2005年7月28日木曜日

夏の読書感想文 「もしも月がなかったら」

 通勤時に携帯する本(=読む本)が尽き、毎夜毎夜本棚を漁っては読むホンを見繕ってたこの2ヶ月近く(お陰で京極堂シリーズ 4周目に突入しました^^;;)。
 で、時間にゆとりが出来たので、読んでみたいけれど・・・どうしようかな〜ってな本を図書館で借りる事にしました。

 以下、そんな本の感想とういか雑感です。

「もしも月がなかったら」
ニール・F・カミンズ(著)、増田まもる(翻訳)
 三菱パビリオン@愛・地球博の基礎本。
 パビリオンで抱いた数々疑問が綺麗に氷解しました。

 私がパビリオンの映像を見ながら抱いた疑問は、「なんで月が無いのに生命が誕生してるんだろう?」とか「月が無いのに何で地球と同じ進化を辿ってるんだろう??」といったものでした。それが、本書ではきちんと説明がなされてる。その1点だけも読んで良かったと思えた本です。

 本書の基本は「『今』の地球と『もしも月が無い』場合(他10例)とを比較して、月や太陽等と地球との関係を分かり易く説明する」でした。確かに、「仮定」を積み重ねて論じるのなら、私達が知ってる(居る)地球を基に比較した方がより分かり易く、月や太陽等との関係(からの影響)も理解しやすくなる。
 なので、必ず章の頭に「月が地球に無いと仮定する以外は、今の地球と同じ条件とする」ときちんと書かれています。勿論何故そういった条件を与えるのかも、詳しく書かれているので違和感なく「月が地球に無い場合」や「月が地球に近い場合」他8例の世界を想像することができました。

 そして、各章で必ず条件及び「地球と惑星との関係(影響)」について説明がなされてるのが、久し振りにこういった「宇宙関係」の本に触れる私にとってはホント有難かったです(^^;;

 一言で「仮定」と言いますが、その「仮定」を与えるための条件設定もかなり詳細且つ綿密で、複雑かつ微妙かつシンプルな関係で成り立ってる宇宙の素晴らしさや美しさをも感じました。
 何より数式や専門用語が殆ど出てこない為、文系一筋(って)の私にも充分理解できました。

 三菱パビリオンは説明不足だったと改めて感じました。時間が限られてるのは充分わかりますが、せめて「比較のために敢えて条件を同じにしてる」位の説明はあるべきだったんじゃないかと思いますです(しつこいですか。そうですか^^;;)