2004年9月21日火曜日

新選組!37話【薩長同盟締結!】感想

 放送当日に両家に梯子帰省してたため、総合を実家で見てたものの台詞が殆んど聞き取れませんでした(母と相方が散々大声で喋ってくれたお陰で/悔)。録画鑑賞しましたが、台詞が聞き取れない状況で観て改めて、このドラマは本当に台詞が命だと思い知らされました。見てはいるものの、流れについて行けないことに苛立ちすら覚えまし。いや、何をやってるのかのは掴めるんですが、台詞で繋がれていく部分がさっぱりわからないので、どうにもこうにも把握できないんです。

 今回は、「松原の死」と「薩長同盟締結」の2つが主題でした(前回から約9ヶ月。すっ飛ばすよな~)。

 先ずは、松原(まっちゃん)の死から。
 この話は、この時期の土方と他隊士の軋轢や温度差を描きたい(見せたい)ために持ってきたのかな、と穿った思いをいだきました。確かに松原の生真面目さや「優しさ」が自身の死を招いたことは、哀しいと思いました。ただ、一番印象に残ってるのが、土方だったりするんですよ(何かある度土方に、感情まるまる振り回されてる気がしてきました/苦笑)。

 松原については、生真面目で優しいけれど、傍に居る(大切にしたいと思っている)人の想いや言葉の奥を知るべきだったと。また、松原の「不憫だと思ったから」に個人的な引っ掛かりを覚えました。お初にしたら「あんたに不憫やと思われとうない」と思ったんじゃないのかと。もしかしたら、あの言葉によってお初は「決めた」んじゃないのかと思ったりしました。間違った認識なのかもしれませんが、「不憫」(若しくは「同情」)って言葉は「優位者」のものだと思うんです。彼の優しさから来る「無意識の優越」がお初を静かに傷つけ、その結果が、「死」ではなかったのかと思ったんです。
 松原の有様は全てが「誠」で何の裏もなかった。だからこそ招いた悲劇なんでしょうね…好きだったな、松原。甲本松原の最後までぶれなかった「誠実」さは、感嘆しました。甲本さんお疲れ様でした。

 で、土方です(苦笑)。
 山南さんが逝って以降、凄烈になったと言えば良いのか、鬼度が増したと言えば良いのか解りませんが、兎に角「変化」した気がします。土方を見ていて、何を焦っているのか、どこまで先を見ようとしているのか、実際に見えてる部分はどこまでなのか、気に掛かって仕方ありません。何よりもここまで「ゆとり」が見え無い土方が辛くて仕方なかったり。
 しかし、引っ掛ったのは彼が詰める「士道」とは何ぞや?です。山南さんが土方に見せた「士道」は、今の土方が進もうとしている方向には無いと思うんです。土方が「士道」や「切腹」と口に出すことで、左乃や新八との差が広がっていくような気がします(それは、元来の身分差なのかも知れません)。土方自身が「士道」や「法度」に囚われて身動きできなくなってる、そんなイメージすら浮かんできました。山南さんが「切腹」したことで、益々行動規範が軌道修正できなくなった。今まで修正する契機となってたのが、山南さん存在だったのかと今更ながら思ったりする部分もあったり。
 今の土方にとっては、近藤も沖田も源さんも寄掛れる場所じゃ無くなってる。それを肌で感じて案じてるのが唯一沖田だけなのが、本当に辛いです。

 転じて薩長同盟締結。
下関及び薩摩藩邸での桂さんの取り乱しっぷり、予想通り素敵でした(笑)。インテリ&お坊ちゃんが持つプライドと理屈そしてそれらがぶっ飛んだ時の身も蓋も無い取り乱し(=拗ね)っぷりが大好きです。いや~小さい小さい(笑)と言いつつ、こんな桂いや木戸さんが好きです、私。
 
 それはさて置き、一大転換期です。
 薩摩(西郷)と長州(桂)の政治力と強かさ腹黒さに、ワクワクさせてもらいました。何より間に立つ坂本の柔軟さと調整能力の高さには、良いもの見せてもらった~と大満足です。
 そして、坂本の背後にちゃんと勝海舟の存在が見えるのがこれまた。キャスティングの勝利でしょうね(1回しか登場してないのに、勝のイメージきっちり付いてるのは、流石です野田さん)。

 坂本の「自分が大事、それでええ」と近藤の「鉄の結束と人を思いやる心」が余りにも対照的だと感じました。坂本や薩摩・長州は自藩なり「個」の利益有りきで動く、だから「大儀(=理論)」さえあれば方向転換がある程度は容易なんでしょう(しかもその「大儀」すらも交渉の中で生み出し、後付で構わないんだから大したものだと)。
 が、近藤達の場合「大儀」が先にあって動くから、大儀を浸透し維持する為に組織の結束が必要になるし行動範囲が狭まる。その差は歴史の転換期にあっては大きな差であったと、画面を通じて見せられた気がしました。

以下雑感。
・河合の口からお金の話が出る度、ドキドキするんですが(泣)。大倉河合が純朴で抜けてそうなイメージだけに(酷)
・左乃、総司、平助トリオ(笑)。そりゃ、近藤じゃなくても君等しか思い浮かばないって面子でしょうよ(笑)
・左乃の時折見せる男気には感心してばかり。ところで、左乃「後家倒し」って何(笑)。
・西村寺侍(でしたっけ???)の本間さんを見るにつけ、『彦馬が行く』の高杉晋作・伊藤俊介コンビを思い出して妙に可笑しいです(きっぱり間違ってます)
・近藤さんも息子達の始末、お疲れ様です(笑)
・「気持ちをケチったらあきません」は至言だと思いました。
・山崎さんは毎回本当にいい仕事なさってますよね(見習え浅野!!!)。しつこいようですが、毎回うっとりさせてもらってます。
・ロケって良いですよね...
・沖田の細かな動きに最近、感嘆してばかりです。
・お登勢さんと近藤の遣り取りは時の流れを感じ、寺田屋(坂本)と新選組との関係性の変化がはっきり見えた場面だったと。
・捨はどうやってもあのままなんでしょうか?(笑)そろそろ多摩に帰った方が良いじゃないかと思うんですが、何故何時までも京にいるんだろう(笑)
・今回始めて、会津公(筒井君)が殿様に見えました(酷)苦境に立たされて初めて自覚が出てきたんだろうか??と酷い事を思ったり。
・お久し振りの広沢様と良順先生が…良いなぁと。地味だけどいい雰囲気醸し出されてるお二方なんで…
・桂(いや木戸/苦笑)西郷の握手場面は、大男3人組なもんでやたら迫力ある画面というか…今回のキャストは全員身長が高いからなぁと改めて感心しました(何か違います)
・邪まな感想を抱かせない頬ずり場面って、非常に珍しいかと思ったり(普通抱きません)。西郷と桂の思いっきり厭そうな顔が、何とも楽しかったな~
・楽しそうなのは、坂本だけなのが如何にもで。あれだけでも三人の色の違いが浮き上がってた気がします。
・坂本以上にせっかちそうな中岡と、いまだ世慣れて無さそうな雰囲気の大久保利三の今後が楽しみだったり。
・来週は佐藤B作さん登場なんですね~どれだけ胡散臭い空気になるのか、今から楽しみです(笑)