2004年8月30日月曜日

新選組!34話【池田屋大騒動】感想

 危惧していた程、ドタバタコメディじゃなかったので安心しましたf(^^;;。それでも、三谷色全開だったので楽しかった~。前回との落差ですが、あれ位なら1年間の長丁場の緩急としては充分許容範囲で無いかと思います(けど、嫌がる人も多いだろうな・・・)。

 で今回は、何なんだろう・・・
 女性陣の対比だったり、近藤(=新選組)が時代から切り捨てられ、軋みが見え始めたり、5話が完結した(え)した話なのかと思ったり。

 坂本・桂が近藤に対して、距離を置いた事が解り易く提示される場面が多く、新選組が歴史の本流となる流れから取り残されつつある事が見えた気がしました。先が見える(見よう)としている人間を切り離し、そしてそういった人から切り離されていく悲哀。そして、既存の組織に拘泥しそこから動けず、動けないことが悲哀と見えない悲劇。何より坂本の苛立ち(諦観)と桂の嘲りが、強く印象に残りました。

 もう一つ印象的で哀しかったのは、山南さんが想う「国」の行く末を「託」したのが坂本であった事。そして、あの一文(切れ端だったよ・・・)で山南さんが「託」したかった事を汲取り動いた坂本に、脱藩したことによって得た柔軟性、時代の本流となっていく者の強さ、冷静さと知性を感じ新選組との違いに愕然としました(桂も藩を背負ってる割には柔軟なんだよな・・・本当に)。

 山南さんは「自分の居場所」だけを新選組に求め、もっとも強かったであろう想いの部分はとっくに見切っていたのだと思うと、遣りきれないです。今になって綺麗に逝った山南さんを「狡い」と思ってる自分がいます。ただ、その狡さも弱さもひっくるめて魅力的だったんでしょうね、きっと。
 しかし、最期に辿り着いたのが「人との繋がり」と「何にも属さないことのしなやかさ」で、それを体現してたのが明里であり坂本。そして、組のなかでは唯一沖田だったのかと・・・。坂本への手紙を託したのが沖田だったってことが、辛いやら切ないやらです。

 以下印象に残った場面についてのみ箇条書きで。

 ・西本願寺での土方vs伊東は、伊東の落ち着きの悪い表情が痛かったです。どうせ聞いてはもらえないと諦めてるのか。聡いだけにあの場は辛かろうな、とご同情申上げたいです。ただ、ある時期の山南さんだったらあの場で土方を窘めてる様な気がしました。そういったストッパーが居なくなったことが、土方・近藤(=新選組)にとっては痛手なのかとも。
・あんなことしてたら、京の人から嫌がられるわ・・・やり方が無粋だし、京の「美」や「歴史」に対する「矜持」を踏みにじる行為だと思われても仕方ないわな・・・
・おまさちゃん、手強いですな~。頑張れ左之!
・沖田と平助の吃驚顔はやたら可愛かった。久し振りにはしゃぐ仔犬コンビを観られただけで嬉しいって。
・沖田の「江戸に手紙書いて全部伝えますからね」とか、「落ち着け平助」(「お前が落ち着け」と突っ込んだ人多数かと)とか、土方に言われて悔しかった言葉をそのまんまひで嬢に突っ返すとか、久方振りに子供っぽい部分が多くて、多摩時代を思い出し懐かしく感じました。
・平助の「間の悪さ」がまた可愛くて(笑)。彼はある意味トラブルメーカーかと思い始めました。
・『婚礼の日に』がある意味伏線だったとは。見続けてる人へのご褒美でしょうか(笑)
・久し振りに「一ちゃん」のお尻にブンブン振ってる尻尾が見えました(^^;;表情も仔犬だったし・・・。そうか、君のご主人様は近藤でも土方でもなくつねちゃんでしたか(違)。恐らく年相応の表情を見せたのは初めてではなかろうか、と思ったり。そして、ずっと5両を気にしてた一ちゃんが、可愛いと思えました(これで、5話の伏線は全て回収ですよね?三谷さん)。

・つねちゃんと太夫。
 確かに深雪太夫は綺麗でしたが、二人で対峙した際の存在感は、田畑嬢が演じてるつねちゃんの方が遥かに強くて。更に、女性のしなやかさや強さ、優しさ、可愛らしさ、そして妬心なんかをつねちゃんにより強く感じさせられたのは、田畑嬢の巧さなんでしょうね。(ホント綺麗だけじゃ女優じゃないわ)
・山南さんが「居ない」ことに違和感を感じてました。ホントに人が居なくなることの大きさを感じさせる作りに脱帽です。
・似てると言われてた、おみつさんとお登勢さん。お二方とも役割としてはコメディエンヌなんですよね(色は違うけど)。おみつさんの軽さと登勢の気風の良さが同時に見れるとは、いや~素敵です(笑)
・桂のねちこい含み笑顔がとても素敵(?!)でした。見える人から見たら、近藤や新選組の危うさは「間が抜けてる」「愚か」としか思えないんだろうな、と臭わした部分だと思ってます(まるで、大人と子供)。
・源さんの「恋をしました」は一番似合わない分、何とも居えず生々しくて可笑しかった。
・土方の「悪い笑顔」全開にはもう好きなようにしてくれと、何も言うまいと。ただ、鼻血だしても色男ってどういう・・・(笑)
・近藤の「皆、それなにりありがとう!」(すみません、台詞覚えてません;;)は、これまでの彼の台詞の中で一番の名台詞だ!と思った私は間違ってますか!?