2004年8月16日月曜日

新選組!32話【山南脱走】感想

 感想って感想って.....(混乱)。
 流石に29話30話のような感情のブレは無くなりましたが、全体をまとめる気力が無いのは相変わらずです(ブレが無くなったというより、漸く覚悟して腹据えて見届けようやんけ。という感じに近いかもです)。

 さて今回の全体の印象ですが。
 時代の流れを見せる場面と細かな心象描写が巧く絡み合って、新選組の外部そして内部(幕府)からの評価や立場がより一層明確に示されたのではないでしょうか?
 新選組内部に限って言えば、新見切腹→芹沢殺害を「子が成長する過程の親殺し」と捉えたなら、今回の伊東甲子太郎の入隊・山南脱走は「旧体制から新体制へ移行のする際の痛み」と捉えれるのではないかと思ったり(あぁ言葉が出て来ない/T^T)。
 そして、山南・伊東と言った「視野の広さ」や「知識(≠智恵)」を内部に取り込みながらも、それを活かす事ができなかった、そこが「新選組」の弱さの一端ではとも思ったりしました。

 また29話以降の緊張と緩和のバランスや登場人物間の対比が素晴らしく、このまま最終話まで走り続けて欲しいと切に願うばかりです。とにかく、台詞・キャスト・演出がここにきて巧く咬み合い始めたという感じがしてます。

以下感情垂れ流しな感想を箇条書きで(山南さんに偏ってるのはご愛嬌ってことで/^^;;)。


○幹部 meets(vs?) 伊東甲子太郎
・総長(相談役)と参謀の違いって何?
 総長は局長(及び副長)専属で、参謀は組織運営に携わるって事なんでしょうか??
・伊東と山南さんの弁舌の違いが非常に明確でした。
 伊東は信念と野心と知識が一体化してるが故に、機敏に対応できるし自信をもって最後まで詰める事ができる。その分説得力も増すし人も付いて行きやすい(弁舌爽やかってこういう事を言うんだろうな、と思ったり/悔)。
 が、山南さんは知識があるが故に、信念や野心が揺らいでるような気がしてなりません。対土方になると舌鋒は激しいんだけれど、伊東や坂本みたいに「自分より上」と感じると「引いて」傍観者になろうとする。だけれど、そんな己に対して苛立ちや悔いを持ってるような気がしてなりません。
・土方が山南さんに「合議」の場で求めて来たことは、もしかすると「常に異議を唱える」事だったのでは?山南さんも土方の期待を解った上で、その役割を務めて来た気がしてなりません。有る意味、土方(組織)のブレーキとしての役割を担って居たような。それが機能しなくなったのが、池田屋以降だった気がしてます。

・土方に対して射る様な視線が増えましたね...山南さん
 で、お互いに視線が合わないんだ。この二人...せめて合議の席で位お互いの目見て話そうよ(泣)
・そうか、左之も一応幹部だったんだ、と不思議な気分でした(笑)
・武田、器小さいよ(T▽T)
 けど、八嶋が演じてる分、鬱陶しいんだけど妙に憎めないという不思議な人物になってるかと(笑)

○副長vs伊東
・伊東の人物評価は物凄く正しいです。ホント
 特に山南さんの人物把握は、的確すぎて腹が立ちました(八つ当たりと言います)。そうですよ、「詰めが甘くて、情に流され易くて、隊で孤立して」ますよ!!おまけに、天然で場の空気読め無い人ですよ!!けど、そんな駄目ダメっぷりが人間らしくて良いんじゃないか!と抗弁しても、伊東はさらっと流しそうで益々悔しい(泣)
・土方のフォロー
 ってあんまりフォローになってませんでしたが...。付き合いの長さだけを特化しちゃう辺りどうなのさ...。
 他にもっとフォローする部分あるでしょう、普通。けど、伊東にあそこまで的確に弱点言われたらどうしようも無いよな、土方でも。うん(と無理やり溜飲下げてます)

○山南さんと坂本さん@寺田屋
・腐るのは良いです、坂本さん。お登勢さんに絡むのも良いです(良いのか?)。だけど、足元ぐらついてる山南さんに愚痴らないで下さい。お願いですから(涙)
・山南さんは他人には「これからどうされるのですか」って訊くけど、自分が「これからどうする」ってことは語らないんだよな...いつも逃場を作ってるというか、何と言うか人として弱いんだ、だから土方と共に「修羅の道」には進めなかったし坂本の誘いにも乗れなかったんだ、と改めて思いました。
・時代が違ったら、この弱さは「美徳」だったかもしれないのに。

○山南さん・土方会談(緩和材として沖田/え?)
・土方も山南さんも不器用と言うか、言葉が足りないというか...。話さなくても解ってくれる関係なんて幻想でしかないのに、一度それを経験してしまったが故に、その幻想から逃れなれないじゃないんでしょうか>土方
・山南さんは土方の期待を理解(感じる)する事すら拒絶したんではないのか?だから、あの会談での互いの言葉は一方通行でしか無く、山南さんの「江戸行き」の思いを変えることは無かったし、土方の期待も失われなかったんじゃなかろうか。

○明里&山南さん
・色んな意味でダメ男度急上昇です(笑)
 仕事の苛々を女性に八つ当たりしちゃ駄目だと思います(苦笑)。しかも、あんな健気な明里にぶつけるなんて。でも、窘められて腰砕けになる山南さんのへたれっぷりが愛しい(え)。
・明里の強さと健気さやそこはかとない艶、そして役者さんの地であろう「聡明さ」が見え隠れするのが、とてもとても美しく思えます。山南さんが最後に辿り着いた場所が、明里で良かった…
・ただ、この二人。無事に江戸に辿り着いても苦労するのは明里だと思います(笑)
 世慣れない貧乏学者を支える賢い(生活一般に)い嫁ってイメージが離れません。そんだけ山南さんに生活能力が無いって事なんだろうな(^^;;;
・しかし!!!公式ムックに描かれてた「明里の布団に横になって、独酌してる山南」の姿を見たかったぞ!!NHK。退廃的な雰囲気が見たかったのに(涙)。流石に廓(情事の後)を醸し出す映像はNHKだけに駄目だったんだろうな(悔)
・山南さんが明里を抱きしめる場面は、なんてこと無い普通の場面の筈なのに、心臓バクバクしてました(なんてこったい)

○沖田&ひで嬢
・沖田の叫びと懇願が哀しくてなりませんでした。
 彼は彼なりに残された時間を考えて、精一杯生きようとしてる様に心打たれました。この子本当に強い子だわ…
・ひで嬢の思いも全て受け止めた結果の懇願、それを受けてひで嬢の「かんにん...」は如何しようなく悲しかった。吹石恵ってこんな風な表情できるんだ、と吃驚でした。

○山南さん脱走
・近藤に話し掛ける直前に、表情を作る姿に痛々しいものを感じました。あの柔和な顔は山南さんが最後まで外せない仮面だったんだと思うと、何か空しいやら切ないやら哀しいやら…しかし何故其処まで「大人」で居ようとするんだろう、この人は。
・つうか近藤…雰囲気を察してくれ(汗)。小首傾け去っていく場合じゃ無かろう!あの時点で近藤が気づいて、山南さんを留めてくれたら...(後の祭りです)
・左之と新八には言って出て行くんだ...
 有る意味義理堅いというか、最後まで綺麗にしようとしてるというか...
・左之と新八は、場違いなくらい楽しそうでしたな(笑)
 しかし、左之と新八が騒いでる最中に、出て行くって…狡過ぎます山南さん(苦笑)。しかも、風呂敷の中書籍ばっかりだし…道中の着替えとかどうするお積りだったんでしょう?
・斎藤が漸く山南さんに義理を返しました。
・山南さんが斎藤の少ない「言葉」を汲み取って、一礼した姿に涙です。
・新選組の看板に、深深と一礼した姿。
 最後まで組織とその中に居る人間へを思いやってるんだろうかと思うと、本当に時代さえ違えば良かったのに、と思わずには居られません。
・沖田はある意味彼にとって「救いの場」だったんだろうな。

○幹部会議
・「逃げたんだ」ってそんな辛そうな表情で言わんといてくれませんか?>土方(凄く正しいけど納得出来ない発言だわ)。
・山南さんが脱走した理由も理解して、それでも辛かったり悔しかったのが土方なんだろうな。己の力不足も実感しただろうし。
・「理由が何処にある」って>近藤、あんたがしっかりしてないばっかりに(溜息)
・沖田を追跡役に決定するまでの場面は、浪士組時代の信頼関係とか絆が見えた上に、緊迫感もあって好きです。(武田一人が空気読めてなかったし)

○その他
・見境無く偉そぶる捨。
 もしかして「鞍馬天狗」に掛けてませんか?というか、鞍馬天狗が捨だったのか(笑)この辺のお遊び、嫌いな人は嫌いなんだろうな〜(^^;;。
・幾松に関しては言いたい事あるんですが、個人攻撃になりそうなので略(充分伝わってるかと思います)

って。無駄に長くい上纏まりとは縁の無い感想です。
取り合えず、31話まではこの調子で突っ走ろうかと傍迷惑な事を思ったりです(ごめんなさい)。