2008年1月18日金曜日

水『デスパレートな妻たち3』 

 一昨年放映された1stシーズンの集中放映からすっぱり嵌り込んだドラマです。これも、雑誌等々での評判が良かった事と、やはりエミー賞受賞作品との煽り文句に釣られました(権威に弱いのが丸判りです^^;;)。 1stは集中放映で一気に畳み込み、2ndは本放送をじっくり楽しみ、半年間じらされながら待った3rdだけに非常に楽しませてもらってます。また、3月以降NHKの「3rdは放映するかどうかは不明です」とのアナウンスにかなりヤキモキさせられただけに、放送開始がホント有難かった作品です(NHKの思う壷ですが^^;;)。
 
 メアリー・アリス自殺の謎から始まりレックスの死で終わった 1st、各家庭に変化が訪れそれによって引き起こされる困惑と混迷が始まった2nd。前2シリーズ共に脚本が非常に巧いな〜と毎回感じ、台詞やキャストの表情等何か一つは記憶に残るドラマだと思います。更に混沌(としか言いようがない/笑)としてきた今シーズンも十分面白そうだと思って観ています。胃が痛くなる展開は相変わらずで(相方は今シーズンからリタイア)すが、その「おいおい...」な展開が『デスパ』の特徴だと思うのでそれも含めて大笑いや苦笑しつつ堪能させていただいてます。

 そして、女性が抱えてる「何か」を徹底的にオブラートに包まずに見せる手法はやっぱり凄いと思います。かなり誇張されてはいますが、出てくる女性が抱えてる問題は大なり小なり抱えてる「何か」であって、それは「ちゃんとした女性が外に見せてはいけない何か」だったんですよね。けれど、このドラマはその「何か」を徹底的にあからさまに見せつけてくれて、「何か」を抱えてるのは「当たり前なんだ」と思わせてくれる。何よりに「皆抱えてるんだね」という安心感をも与えてくれる様な気がします。
 その分「何か」の汚さや嫌らしさを目の当たりにして、自身に痛みを感じたり過去の自身を結構恥じたりちゃうんですが(^^;;。けれど、そういったモノに対して奇麗な「快」や「解」を与えず、メアリー・アリスの突き放した視点からのナレーションで終わらせてくれるのが逆に「救い」になってる気がします。あぁ、そうだよね、こんなもんなんだよねって思わせてくれるんですもの。
 だから、このドラマに出てくる女性は徹底的に嫌いになれないんですよね〜。1stのフェリシアさんであっても(笑)。

 とは言いつつ、やっぱり好きなキャラは居るもんです。
 一番好きな女性は、リネット・スカボー。1stの育児疲れが原因で薬に走ったり、キャリアを手放さざるを得なかった現実への鬱屈と葛藤。なのに頼りない夫トムちん(←大好き)の腰砕けなばかりの駄目っぷりを、支えなくては行けない日々への苛立ち。そこから、2ndでは一転してバリキャリに復活したものの、育児と仕事の完璧な両立を目指しつつも結局無理だと知る。そして、愛すべきトムちんの専業主夫化 (笑)。
 彼女の芯の強さと賢さ(ずる賢さとも言う/笑)、理想の高さを持っているのにその完璧な実現が無理だと判断すると即座に「現実との折り合い」を図る理性は憧れます。そして、何より家族を愛してやまないその姿は「お母ちゃんって強いな〜」と思わせられるんです。また、時に見せる「弱さ」は彼女の人間らしさを感じますし、ホント大好きなキャラです。
 また、完全に尻にしかれてるトムちんとの掛け合いも非常に微笑ましく、この家庭が壊れない事を願う3rdになっています。
 
 次に好きなのがガブリエル・ソリス。彼女は何をしても可愛らしくて憎めないキャラだと思います。カルロスとの関係も、おままごとしてる見たいな雰囲気が、非常に好ましくてなりません。カルロスがガブリエルを離したくないの判るよな〜とか、ガブリエルはカルロスだから可愛らしいままで居られるんだろうな〜とニマニマしつ毎週眺めてます。最近はガブリエルの言動一つ一つが本当に少女の様だとしか思えなくて困ってます(笑)
 彼女にしたら「私はカルロスを嫌いになれない。だから、カルロスが自分を嫌いになって欲し」から、あぁいう無茶な行動になるんだろう、と見ています。カルロスを傷つけるのは「嫌いになって欲しいから」で、カルロスに対する「憎しみ」からじゃないような気がしてます。あと、彼女の性格上「行き当たりばったり。何とかなるさ!」な部分も激しく影響してると思いますが(だから好きなんだ!ガブリエル!)

 ブリー・バンデカンプ(現:ホッジ)は、兎に角痛くて痛くて。彼女の完璧主義からくる破綻は、ちょっと身近に思い当たる人が居るだけに、非常に身につまされてます。彼女なりの愛し方付合い方なんだろうけど、それは駄目だよブリーと思う反面、彼女がそういう言動に出るのが痛い程判ってしまって...。彼女のパートは感情乱されまくって、涙がでて仕方ない時期もありました。きっともの凄く弱くて自信が無い人なんだろうと、だからああやって一生懸命虚勢を張らなきゃ駄目なんだけど、それが傍から見たら痛々しくて溜まらない人です。きっとレックスがもっともっと包容力があって、ブリーの壁をゆっくり剥がす事が出来たならば彼女は心から幸せになれたろうに、と思ってしまいます。

 主役であろうスーザン・メイヤーは吹替えがどうも苦手です。3rdまで付きあったら流石に慣れ(諦め)ましたが(苦笑)、当初は違和感あり過ぎて..(他の方が巧いってのもありますが^^;;)。
 その所為か、どうもスーザンのパートは流して見てる様な気がしてます。が、彼女とイーディの掛け合いは、テンポが良くてもの凄く好み!です。あと娘のジュリーとの掛け合いも(笑)。
 キャラ的には突っ込みどころが多くて飽きないんですが、傍に居たらもの凄く鬱陶しいタイプかもしれない(笑)。なので、イーディの気持ちが良くわかります(イーディの「ぶりっ子」な表現は的を射ていて楽しい)。

 スーザンの永遠のライバル(なのか?)、イーディ・ブリット。実はもの凄く真っ当な人なのかもしれない、と思い始めた2nd。今シーズンでは「まともなキャラは彼女しか居ない!」と断言できるようになりました(笑)。スーザンに対する仕打ちは多少酷いと思われる節もあるものの、あれだけやられてたら納得できるよな〜とすら思える様になりました。個人攻撃はスーザン一人に向かうその潔さとか(娘や友人達に向かわないのが偉い!!)、やりかたの天晴れさとか。彼女の場合、吹替えの安達忍さんの声が良いんですよね〜。もの凄く色っぽくてキュートなので、聞いてても嫌悪感がないです。

 どうやら第7シーズンまで製作するとの事ですが、最後どうやってまとめるのかそれだけがホント楽しみで仕方ないドラマです。
NHKさん最終シーズンまでの放映よろしくお願いします!
 これも、本国の脚本家協会のストで判らなくなってきました。打ち切りとかの噂も出てるみたいだし...