2010年11月7日日曜日

新スタートレック 第1シーズン Disc2

■Disc2

「謎の宇宙生命体」The Last Outpost

 中国式知恵の輪に翻弄(違)されるデータ君が、無駄に可愛い会議場面が秀逸なエピソード。ホント知恵の輪が外れないアンドロイドを、温かく面白そうに見守る幹部蓮の姿にはちょっと脱力します。これで良いのかエンタープライズ?!と。

 とは言え、24世紀にまで孔子って残ってる事には嬉しい驚きがあったり。まぁ製作された当時「東洋思想」が流行ってたんでしょうね。

 フェレンギってこれが初登場なんですよね。それを知った時はちょっと吃驚でした。

 疑問なのは、フェイザーが使えなくて、何故フェレンギの電気鞭が使えるのか。初期は色々設定に穴があるから仕方ないんだけど、気にはなりました。

 


「宇宙の果てから来た男」Where No One Has Gone Before

 地味だけど好きなエピソードです。

 思考の力によって、空間と時間を超える事ができる。SFらしいネタを、短い時間で上手く見せてくれてる気がします。また、時間・思考・空間について、見てる方に考えさせてくれるエピソードの一つでもある気がします。ある意味『TNG』らしさが垣間見える初期エピソードかも。

 ただ、解決方法は初期らしくかなり「いい加減」なのが惜しい。後半だともっと違う解決方法を見つけて、処理した気がしなくも無いです。

 このエピソードでウェスリーがブリッジで作業する正当性ができ、後半シリーズへの伏線も張られたという感じかな。ウェスに少尉見習を与える時の、艦長と副長の会話がツボです(笑)


「姿なき宇宙人」Lonely Among Us

 このエピソードがあってこその、シャーロック・ホームズ by データ君なのね(笑)。

 データ君の前で彼の好奇心を刺激する様な発言は慎む様に。特にエンタープライズ幹部連。な通達が宇宙艦隊本部から出されるべきだと思います。とは言え、まさか艦長と副長の雑談にあそこまで反応するとは、誰もが予想外だったはず。

 パイプ片手にホームズになりきって「推理」を披露するデータ君とか、艦長にちょっと渋い顔をされて慌てて通常モードに戻る姿とか、データ君の魅力一杯。渋い顔をする艦長も大変素敵なんですが、ここはもうデータ君の独断場ですよ!

 データ君はホント可愛いよっ!!何をやらかしても可愛いよ!!と視聴者に思わせる魅力が、データ君にはあります。そういうデータ君を演じてる、ブレントの上手さに脱帽です。

 

 辛うじて本筋の感想と言えば、今後も頻発する艦長拉致の初回。艦内で異星人同士の殺傷事件があったりと、この艦のセキュリティは一体どうなってるんだろうか、と不安がよぎります。

 艦長の演説も見事と言えば見事で、パトリック・スチュアート氏の美声と演技力でうっかり騙されそうになりますが、あの演説は詭弁じゃないのか?と思ったり。相変わらず解決方法には疑問がありますが、1stシーズンだから仕方ないのかと諦めます。



「神からの警告」Justice

 「正義」とは何がテーマ。第2シーズン以降の『TNG』だったら、もう少し掘り下げただろうなと思われるエピソードでした。

 異なる文化を持つ国、民族と付合う時に、艦長の様な考え方は必要だと考えます。法と正義は唯一のものでなく、文化で違うことは当然である。その違いについてどのように理解して、それを踏まえて相手文化で罪を犯した場合どこまで譲歩するのか。

 艦長の説得(演説)にはそういった意味が含まれたのだと理解します。ただこのエピソードでは、掘り下げが足りなかったせいか、宇宙艦隊=艦長が強引に艦隊の理屈を押し通した感じがしたのが残念でした。

 とは言え、この頃からその後『TNG』が追うテーマが見え隠れするのが興味深いです。