2012年12月2日日曜日

『別冊映画秘宝シャーロック・ホームズ映像読本』雑感

某所にて12/2公開、12/31転記
 読書メーターに書いた感想だけじゃ、当然全然物足りない滾った何かをこちらに残します(笑)。全然関係ないのですが、某所の日記機能ってこういう滾る何かを残すための場所じゃないのかも…と漸く気づきました(笑)。とは言え、私の「日常」はこうなのでこれも日記の一つと割り切りたいと思います。

 『別冊映画秘宝シャーロック・ホームズ映像読本』 (洋泉社MOOK)の発売日当日朝、いつもの書店に立ち寄り書棚を探したものの見つからず、店員さんに密林さんのデータを見てもらって確認してもらいました。が、その書店では未入荷とのことだったので、もう1店の開店時間を待つことに。書店の開店時間を覚えてる辺、どんだけ書店好きよ?!と思わなくもないんですが…。余談ですが、数年前相方に京都駅周辺の書店を聞かれ、数店舗の場所とおおよその大きさ、特徴(品揃え)を淀みなく答えて驚かれた事があります。他のお店覚えないくせに、書店だけは網羅してるのか…と突っ込みも入りましたが(^^;;。
 話を戻して、2店目は開店と同時に入って店員さん捕まえて問い合わせたところ、どうやら1冊入荷且つ未開梱だったらしく、バックヤードから持ってきてその場で開梱という面倒くさい作業を…。朝一から申し訳ないとしか言えない状況でした。ホントに萌えの為にごめんなさい(>_<)

 内容についてです。
 読書メーターにも書きましたが、『SHERLOCK』と『GRANADA版』ファンの方には非常に嬉しい、楽しいムックなのじゃないかというのがざっくりした印象です。どちらも既出な情報なのかもしれませんが、資料として使えるように配慮されてるせいか初出などの細かい情報が丁寧に押さえられてます。なので、これはいつの!?とかどのタイミングの??と立ち止まることなく、時系列を追えるようになってる感じでした。
 勿論この2作以外の映像化作品の記述もあります。が、やはりこの2作とは費やされてるページ数が全然違うので、そちらを期待されてる方には肩透かし感があるかもです。特に、ガイ・リッチー版は思ったより紙幅が少なかったかなぁ。かと言って、物足りない感じもなく過不足無く押さえてる気はします。

 ちなみに、このムックの編者が私が大好きなBSコラムを書いておられる岸川靖さん。なので、安心安定感が物凄くあります(笑)。ネタバレせずに、それぞれの作品の魅力を語り尽くすという感じの姿勢が見受けられ、非常に気持ちよく最後まで読むことができました。多分、岸川靖さんはミステリーとかSFとかホームズがお好きだから、これだけ細部まで気配りのある丁寧な作りになったんだろうなぁと感じます。
 編集後記を拝読し、Star Trekの話題が出たことに吃驚しました(笑)。岸川さん…なんかすごい楽しい方かもと思った次第です。

 次にメイン特集的な『SHERLOCK』。
 ほぼ半分の紙幅を割いてます。既出のインタビューが多いものの、初出が明記されてるのと訳のせいか違和感なく楽しめました。
 S1のインタビューを読むとS2に繋がる部分が多く見受けられ、製作する際の軸にぶれがないことがよく分かりました。ベネディクトとマーティンの役の捉え方とか、相手の役への視点とか、製作陣が表現したい事とかがホントぶれてないです。特に、ベネディクトとマーティンのインタビューは凄く興味深く読みました。ジョンから見たシャーロック、シャーロックから見たジョンがS2で活きてるってことに驚いたし、それを掬ったであろう製作陣の能力に感嘆するばかりでした。

S2のインタビューでは、更に掘り下げられた感じもあり…。S3がどうなるのか待ち遠しくて仕方ないです!!

 細かい雑感を箇条書きで以下に。
・ベネディクトとマーティン。それぞれの役への考察が異なりつつも、最終的には同じ部分を語ってる辺に役者の凄さを感じました。恐らく、これも「化学反応」と表現される何かの一つなのかもしれません。主演の二人が同じ方向を向いてるからこそ、生まれる関係性なのかもとか。
・ベネディクトのインタビュー。シャーロックへの考察、ジョンとの関係、原作と製作陣、既存作品に対する尊敬等の言及が予想以上に深くて、とても興味深かったです。
・マーティンのインタビュー。ベネディクトとは異なった深さを感じました。特にジョンの分析は非常に面白くて、これを読んだ後見直すと「なるほど」と思う箇所が多々あったのが、もう…泥沼(笑)
・ガイ・リッチー版について、スチームパンクと書いてあって納得。たしか、ミステリー系の雑誌にもそういったこと書いてあったよなぁと思い出したり(その時は、スチームパンクについての内容でしたが)。
・『Elementary』への言及は、配慮されてる感じでした。多分、そのうち日本で放映されるんじゃなかろうかと。放映されたら見るつもりにはしてます。
・ロシア版は機会があれば一度是非観てみたいなぁ(^^)

・マーティンのインタビューでツボったのは内容ではなく、
前略(ベネディクト・カンバーバッチのことを、フリーマンは愛称のベンで呼ぶ)。後略 (P55)
な注釈めいた部分でした。いや、わざわざ記載する内容じゃないよね、それって!と。それとも、大事なことなのか…とウロウロさせていただきました。ありがとうございます(笑)
・その次にツボって、どうした編者?!とビビったのが、GRANADA版のキャラクターファイル、ハドソン夫人の項。
ヒロインはワトソンだという説もある。(P144)
な一文をハドソン夫人の項に記載する意味はどこに!?と受けました。ホントにありがとうございます。いや、確かにその一文を否定はしない…しないけど、こういう資料的なムックでそれをわざわざ書かなきゃいけないってこともないよね…と。なんか界隈の凄さを思い知らされた次第です。 
・実は一番驚いたのが、最後の「総論 ホームズ映像化の魅力」に載ってるTNGの写真でした。見た瞬間、なんでデータ君がいるの??なんで艦長が載ってるの??と意味がわかなくなりました。だって、まさかTNGの1エピでしかない"Elementary, Dear Date"がお薦めされるとは思ってないじゃないですか。だから、気づくまでに凄く時間が掛かりました。と言いつつ、あのエピソードは大好きなので嬉しかったんですけどね☆
・編集後記にStar Trekが出てきて吃驚(笑)
・ジェレミー・ブレットの葬儀でワトソン役だったエドワード・ワーウィックさんが弔辞を読まれたとの記述を読み、ホームズ&ワトソンを演ずる方たちの絆に思いを馳せたりしました。RDJとジュード・ロウ、ベネディクトとマーティンの仲良しぶりとかを見るにつけ、ホームズ物にはそういう見えない、自然な形での関係性が大切なのかもしれないとか改めて思ったりしました。