2005年5月31日火曜日

週末みたTVドラマ 2本。

 分けるほどでもないので、一まとめで。

○タイガー&ドラゴン 『猫の皿』
2話以降欠かさず楽しく見てるこのドラマ(今期一番好きなドラマです)。落語と現実が巧く重なりあって、進んでいく展開と「下げ」に気持ち良さを覚えてます。

これまでも『厩火事』の回ではまりも&まるお夫婦のやり取り言葉を無くし、静かに涙したりしてたんですが、今回の『猫の皿』は良かった!!と見終わった後拍手しそうになったほどでした(ホント・・・迷惑)。伏線がきちんと回収されて、綺麗に無駄なく使われたり、着地されるとホント生理的に心地よくて心地よくて仕方ありませんでした。

 このドラマでは西田さんの「巧み」さとかふとした「可愛らしさ」が大好きで(そう言えば『西遊記』の猪八戒役も好きだった←ものごっつい古い話ですみません)、特にお母さんとのやり取りを見るたびに「良いな〜この夫婦」と微笑んでおります。なので、今回の小虎に焼餅を妬くどんべえさんが良かった。
 そして、忘れちゃならない小日向さん!!!大好きですよっ小日向さん!!(なんの感想だ、これ)。とぼけた空気の中にも「芯」のなり「嫉み」がある小しん師匠が小龍を認めた台詞にはもう、大好きコヒさん・・・と画面に向かって呟いておりました(だから何の感想)。

 今回始めて宮藤さん脚本のドラマを拝見したんですが、ホント素晴らしいと思いました。軽妙な台詞も然ることながら、締めるべき台詞なり設定も手を抜くことなくあって。良いドラマ見せてもらってるな〜と見終わったあとは大層満たされた気持ちになってます。


○先週金曜日の本命(笑)空中ブランコ

 期待せずに見始めました。が、なかなか面白かったんじゃないかと思います。先日見た『いつか来る日のために』ほど考える事はありませんでしたが、カウセンリングの一端を見せてもらった気がしてとても興味深く鑑賞しておりました。
 また、なかなか受け入れられない「現実」から逃避するための手段だとするならば、否定する事でますます「本人」を追い詰めてしまう事になるんだろうな、とか、その逃避によって体が不具合を訴える(今回は不眠症という形でしたが)のは、本人も知らずにその「逃避」が限界だと感じてるのかも、とか。それでも最終的にそれらの現実を「受け入れられる」人間って脆いようでいて、案外強くてしなやかなんだとか色々思わされたドラマではありました。

 特に、他人が「否定」するのではなく本人が自覚する事が必要で、そのために精神科医は患者に対してどうすべきなのか、というのが薄っすらと判ったような気がし、(心療内科医と精神科医の違いは何となく判っているんですが)ふと河合隼雄氏と南伸坊氏の共著『心理療法 個人授業』の内容を思い出しました。 そして「相手の話を否定しない」とか「より添う」ことは「治療」ではあるんだけれど、人間関係全般に当てはまることなんじゃないかとも考えたり致しました(なかなか難しいんですけれど^^;;)。

 で期待(って)の「空中ブランコ乗り」な堺さんですが、吹き替えなしであそこまでされたのが凄い・・・と頭が下がりました。そして、思ったほどフリフリレオタードが劇中では違和感が無く、また空中ブランコってこういう感じだったよな・・・と至極納得できるものだったのが何よりでした(とは言え、何故か気恥ずかしいのには変わりなく^^;;)。一番恥ずかしかったのが、実は阿部氏の黄色いレオタード姿でござました(だって・・・堺さんより体格良いんだモノ^^;;)。

 堺さんに関しては、この方(役)自身にとって大切な何かが「欠けてる」、それを見つけようと躍起になり、なかなか見つけられず諦めもつつも、諦めきれず足掻いてる、そんな雰囲気をかもし出されるの巧いよな・・・と思い。ただその足掻きが不要でなく彼にとって「必要な」足掻きだと思えるのがまた。
 そして反対に阿部さんは完璧に満たされてるのに、傍から見たらどっか「欠け」があるって雰囲気があって、二人の掛け合いは見てて面白かったんです。特に、公平が理解してるようで本質的な部分が判ってなくて、伊良部医師が判ってないように思えて実は(恐らく本能で。って・・・)本質をきちんと捉えてる差異が大層楽しかったと。

その他ツボとしては、
・釈嬢が意外と良かったな〜。あまり多くを語らせず、表情を変させなかったのが良かったのかも、と素人ながら思ったりです。しかし、釈嬢の色気ってホント健康的なで、カメラ小僧の前で色んなポーズ決めてる釈嬢が大層可笑しく可愛らしく思えました。
・焼き秋刀魚を抱えてる堺さんが大層可愛くて。焼肉より焼き魚、ビール瓶より焼き魚を抱えてる方が似合う俳優さんってある意味稀有だと思ったり(笑)
・松重さんのブランケット症候群。刀抱えて安心してる姿っ、なんて似合うの!!とTVの前で大騒ぎでした(笑)
・空中ブランコ実演場面は、いろんな意味で手に汗握っておりました(^^;;
・場を沈ませる明るい声って(大笑)空気が読めてないのがまた(笑)
・強引なマイペースな伊良部医師に振り回されてる公平のオドオドしてる素振りがもう堪らなく可愛かったです。
・今回の伊良部医師を拝見し、この雰囲気で榎さん演じてくださるなら良いかもな、と。(だったらマスカマは堺さんか?!)