2004年11月15日月曜日

新選組!45話【源さん、死す】感想

 遂に終わりが近づいた、ホントに終わるんだ・・・、と実感させれられた回でした。
 源さんの死で、多摩~京都時代(=駆け上がって行った時期)が幕引かれ、後は落ちるしかないんだと強く実感しました。そして何より、大きな喪失感を感じた回でした。

 それしか感想が無いです。
 何を書いてもこの喪失感は埋まらないような気もしますし、一つ一つ取り上げてみても何も落ち着かない様な気もしてます。それだけ、小林源さんの「存在感」が大きく安定していたって事なんだな…と改めて感じてます。
 今年一杯「井上源三郎で居させてください」とおっしゃっている小林隆さん。なので、この話では「お疲れ様でした」とは言いません!


以下雑感

○源さん
・台詞の一つ一つが重くて、温かくて、最後まで「源さん」でした。
・血気に逸る若者達を押さえる姿に、これまで多くの若者が「逝く」事に対して苦渋の決断をしてきた源さんの姿を見ました。
・沙汰がある度に土方と寄り添い、ともに苦悩して、土方の決断を支え、己を無理矢理納得させてきたのは源さんだけだったんだな…と彼の持つ「強さ」を見ました。
・「大人」が居なくなって「若者」ばかりの組織になって行く事が、怖く哀しくてなりません・・・
・決して目立ちはしなかったけど、要であり支えであり重石であった源さんが大好きです。

○源さんと土方
・土方の血気盛んな部分や、脆さ、強さ、幼さなんかを全部受け止めて、ゆっくり静かに背中を押してたんじゃないかと思います。それを土方も解っていたからこそ、最後まで源さんには甘え、鬼ではない「人」としての「柔らかさ」を保ちつづけていられたのでは無いかと思ったり。
・土方のぐだ泣きはもうこれ以上見たくないです…勘弁してください。なんであんなに子供みたいに泣くかな・・・悲しみや悔いなんかが全身から見えてしまって、堪らないですよ、ホント。
・鬼の決断を下す土方、それをフォローする源さんが居て(其処に冷静な判断を下す総長が居て)なんとかまとまりを見せていたのに・・・。これらの役割を今後は土方一人が背負い込むことになるんですよね…。恐らく今後は「動揺」することすら許されなくなるんでしょうね…
・しかし、土方が徐々に「時勢」を見極める力(視野)を身に付けているのは、初回から比べると隔世の感がありました。恐らく山南さん・伊東先生の死以降、彼なりに思い身に付けていったんでしょうね。ホント、人の死を無駄にしないドラマだと・・・

○源さんと勇さん
・源さんにとって「近藤勇」は最後まで多摩の「勇さん」であり試衛館の「近藤先生」だった。決して、新選組の「近藤局長」では無かったような気がします。(それはある意味凄い愛情だと思う)
・最後の場面。ここに至るまでの源さんと勇の関係性が、きちんと描写されてこその場面だったと思います。細かな挿話の積み重ねがあるからこそ、観てる側も「腑に落ちる」んだと。

○その他
・お考の明るさに随分救われてます。優香は「お考」役のほうが活き活きとして見え、違和感無く物語りに溶け込んでるような気がします。
・総司と近藤の関係性の深さは、言葉にしなくても解るもので。互いに言葉の裏にある「思い」を汲取れるだけの年月を経てきたんだと。
・近藤が総司に告げる「表」の言葉は、単に総司の背中を押すだけの役割。それをちゃんと汲んで対応できる総司の聡さと近藤の深さが愛しいです。
・松本良順先生っ!!この方が画面に居ると、軽やかで穏やかな雰囲気になるような気がしてなりません。
・塹壕から飛び出して行く若者達が楽しそうで、まだまだ大丈夫だと思わせられて。少しだけ救われました。有難う・・・(左之の明るさには救われてます。ホントに)
・このところ島田の言葉に泣かされっぱなしです。混ざり物の無い「まんま」な台詞だから余計に胸打たれます。
・斎藤が「官軍」を斬っていく様子は、弔い合戦を観てるようで・・・。彼の悲しみはああやってしか表現できなかったんだと思うと、更に辛くて(斎藤の表情が痛々しくてどうしようもない)。
・岩倉、大久保、西郷会談は回を追うごとに胡散臭さが薄くなっていってませんか?(胡散臭いのは胡散臭いんですが/笑)。「国を変えるのには古いものを一掃しなくては」という西郷の言葉に、薩摩が長年持ちつづけていた「徳川家への恨み」を感じたりします。決して、薩摩だけが「悪」として描かれては居ないと感じるのもその辺りにあるのかも・・・
・慶喜公、が一番胡散臭かったと(笑)
・しかし、此処に来て容保公の苛立ちや焦燥感や諦観なんかが透けて見えてきて、筒井君の線の細さ(体格ではなく雰囲気)と相まって、何ともいえない悲壮感を感じるようになりました。
・やはり清水一彦演出とは徹底的に相性が悪いようです(苦笑)居心地悪い・・・

来週は・・・佐々木様が・・・(泣)
いやそれより、野田勝再登場を楽しみにしなくては!この一週間持ちませんっ