど、ちゃんと機械使えてるじゃん!行動力あるじゃん!とか思いましたが、他のSF作品の主人公達と比べると…なんですよね(苦笑)。
・マーティン・フリーマンの作品は、巻き込まれ系の役しか観てないんですが…。こう物凄く素敵で格好いい役を本国で演じてらっしゃるんでしょうか???
・相方曰く「ヨメ的にイギリスの堺雅人的な感じか?」とシツコク聞いてくるんですが?なんの嫌がらせ???とは言え、確かに似てる感じあるかも…。私の好みってああいう暢気且つ巻き込まれ系なのか!?いや、男前かつ超絶完璧超人が好きなはずなのに…と少々混乱中です(苦笑) 。てか、誰に対してどんな嫌がらせなのかすら分からない…。
・黄金の心号の開閉する度に溜息を付く扉達に大笑いです。けど、実際あったら気が滅入りそうで嫌かもな(苦笑)
・マーヴィンが!!!!!超絶×2可愛いぃ。丸っこい二頭身なデザインといい、下がり気味な△目といい、常に前かがみな歩き方といい、なんてなんてストライクど真ん中なのかっ!!そして、そこに被るアラン・リックマンの無機質で根暗な台詞がもう、最高だよマーヴィン!!!と悶えまくりました。元々、ロボットには弱い(R2D2,C3PO,データ君等)んですが、もう見事に大好きっと思えるロボットです。いやぁマーヴィン可愛いよ、可愛いよマーヴィンです。
・マーヴィンで一番好きなのは、置いてけぼりになってる遠景です。景色の美しさとマーヴィンの置いてけぼりになった物悲しさが見事で、非常に美しい場面でした。音声解説でも「美しい」と好評でちょっと嬉しかったり(笑)
・ジョン・マルコビッチがね、胡散臭くて素晴らしいの!胡散臭い役を演じたらぴか一な役者さんの一人だと真剣思うんですよ。
・ビル・ナイがね、カッコイイし可愛いし胡散臭いしどうしようかと思うんです。
・マーティン・フリーマンとビル・ナイが並んでるのを見ると、どっちに注視したらいいのか分からなくなりました。うん、凄く二人とも好き。
・地球をバックアップって(絶句)。凄い壮大な設定だよなぁぁ。原作が気になって仕方ない理由の一つがここにあります。
・核爆弾がマッコウクジラに!!凄い世界だ!!原作が(以下略)
・度々挿入されるアニメーションのデザインがシンプルな色使いとかセンスでとても好みでした。
・最終兵器な価値観交換銃(だっけ?)が、開発された理由が素晴らしい!あれは心底欲しいと思ったよ!!(男女で異なる価値観で生まれる不毛な喧嘩を無くすためらしい^^;;;)。てか、原作が(以下略)
・ナレーションが映画『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』でマイクロフト兄ちゃんな方。これも買った理由の一つだったり。どこまで、シャーロック・ホームズに振り回されてるのかと思わなくもない今日この頃です。
・タオルの置き場所は大切なんだ、とか、42を大事にするべきだというのが大変良く伝わります(何のことやら)。
・紅茶中毒とか英国人だから待つのが苦にならないとか言い放つアーサーが好き。自国をネタにさせちゃ英国人はピカイチだと思うのはこういう所。原作(以下略)
・特典映像の「本当の未公開映像」。わざわざ撮ったんだよねっ☆と微笑ましく思えるようになったら、製作者の思うつぼ。英国人って一体何を考えてるのか…とちょっと呆然としました(苦笑)
・音声解説は単なるお喋りでしたorz。楽しそうだったので何よりですが、ある意味あれが英国産の音声解説なんだったら、BBC『SHERLOCK』の音声解説って!!と明後日方向の想像をして悶絶しそうになった私がいます…なんて末期…。
・取り敢えず、このところのBBCのHIT率はどうかと思います。BBCって一体…と思わなくもない今日この頃。
・何より恐ろしのが、英国の役者…。色々思うことはあるんですが、兎に角思うのは「仕事選んだほうがよろしいのでは????」と(苦笑)。みんな、結構無茶な仕事してるんだもの。まぁそんな英国人役者が好きなんですがね(^^;;。

<追記>
 書き忘れてた事が一つありました。"無限不可能性ドライブ"中に生じた毛糸化現象が、非常に素晴らしかっんですよ!!手作り感が緩さを醸しだしてるし、温かさもありました。特筆すべきなのは、マーヴィンの毛糸化がなんて必殺技?!なくらい可愛さ倍増でクラクラだったこと。アーサーの情けなさも倍増でしたし(笑)。

 そして3/11に原作全巻大人買いしました(笑) 
 原作は予想以上に無茶振りで、映画はまだしも頑張ってまとめたと思いました…。
 そして、アーサーとマーヴィンが無駄に可愛いのは、映画も原作も変わりなしでした。が、マーヴィンの可愛さはぶっちゃけ5割増だったのにはビックリです。お話し相手(コンピューター)を会話だけで自殺させるって、どんだけ欝なのかマーヴィン!!と電車で吹き出しました…。大好きだマーヴィン!!
 馬鹿笑いや大笑いするのではなく、クスクス笑・失笑・苦笑・小さな吹き出しが身上な作品だと思いますです。ただ、登場人物全員「どうなのこれって」ばかりですし、地の文もかなり「…^^;;」です。けどね、楽しいの!!SFとしても面白いと思います。が、好き嫌いがきっぱり分かれる作品なのは間違いないと思います。