2010年2月3日水曜日

読書メーター1月まとめ。

読書メーターを開始して早1年。
やっと、まとめをここに貼りつける気になりました(笑)。
ただ、そのまま貼り付けるのも芸が無いので、字数制限で書けなかったり、一応公の場所なので表現を曖昧にしたり、避けた感想等を追記したいと思いますm(__)m


1月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2801ページ

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)
映画化で興味を持ち読んでみました。もっと教養書的なのかなぁと思いきや、かなり楽しく読めました。江戸時代の階級論や経済論としても目から鱗な事が多かったです。しかし、猪山さん家が借金整理を覚悟してくれたお陰で、こんな詳細で愉快な史料が生まれるとは!歴史の面白さを再認識しました。猪山家の人々の動静に何かと笑いが零れるのは、筆者の視線が柔らかく真摯だからだろうなぁと思います。どんな映画になるのか楽しみです。
【新書で『萌え』られるとは予想外でした!!直之の生真面目さからでる行動が、無駄に可愛いんですよね。教育パパな直之の姿も非常に笑を誘われたりしますし。算盤の珠が飛ぶほど息子&孫を叩くってどんだけ?!と突っ込ませてもらいました。堺雅人=直之ってホント美味しいキャスティングだのぅとか、仲間由紀恵=お駒って山田@トリック要素だよなぁと、冬の映画が非常に楽しみになってます。
 真面目な感想としは、下級士族にとっての維新とは自らの生活と尊厳に大きな影響を及ぼし、二極化して行った事に驚きました。いつも時代も下が苦労するんだよなぁと遠い目をしたりです。】
読了日:01月31日 著者:磯田 道史

密やかな教育―“やおい・ボーイズラブ”前史密やかな教育―“やおい・ボーイズラブ”前史
時代を作った人たちのインタビューが大変興味深かった。JUNEの世界がいろんな文化を内包し、昇華して生まれたという事に驚きを感じ得ませんでした。ここを揺り篭としていろんな才能が生まれたんだよなぁと思うと、感慨深いです。JIN創刊の執筆者にいしいひさいち氏がいた事には、もうなんというか(笑)
【BL・やおいとJUNEは一線を画する、というのがよくわかる一冊です。JUNEにどっぷりと漬かっては居ませんでしが、言及されてる作品は見聞きしてたので、非常に面白く読みました。特にカセットドラマの記念すべき一本目が「鼓ヶ淵」だったというのには、ホント驚きましたよ…。てことは、先輩達は貴重な品を後輩に回してたって訳かい?!あの三ツ矢さんと鈴置さんは良かったよなぁとか、なんとも言えない気持ちになりました(笑)。勿論、「間の楔」(←これが変換候補にあるGoogle日本語入力って一体_;;)も聴きましたよ〜。塩沢さんと関さんの艶っぽさは絶品だと、先輩友人と語らったものです。こうやって、教育されていくんですね】
読了日:01月31日 著者:石田 美紀

追想五断章追想五断章
グイグイと読み手を導いてくれる一冊でした。読後は、米沢穂信は相川らず「巧い」よなぁと溜息が出ました。恐らく、登場人物とほぼ同年な私としては、時代の閉塞感や先行が見えない不安感などが染入るように感じられました。相変わらず、遅効性の毒が仕込まれておりなんとも不思議な読後感を残す一冊でもありました。ミステリーとしても、完成度は高いんじゃないでしょうか?
【この人特有の乾いた文と仕込まれた毒は、中毒になります。この本も決して気持ちの良い終わり方ではないのに、あっさりした静謐感のある読後でした。ただ、この方の作品は、気を抜くと何気ないところで淵から落ちそう(落とされ)そうな感じがします。そろそろ「冬季限定」出してくれないかなぁ】
読了日:01月28日 著者:米澤 穂信


シアター! (メディアワークス文庫)シアター! (メディアワークス文庫)
人物造形とリアル感、テンポは相変わらず巧いなぁ。ただ、これまでの作品のように「痛さ」をあまり感じなかったのは、「消費」する側だからかもしれません。「創る人」とそうでない人の埋められない溝を、きちんと描いたのは流石有川な感じもするし...評価が難しいなぁ。あと、遅筆で主宰の代名詞は確かに井上Hさんなんですが、年代的に考えたらM谷K喜さんの方が良かったんじゃないのか?!と小さな疑問を覚えたりです(笑)
【有川にしちゃリサーチ不足??と思う部分が何気にしもあらずでした。お金と劇団の関係はリアルだとは思いましたが、それ以外の周縁部分について、もっと他の劇団も調べたら良かったんじゃないのかぁと。まぁ版元の戦略としては続編を出すだろうはずなので、続編を待って最終評価とした方がいいんだろうなという感じです。演劇関連の小説は、恩田陸の方が臨場感があるし楽しませてくれる気がします。】
読了日:01月25日 著者:有川 浩

星間商事株式会社社史編纂室星間商事株式会社社史編纂室
う~ん...挿入されるBL小説や似非時代小説の方が、本編より面白いってどいうこと!?な一冊。この設定で他の作家さんが書いてたら、もしかしたら違った面白さがあったのかもしれない...とすら思います。本編が正直中途半端でご都合主義な気がしてなりません。この方のエッセイは絶品なのになぁ....
【どうやら三浦しをん氏の小説とは相性が宜しくないようです^^;;。上記でも触れてますが挿入されるBLが非常に面白くて、こっちをメインに読みたいと思ったんですよね。本編は、ご都合主義や脇の甘さが目についてしまい乗り切れませんでした。正直なところ、この方の作品はエッセイだけで良いやと割り切れたのが唯一の収穫でした。】
読了日:01月19日 著者:三浦しをん

我が妻との闘争 極限亭主の末路編我が妻との闘争 極限亭主の末路編
寝る前にボチボチ読むには最適ですね☆嫁ちゃん頑張れ!!と読む度に応援してます(笑)
【どうも呉さんとうちの相方の言動が重なります(笑)林檎信者さんってこういう方多いんだらうねぇと生温く見守ってますが、呉さんがうちの相方なら速攻別れてます!嫁ちゃんホント偉いわぁ】
読了日:01月16日 著者:呉 エイジ

“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)
ぼちぼちペースで再読。世界には読まなきゃな「物語」がたくさん溢れてる事を感じさせられました。
【「ムギと王さま」は近いうちに絶対読もうと決意を新たにしております。「赤い蝋燭と人魚」はいわさきちひろの挿絵版を探して買おう!と勢いだけはあります。そんな風に扉を少しずつ開いてくれる、遠子先輩に感謝です。】
読了日:01月14日 著者:野村 美月

“文学少女”見習いの、傷心。 (ファミ通文庫) (ファミ通文庫 の 2-8-2)“文学少女”見習いの、傷心。 (ファミ通文庫) (ファミ通文庫 の 2-8-2)
本編と重ねて読むと、更に味わい深くなる一冊。菜乃が読み想像する「物語」と、心葉が作家の目で見て紡ぎだす「物語」。二つは遠いようでいて近いところにあるのかも知れない、と思います。この二人が創る「物語」は、不完全な二人だからこそのものであると感じたり。けど、最後の一文で「卒業」まで待たされるのは、ある意味拷問かも(笑)
【「みずうみ」で氷室冴子を思い出し、中学時代に一度だけ読んだっきりのこの作品を再読しなきゃいけないなと。本編は、菜乃と瞳ちゃんとの間に何が有って無かったのか、菜乃は何故あそこまで「無邪気」なのか等グルグルしてしまいました。一瞬、菜乃と千愛ちゃんが表裏に思えてしまったり、作者の罠にはまってる感じです。そういう嵌められ方は嫌いじゃないというか、むしろ好物なんで大変楽しませてもらいました。相方先輩さんに返す前に再読します。】
読了日:01月09日 著者:野村美月

“文学少女”見習いの、初戀。 (ファミ通文庫)“文学少女”見習いの、初戀。 (ファミ通文庫)
相方先輩さんからお借りして、ゆっくり再読。少し成長した心葉と、どこか遠子を思い出させる菜乃。心葉の揺れを思うと切ないやら微笑ましいやらな一冊でした。そして、「見習」な菜乃が背伸びしつつ追いかけていく姿に心打たれました。
読了日:01月04日 著者:野村 美月
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