2008年1月18日金曜日

焼け木杭に火2

 年明け、久しぶりに『City Hunter』のFANサイトさんを巡っていたら再燃してしまい、今更ながらに買ってしまいました『City Hunter Sound Collection Z -Dramatic Album- 』。
 
 ちょっとした前置き。
 FANサイトさん巡りをする辺で、かつて抱いていた「熱」は判っていただけると思います。かなり恥ずかしい過去だとは思うんですが、どうもこの作品は「無かった事にできな」モノなんだなぁと今回改めて認識しました。原作者の某パラレル作品でかなりぶち切れて、二度と手を出すものか!と思ったりもしましたが、やっぱり『City Hunter』という作品は好きだし、嫌いになれないんですよね。性質の悪い男性に引っ掛って振り回されてる感じもするし、なんだかんだ言いながら引き摺ってここまで来たのかなぁという気がしてます(まるで、リョウに振り回されてる香の様だ/苦笑)。
 また、私のノーマルカプで尚かつ恋人未満の関係性が好きとかパートナー物好きとかの基調になってる作品の一つなんじゃないかと、今回色々考えてしまいました...。その辺はどこまでも成長してないよなぁと恥ずかしく思う部分もあるんですが、それも含めての今の私だ!と開き直ってこの文章を打つ事にしました。
 なので、以下かなり「恥ずかしい=オタ臭い」文章になってるかと思いますのでご了承下さいませ。

 『City Hunter Sound Collection』発売当時は「今更やしなぁ。(本放映終了後発売された)Dramatic Masterは乏しい小遣いで買って今も何故か捨てずに持ってるし、『3』以降と映画版のサントラも(以下略)、音楽集は要らんよなぁ。ジャケには心惹かれるけど...」と言う事で見て見ぬ振りをしていたCDです。ちなみに同時期に発売されたDVD完全版は、その値段に恐れおののき触手すら動きませんでした(10万円超えるって何?!と思いっきり退きはしましたが^^;;)。
 CDドラマそのものはもの凄〜く気になっていたんですが、こんな所でマニアックに走っちゃいけない、私はもう社会人なんだ、一般女性の仮面を被ってなきゃならないんだ!とばかりに固く心を閉ざしていました(どれだけ魅力的だったかがお判り頂けるかと^^;;)。

 が、あちこちのサイトにお邪魔してる内にCDドラマ感想にぶち当たったんですよ。で、ネタバレを読んでる内にもの凄く「聴きたく」なったんです。amazonに在庫が無ければ諦めよう!と思っていたのに、何故か在庫がありまして、これは運命かもしれないと強引に思い込んで購入しました。
 強引に思い込まなきゃ購入ボタン押せなかったんですよ(苦笑)。その前日には、Alicia Keys『As I Am』と Alanis Morissette『Jagged Little Pill』を購入していて、この落差は何?!と自身に突っ込み入れそうになってる程、妙に居たたまれないというか微妙な気持ちになってたし(複雑だわ...)。
 
 買った以上は楽しまなきゃ損!なので、早速相方には内緒でこっそり聴きました。

 その感想は、買って良かった!!の一言です(掌返し/笑)
 何が良かったって、原作(結婚を機に単行本は売り、その後再読したくなり再度文庫版で揃えたものの、相方の視線に居たたまれず再度売り払う...完全版は版元が変わったり、例のパラレル漫画の影響で未購入。)の一こま一こまが映像として立ち上がるんですよ!
 この作品に関わったスタッフを甘くみてた私が悪かったです、すみませんと思った程です。

 元々この作品って原作とアニメの関係が良くて、相互補完しあってる部分があったんです(というか、アニメ側スタッフが原作好きだったらしい/笑)。主役二人の関係もアニメ版の方がスタッフの意向と好みと勇み足(笑)で若干進んでたりもしましたが、それは原作の枠を壊さない程度だったし、原作も程よくアニメの雰囲気を取り込んでる部分もあって(海坊主とリョウの関係とか)、ファンとしてはストレスを感じる事無く原作もアニメも楽しめた作品でした。それが10年以上経っても損なわれてなかったのが凄いじゃないかと妙に感動したんです(過去に放映されたスペシャル版は如何なモノかと思うにしろ)。 
 
 また、作りがアニメ版をきちんと踏襲してくれていて、OPがAngel Night (by PSY・S)、EDがGet Wild (by TM Network )なのがこれまた涙ものだったりします。
 
 兎に角、原作を巧く消化しながら、オリジナルの設定を加えつつ違和感無く「アニメ版City Hunter」の世界を構築しています。難を言えば、かなり駆け足な感があること。香とミックのバトルはもっと長時間じゃないと拙く無いですか?とか、香の逡巡がやけにあっさりしてしまって、そこに引きずられるミックの心境の変化が唐突に感じられたり、リョウの逡巡はもっと丁寧に語って欲しかったり(原作では無言だから仕方ないんでしょうが)とかの引っ掛りは感じました。ただ、その辺りの引っ掛りは原作で脳内補完できるので、ちょっと気になるかな?って感じです。
 一番重要な「ミックの登場によって、香が思いっきりリョウの方へ足を踏み込んでいき、リョウの抑えてる香への気持ちが表面に少し現れる」とか「ミックを挟む事によってリョウの揺れ動く気持ちが見える」とか「ミックの行動が香を追いつめた結果、二人の関係が半歩(笑)前進する」とかはバッチリきっちり抑えているので、満足です。また、声だけにも関わらず予想以上に「City Hunter」の世界に引き込んでくれますし、聴かせてくれます。流石プロの声優さんだわ!と感心することしきりです。

 オリジナルの場面で、冴子との会話で少しだけリョウの本音が見えるのはアニメ版らしいアレンジなんですが、その会話の雰囲気が素晴らしく原作リョウと冴子でもあるんですよ。そして、ミック編で重要な、香への中途半端過ぎるのが如何にもリョウ(といかリョウ&香)らしい告白。原作では「活字」を巧く使って表現していてもの凄く好きな場面なんですが、音だけでこんな風に表現したんだぁ、凄く二人らしい遣り取りになったなぁとにんまりでした。この告白場面は神谷さんの声が兎に角素敵なんですよ!!原作でイメージしたまんまの口調と声。そこに絡む伊倉さんのちょっと可愛い声がこれまた「くぅぅ」って感じです。
 
 また少々不安だったリョウ@神谷さんの声も全く劣化しておらず、それどころか「うわぁリョウだよ!!原作のこの台詞を神谷さんで聴けるなんて!!」とかなり感動モノでした。何度と無く「良い声してるよな〜☆」と久しぶりになんかもうクラクラしてしまってました。「City Hunter」にとっぷり嵌る切欠になったのが「神谷さんの声」だった私にとっては、原点に戻ったというか、原点を思い出させたくれたという感じです。今でもリョウを演じてる時の神谷さんの声が、好きな声ど真ん中だったりするんだなぁと再認識してしまいました(^^;;。
 香@伊倉さんはアニメ版より若干女性らしい香嬢を作って下さってて、これまたにんまりでした。香のボケと突っ込みの心地よいリズムも健在だったし、文句ございませんです。神谷さんと伊倉さんの掛け合いを久しぶりに聴くと、やっぱりCity Hunterはこれが無くっちゃね〜とこれまた頬が緩みっぱなしでした。
 レギュラー陣は懐かしい!の一言です。冴子@麻上さんは相変わらず気風が良い艶っぽさだし、美樹@小山さんは包容力とキツと可愛いらしい姉さんだし、海坊主@玄田さんはお茶目な低音が相変わらず素敵でした。Cat's Eyeでの三人の遣り取りは、素直に可笑しいやら、美樹ちゃんの惚気もどうよとか冴子さん立場無いよなぁとか、映像が立上がって笑いが込上げてきました。
 肝心要のミック・エンジェル@成田剣さんは予想以上にぴったりで、リョウ@神谷さんとの絡みも雰囲気が合っていたように思います。リョウ@神谷さんより甘い声なので、気障なプレイボーイっぷりが素晴らしく嵌っておられます。香とミックの会話は、ちょっと気恥ずかしいモノがありますが、原作でも大概気恥ずかしい場面なのでOKです(って/笑)。最後の場面で蚊帳の外に置かれて拗ねつつ、傍観者ならではの茶々を入れるのが非常に巧くてこの三人はこういう感じだよっと大笑です。
 
 で、原作では唇に近い頬だった(それでもリョウは機嫌を損ねてましたが/笑)ミックのKissですが、ドラマ版ミックはそんな中途半端な嫌がらせはしませんでした。更に性格が悪くなってる様な気がするドラマ版ミックは、えぇ唇でした(嫌がらせが徹底してます)。その時のリョウはきっちりうろたえてくれますので、必聴かと思います。
 
 聴き終わっての感想は、これで1時間半のスペシャル編作って下さい!それが無理なら、海原編のCDドラマ作って下さい!でした。だって、あの終わり方は「お預けっ」と同じだと思うんですよね...。と発売から2年経って買う奴が言う筋合いはないのは十分判ってるんですけどね、それでもこれだけ完成度が高いドラマを聴かせてもらうと、欲が出てしまうんですわ。