2004年6月28日月曜日

新選組!【新選組誕生】 感想

 もっと「綺麗に」暗殺をするのかと思いきや、予想外に泥臭い回でした。他には、沖田・近藤・左之・源さんが静かに変化を見せた回。あぁ、未だに感想がまとまらないです。

 先ずは、芹沢暗殺に関して。
 史実がどうであったかは、全く門外漢なので触れません。けれど、史実で言われている様な寝入っている所に踏み込んで闇討ちよりかは、今回のドラマのように芹沢が覚悟を決めて最後まで刀を離さず、沖田の眼を見据えながら死んでいく。残された方にとっては、その方がより凄惨だと感じます。

 近藤に「鬼になって俺を喰っちまいな」と言った芹沢。
 居酒屋や嵐山でのお梅「言葉」に救われたんだな…と。だからこそ、運命を受け入れることができた。もしかしたら、近藤の躊躇いは芹沢がかつて歩んだ道なのかもしれない。そして、その躊躇いや怖さは誰かを「喰う」ことで乗り越えたのかもしれない。だから、因果応報として、今度は自分が喰われる番だと受け入れた。近藤は己を喰ってこそ「生きれる・変化する」存在だと認めた上で。
 喰う方にしてみれば、相手の覚悟や「生」(あったはずの未来)に責任を負わなくてはならない。その覚悟なり自信なりを漸く(長かった・・・)近藤に芽生えさせたのが、芹沢の言葉や佇まいだったんでしょう。

 次に沖田。
 この回は、沖田の「親殺し(=子の成長)」が影のテーマだったのか??と訝んでしまいました。芹沢のみならずお梅まで、沖田の刀で亡くなっていく。しかし、編集の所為か沖田が覚悟を決めていく動機が、今一つ見えなかったのが本当に悔しいです(必要な台詞切り過ぎNHK/泣)。藤原君の演技で随分救われてましたが。

 お梅の嵐山での場面。
 最後の最後で、安住の地を見つられた者の安堵感が漂っていて美しかったです。そして、沖田の刀で自刃した時の表情は、「救ってあげたい」と言った子が本当の「救い手となった」男を殺し、まだ己を「救える」と思っている子に対する憐れみ、理解してもらえなかった悲しみや憎しみが綯交ぜだったように感じます。

 あまりにも纏まらないので(いつも以上に)、箇条書きで。
・暗殺集団4人組は、意思疎通できてるのか出来てないのか今一つ謎でした。
 特に野口を逃がしたのは、山南さんの一存じゃないかと思うんです。
・山南さんの異質感が際立ってましたね。土方・左之は手向かうものは全て殺さなくてはならない思ってるのに対し、山南はそこまで非情になれない。殺すことに躊躇いを感じ、己を危険にさらしてしまう「弱さ」が初めて発露したような(沖田は対芹沢のみなんで除外)。
 それと、周囲の人間との温度差も明確になってましたね。特に左之が留めを刺した時の、山南さんの戸惑いの表情が、戻れない道に入ってしまった諦めや違和感を感じてしまったように思えて。
・左之。初めて格好良いと思いましたよ〜
 山南・土方より修羅場潜ってきてるんだろうな、と感じさせる眼光、台詞(「戦じゃ躊躇ったら殺されるんだよ。せ ん せ い」なんて、あの左之が言うなんて!!)。留めをさすときの冷酷な表情。只の大飯くらいじゃなかったんですね(ヲイ)
・しかし、山南さんの殺陣は美しいかった☆
・平助が一番辛かったろうな…始まった直後に聞いて、野口を説得して(自分も納得できてなかった筈なのに)本当に良い子です。
・源さんすらも追い込まれてたのは、近藤の腑抜けが原因だと思ってます。近藤がもっとちゃんんとしてくれればっ。

 半年間、長々と浪士組編続けてきてた結果がこれだと思うと、納得してます(いままでの細かい場面が活きてきてるとも思います。平助と野口の関係も違和感無かったし)。
これまでは決して無駄じゃなかったし、間違ってなかったよ三谷さん、と言いたいです(迷惑でしょうが)