2007年7月30日月曜日

『マリア様がみてる』

 昨秋時点で、『マリア様がみてる』シリーズ(以下『マリみて』)の『大きな扉 小さな鍵』まで読了しました(今更な感が無きにしもあらず)。
 第1巻『マリア様がみてる』を認識したのは、恐らく『黄薔薇革命』が発売された頃だと思います。昔からの習性でコバルト文庫の動向を気にしていた際に、何となく気になりました。で、幾度か手に取り立読みを試みてましたが、諸事情で読了できておりませんでした。そうこうしている内にコバルト文庫の人気シリーズのお約束で、ドンドン最新作が発刊されてしまい立読みでは対応しきれなくなりました。
 しかも、当時はコバルト文庫がボーイズラブにまで手を広げていた時期で、どうにもあの界隈に足を運び難くなり...(30歳前後の女が長居できる場所じゃ無くなった^^;;)。

 ところが一昨年秋、偶々いつも利用している図書館で『マリみて』を見つけてしまい、その後発刊順序も関係なく借りれる分だけ借りてきて、他館からの取り寄せ予約までしました。流石に、この齢でこの表紙・挿絵の本を読むのはどうよ、と躊躇いを抱きながらでしたが。
 その反面、10年ぶりのコバルト文庫か~(最後に買ったコバルトは、恐らく前田珠子の『聖獣覚醒秘譚〈第2部〉深き闇の檻』だった)とかなり懐かしさを感じてたのも正直なところ。

 そんな「コバルトと私」的な事はここまでにして(気が向いたら書いてみたいネタ^^;;)、『マリみて』です。
 第一印象は、流石コバルト文庫!。読みやすく、敷居を低く見せながらも、作品として押さえる部分はきちんと押さえてるわ、と「コバルト」の作家育成の底力を改めて認識、感嘆させていただきました。しかも、今野緒雪さんの文章が意外に良く、これは拾い物だわと思いつつ、楽しみながらサクサク読めました(事実、1冊2時間程度で読めます)。
 そして、時折「はっ」とするような台詞や美しい描写や表現があるのも、幸せ度を高めてくれました。

 シリーズとしては、現「薔薇様」が「薔薇の蕾」だった頃が好き。シリーズ初期という事で文章に勢いや緊張感があったり、作品ごとに色合いを変えてるような雰囲気も良し。何より、蓉子・江里子・聖の三薔薇様の存在が圧倒的に素敵なんですもの(笑)。
 特に『マリア様がみてる』から『パラソルをさして』までの流れは、シリーズとしては非常に綺麗に流れてるし、個々の作品としてもきちんと練られて作られてるし、個々のエピソードも過不足無く巧くはめてるなと思うんです。が、それ以降はどうも停滞してる感が強くて、どうも「弱い」感じがしてしまいます(が、『未来の白地図』&『くもりガラスの向こう』は久しぶりに物語が動いた感じがあったかも。とは言え、現蕾の妹選びをどこまで引っ張る?!な印象は拭い去れず^^;;)。

 また、ここまでの道は平坦だったわりに長かった(笑)。
 8割方図書館にお世話になったんですが、『レイニーブルー』と『パラソルをさして』が何故か閉架図書扱いだったり、最新刊の予約者数が多すぎたのとで、この3冊に関しては図書館利用を諦めました。で、大変申し訳ないとは思いつつ、ご近所の書店で立読みさせていただきました(某書店の皆様、ごめんなさい)。
 *余談ですが、最近大きな書店でライトノベル系がビニールコーティングされているのを見て、世知辛い世の中になったもんだと思っていたんですが、実際こうやって立読みだけで終わってしまうと、当然の対応だよなとしみじみいたしました(本当に反省しているのか>自分)。

 ここまで付き合ったので(付き合った内に入るのか?!)、最終巻までお付き合いしたいと思っております。

 現紅薔薇の蕾の妹って、瞳子に決まりですよね???ココまで引っ張っておいて「新キャラ」登場ってのは無しですよね??
 (つうか、このシリーズもしかしたら現紅薔薇蕾の卒業迄続くんだろうか???そうなったらそれで壮大だと思います^^;;)。


 各登場人物に関してですが、読みながら氷室冴子先生の『クララ白書』シリーズの登場人物に重ねてしまっておりました(苦笑)。
 前紅薔薇(蓉子)=きらめきの虹子女史
 前黄薔薇(江里子)=清らかな椿姫たる白路さん
 前白薔薇(聖)=強いて言うなら朝衣かな??
 現紅薔薇(祥子)=奇跡の高木さん
 現黄薔薇(令)=エースアタッカーの布引さんか、憧れの丸井さん(って端役ばっかだな/苦笑)
 現白薔薇(志摩子)=氷室キャラには居ないタイプです(笑)
 現紅薔薇蕾(裕巳)=しーの
 現黄薔薇蕾(由乃)=鉈振りのマッキー(笑)
 現白薔薇蕾(野梨子)=三巻女史かなぁ(生意気な後輩って考えれば、律子かもしれない...)
 現紅薔薇蕾の蕾候補(瞳子)=夢見しかありえないっ(笑)

 紅薔薇さん一家(候補者含)の関係は、完全にしーのを中心にした先輩後輩の関係とシンクロしてます。
 高木さんに憧れてお近づきになって舞い上がるしーの→祥子と裕巳。
 しーのが好きで好きででも反発したおす夢見→裕巳と瞳子
 (同学年なのに)高木さんを掌で転がす虹子女史→蓉子→祥子
ね?!