2004年7月28日水曜日

らもさん(T-T)

 中島らもさん逝去

 朝刊で知りました。酔って階段から落下された事はニュースで知ってましたが、まさかそのまま逝去されるとは。
中島らもさんの本は、そう多く読んではいませんが、淡々とした語り口や斜め下から見てるような視点が好きでした。
また時折、TV(関西ローカル)で見かける何とも不器用そうなのに飄々とした不思議な風貌、訥々とした語り口も独特で、機関銃みたいに喋くる大阪芸人のなかで、ほっとつける雰囲気がありました(芸人ちゃうけど…)。

 水平からの視点で関西を語れる作家さんが居なくなるのは、本当に寂しい限りです。
 心よりご冥福をお祈りいたします。

 好きな作品2-3点について。

・「明るい悩み相談室」
 朝日新聞の連載が中島らもさんとの出会いじゃないでしょうか。あの、妙に変わった質問に、捻くれ&脱力感のある回答の妙が今もって印象に残っています。あの頃の朝日新聞の連載は総じて良かったよな〜(天声人語も含めて)。

・「ガダラの豚 Ⅰ〜Ⅲ」
 大学時代の友人が単行本発売時購入し、「凄い!面白い!」と大絶賛してた本。文庫化された時点で入手しましたが、読み始めてから「あの中島らもが?!こんな長編を?!」と失礼なくらい驚きました。
 全体の流れは言うまでも無く、オカルトに対する肯定と批判が揺らいでる様、そして、アルコール依存の状態や依存から立ち直るまでの描写がリアルな様に度肝を抜かれました。アルコール依存症に関しては彼の実体験でしょうし、リアルにもなるんですが…醒めた筆致にも関らず、悲哀すら感じさせる描写は素晴らしいです。

・「こどもの一生」
 リリパット・アーミ版は未見。G2プロデュース版のみTVにて鑑賞(NHK「劇場への招待」で放映された分)。
 エッセイであらすじのみ知ってた作品にも関らず、最後まで飽きることなく見せられました。生瀬・升・古田・中村といった芸巧者の力にも拠るんでしょうが(色んな意味で皆濃かった/笑)、言葉の選び方、発想等々が怖くて怖くて、背筋が寒くなりました。あの作品は深夜に流しちゃいけない!とまで思いましたもの(苦笑)
今度再演される事があれば、是非生で観たい作品の一つだったりします。