2005年4月11日月曜日

サクラの季節

 好きです、この季節。
 梅が咲き、桜が咲き誇り、桜吹雪が舞うこの季節。
 花粉の時期と重なってるとは言え、それでも目を楽しませ、華やかな気分にさせてくれる花々の美しさと、光の美しさは心底大好きです。
 でも、この季節は悲しくなって、少しだけ嫌いな季節でもあります。

 数年前、大切な大好きだった友人が丁度桜が舞うこの季節にこの世界から去りました。
 本当に大好きだったんですよ、彼女のこと。今も彼女が居るような気がする事があるくらい。
 時折ふと「この話(映画)どう思った??」とか「この小説読んでみた??どうやった??」とかそんな感じに聞いてみたくなる衝動に駆られます。それほどちゃんと自分の意見を持ってる子でした。

 彼女とは学生時代に知り合いました。
 とても不思議な雰囲気を纏っていて、それは付き合っている間変わる事の無い彼女の印象でした。人付き合いが悪いわけでもなく、でもどこか孤高で。一見、少年っぽいけれど内実はその時周囲に居た友人たちの中で、一番少女らしく。
 不思議と思い出すのは、洋書に書いてあったレシピ通りに作ったらお菓子が散々な出来で、「レシピが間違ってる!!」と息巻き、「分量を調整し作り直したら美味しく出来た!!」と言いながら皆に振舞ってくれた事(笑)。
 そして、趣味の秋のきのこ採集。どのきのこが、何所ででどれだけ採れたかを報告してる事。
 愛車(自転車)で何所まで遠出したかとか。

 そんな風に趣味がマニアックな部分から一般的なものまで幅広く、話していてとても面白かったんです。ある意味マニアックな会話ができるのは彼女だけだったし(某友人にはあんたらが話してるの聞いててもわからへん・・・とあきれ返られることもあったほど^^;;)。

 そんな彼女は一番綺麗な時に、一番綺麗な年齢でこの世を去りました。共に年を重ねて、仕様も無い馬鹿話したかったのに。もっともっと話を聞いて、話を聞いてもらって、あちこち出掛けて色んな馬鹿話したかったんだ・・・
と、今もって悔しい思いでいっぱいなんです。

 桜吹雪を見ると、そんな事を思い出し・・・だからこの季節ちょっと嫌いです。