2004年7月6日火曜日

新選組!26話【局長 近藤勇】 感想

 彼らはもう「壬生浪士組」でなく「新選組」なんだ、と改めて実感しました。


 正直、芹沢一派が抜けた後、誰が「
(画面上の)重み」となるのかと心配してました。それが杞憂に終わったのが嬉しいです。試衛館組全員が前半とは違った存在感を醸し出し、それが「重み」に変わった感じを受けました。核となる試衛館組と「壁」となった芹沢一派、そして芹沢一派を排除し各々が変化する道のりを、丁寧に描いた結果がこれだとは!本当にこの半年間は「新選組」への助走だったんですね、三谷さん(長〜い助走と大きな魅力的な壁でしたが/笑)。


 特に、局長!よくぞここまで「化けて」くれました(感涙)。 半年間長かったよ、香取君。
 内山との遣り取は、今までとは全く違ってある種の「凄み」すら感じました。スマステや他のバラエティーからは想像も出来ないくらい、「威厳」「苛立ち」「矜持」が画面からも伝わってきましたよ。今回ばかりは、手放しで局長誉めたいです。

 沖田の内山に刀を向けてる時の表情(特に目)が、際立った変化だったかと。蜷川幸雄が藤原竜也に関して「透明な空気を持ってる」と表現してましたが、その透明さの一端を感じさせてもらいました(喜)。
 じっと内山を見つめる眼は、一切の感情が無いんですよね。けど、どこか叙情的で尚且つ深淵を知ってる(が見えてる)眼なんです。近藤・土方に言われたから斬るのでは無く、己も斬ることを納得し、斬ることによって生じる結果も理解してる(また、相手の死に責任を負おうする覚悟もある)、そんな聡明さすら感じさせる表情でした。無邪気さ(対ひで嬢)と怜悧さを共存させるって、凄いの一言です。

 また、土方の掌に全てが治まりつつあるのが、ひしひしと伝わってきました。唯一彼だけが、情報収集・計画・実行に携わってるんですよね(近藤は許可を与えるだけ)。漸く全体を掌握できる立ち位置に自らを置き、手綱を操りはじめた。その対極に在るのが、山南(泣)。
 総長職で立場はNO2なんですが、実質は蚊帳の外なんですね…。掌握してるのは、内向きの事務方だけって感じがしました。山南・河合の寺子屋(違)場面での感じのみですが。内山暗殺には一切関って無かったと想像しました。何せ今回は黒い副長’s会談が一切無く、近藤・土方会談のみで決行された印象を植え付けられました。
 
 山南は芹沢暗殺時の対応で、土方に見切られたのかな?とも思います。
 近藤・土方・沖田が「修羅」に足を踏み込んで、確実に歩みを進めて行く中で(原田・斎藤は一から修羅道歩んでただろうし除外)、山南だけが踏み込んだまま動けない。もしかしたら後戻りしてるかもしれない。その辺の違和感を土方は気づいた、だからこそ内山暗殺には関らせなかった。と深読みしてしまってます。
これから、この溝なり違和感が広がって...(大泣)

 目線を変えて、新隊員ですが。
 やっと出た!八嶋武田(笑)大倉河合以上に胡散臭いぞ!山南・土方両名を同時に唖然とさせたのは、今のところ彼だけかと(笑)。そういった意味でも、貴重な隊士ですね〜(違)。あの妙な自信過剰っぷりが、今後どうなるんでしょうか??大倉河合との三谷チーム「動きが煩いキャラ」対決が楽しみだったりします(興味の方向が明後日向いてます)。

 山崎蒸は、綺麗な関西言葉にうっとりです。胡散臭い関西言葉多い中で、ちゃんとした関西言葉を聞くと嬉しくなるのは、私が関西人だから?!。落語家さんだそうですが、この方の古典を聞いてみたいと思ってしまいました。声も風情も台詞回しも穏やかで北村薫さんの円紫さんを思い出しました(笑)。確かに、ご本人の色ってあまり無い方ですが、それは噺家さんとしては素晴らしい特性なんではないでしょうか?

 で、一番胡散臭かった谷三十朗(笑)あの笑い声は一体?!「3人だろ」の土方の突っ込みは、久し振りに出た「多摩の歳」っぽくて懐かしかったり。末っ子はHRで反抗期の息子演じてた子ですね。三谷&香取お気に入りの。

 以下箇条書きで。
・逸る沖田を土方が抑える場面がありましたが、あの場面の二人は、どうも血統はいいけど慣れてない競技馬とその調教師とうい雰囲気を感じてしまいました。

・兎にも角にも山南さんの出番少なすぎです!どうやら、ご隠居な山南に相談する悩める近藤の場面はNHKがカットしたみたいですし。庭木の手入れをする山南さんを、拝みたかったです。撮影したなら、放映してください(切実)

・太夫の舞と内山暗殺を重ねる演出は、好みでした。大河で5-10分近く台詞無しなのは、珍しい演出(脚本)では。それが緊迫感と静寂を強調させて、功を奏してたと思います。

・やっぱり、太夫に手紙渡しちゃ駄目でしょう(苦笑)。自分で飛脚を呼んでとまではいいませんが(一応局長なので)、せめて信用の置ける隊士に使いを頼む位の配慮が欲しかった...。

・口にお弁当付けた平助が、もう愛しいやら切ないやら。

来週こそは、山南さんをたっぷり拝ませていただきたいです。