2004年11月15日月曜日

最終話近くなって思うこと。

 下で散々感想書いたんですが、ここに来て、「ちょっとこれは、無いよな」と思う事があったので別項設けました(45話のみだけじゃなく、これまでの事も含むので)。

 以下、軽く(なのか?!)毒気ある文章になってると思いますので、それでも良いと思われる方だけ。

 まず、恐らく賛否両論あるであろう「源さんと勇」の場面について。
 手法としては無茶ベタで、まさか三谷がこんなベタな手法使うなんて!?若干驚きました(カットされたらしい、鴨の部屋で悪夢にうなされる伊東センセってのも、あったらしいので驚くことでもないのかも)。また、突拍子も無いといえば突拍子も無い場面だったようにも感じました。更に言うならば、総司と源さんとの関係性は置いてきぼりかよ?と思ったりしたので。そういう意味で若干違和感があった場面ではありました。
 
 が、源さんと勇さんとのこれまでの関係を考えた場合必要な描写だったと思うし、そう納得できる描写に押さえていたと感じています。また、残り話数的に源さんの死をあまり引き摺れないってのもあるだろうし(嫌らしい見方ですみません)、あそこで余韻を絶つのは妥当かと思います。

 次に、恐らく賛否の否が圧倒的に多いと思われる(失笑)源さんが撃たれる場面の特殊効果。
 あれは何やねん!?。
 今更、しかもあの場面で『マトリックス』ですか?!。あの瞬間、涙思いっきり引きました。

 CGや特殊効果を使うことが悪いとは言いません、が使う場所を間違ってませんかと言いたいんです。沖田喀血の時もそうですし、今回の源さんもそう。役者さんの演技だけで充分伝わるし、何も処理しない方が緊迫感なり切迫感があると思うのに。充分それだけの演技をされてますよ。
 正直、あのCGは役者さんの渾身の演技に対して失礼じゃないのか?と怒りを通り越して呆れるばかりす。

 正直、今回の大河「三谷作品」だということで「新しい風を」と思っておられる向きもあるでしょうが、その新しい風ってのは「特殊効果」を入れることだったりじゃ無いと思いますよ。はっきり言わせてもらいますが、無駄な特殊効果や無意味な風景(屋根とか鳥とかの諸々)は要りません。それを入れることで時間が無くなり、その結果「必要な台詞」や「演技」が編集でカットされたとするのなら、本末転倒だとしか言い様が無いです。

 三谷作品は良くも悪くも「舞台」から逸脱してないと思うんです。だからこそ、アナログな手法で画面作りをする方が「綺麗」に纏る筈だと思っています。

 また、役者の顔(表情)ばかり追いかけるのも不自然だと言いたい(前にも書きましたが、この期に及んでもと思うと遣る瀬無さ過ぎて)。大枠の構造が舞台から逸脱してないと思うから、台詞を言ってる役者の全身の「演技」を見たいと思うし、その台詞を受けて「演技」してる様を思うし観たいんですよ、私は。
 確かに、台詞を言ってる人の表情も「大切」だとは思います。が、それを周囲にいる人々がどういう反応をしてるのか?!それも伏線の一つだと思うんです。
 それを、バッサバッサ切ってしまってるから物凄く「中途半端」で「曖昧」な台詞になってる気がしてなりません。その所為で台詞の意図が見えなくなってしまってる。
 で、「解り易く」する意図があるのかは解りませんが、そういう小細工な画を入れたり創ることで益々混沌としてるって間違ってませんか?編集方針が。
 「解り難い」のが最高だ!とは言いません。が、「見てる人全員に解り易い」ドラマなんて真っ平ごめんです(酷)。「万民に解り易いドラマ」ってのを求めるのなら、「三谷幸喜」で「幕末」で「舞台役者」中心にする必要は何処にも無いと思いますよ。彼等は他の役者さんが台詞を喋ってる間も「役」として舞台に居るわけです(そういった脚本でもあろうし)。そういった場に身を置いてる彼等の「持ち味」を見せるのが、プロなんじゃないかと思うわけです。

 で、未だに言われてる「『史実』と違う」に関して(未だにこの部分に拘って掲示板であれこれ文句言う人には吃驚ですよ/笑←すみません。思い切り嫌な奴ですね)。
 私自身が新撰組の「史実」は知りませんし、「ドラマはドラマ」と思ってるので端から文句言う気も無いです。大体「大河ドラマ」は「歴史ノンフィクションドラマ」だなんても露とも思ってないんで(笑)。
 それでも、油小路と今回の「鳥羽伏見の戦い」はあまりも端折りすぎなんじゃ無いかと思えてなりません(意図するところは解るけど)。
 役者さん達の熱演に惹きこまれて細かな部分流されてますが、冷静に思うと辻褄が合わない部分があって。しかも、全体像が殆んど見えないので今彼等がどういう状況に在るのか(陣取り等)が解らず、単に土方や近藤、源さんたちの言動で推し量るしかない(その手法は別に構わないです。逆に好みの手法)。だから、余計に唐突に思えたり、この期に及んですら置いてけぼり感があったりするのはどうなのかと。

 脚本の所為なのか、編集で切られる場面がある所為なのか、その辺は窺い知れませんが非常に気持ち悪いモノがあるのは事実です(三谷ドラマは歴史ドラマには成り得ないし、不向きだと思っているにも関らず、なんですけどね/失笑)。

 けどなんやかや言っても好きなんだよな…このドラマが。