2004年6月21日月曜日

新選組!【避けては通れない道】感想

BS-hiと総合見終わって、一段落つきました。
BS-hi終了後は魂抜かれまくり、総合終了後は「なにすんねん、三谷(敬称略ですみません)...」と気力失っておりました。

ほんま、何つう回や...


あらすじを纏める能力も気力も無いので、感想のみで(無駄に長文)。

一言で書くと、見えないひび割れが入り始めた ってところでしょうか。
見終わった瞬間、本人らが気づかないうちにひび入ってるし、溝広がりつつあるよ。と感じたんです。

それを一番感じたのが、土方・山南の副長’sでした。
芹沢派排斥に関しては、表向きは副長’sと局長の溝なんでしょうが、実際の所副長’sの違和感の方が大きいのかと。
元来、土方・山南は組織の作り方・在り方のみならず、近藤へ求める資質といった根本が、全く違うんじゃないかと(それは、彼らの身分からくる違いのような)。芹沢という当面の敵に対してのみ、利害と手段が一致しただけに見えます(もしかしたら、組織生成の初期段階の構想も一緒なのかも)。
けれど、土方は結果に向かって邁進できる資質があるけれど、山南はそうではない。山南は教養や出自が邪魔をして、迷い・疑問・矛盾を抱えてしまう。そこに土方は気付いてはいるけど、その本質が見えず違和感を感じてる。山南は土方との間ある違和感に気づき、己の矛盾も理解してる。しかし、土方と共に進まざるを得ない状況まで、自らを追い込んだ。だから、今の調和(同調路線)そのものが破綻の前兆だと感じるんではないかと。

また、山南の今後の枷になっていくのが、自らが編んだ(訳では無いでしょうが、積極的に関わった筈)法度の根本である「士道」ではないかと。今回、新見を陥れた事は「士道」(言い換えれば彼の美意識)と相容れない。けれど、新見を切腹に追い込んだのも事実。しかも、一番自分に近い(考え方・見方・身分)新見から、「(法度に)足下を掬われるな」や「先に待ってる」と言われれば、自然と己の末路を考えざるを得ない状況に追い込まれたのでなかいかと思います。だからこそ、土方が「何て顔してるんだい」言った時に「何でもない」と即答できなかったのかなと。
今後、この溝やひびがどう関係性に影響を与え(特に山南の位置取りに変化を与えるのか)、山南切腹まで描かれるのか非常に興味深いです。

さて。次は沖田・平助の子犬っころコンビ(笑)
今までの平助は、「沖田さんて凄いですね〜」と言えちゃうくらい普通に傍ら居てくれる存在として、好感情しか持って無かったと思うんです。が、芹沢にべったりで「堕ちていく」沖田を見て、初めて嫌悪感や嫉妬を覚えたんじゃないかと。
沖田が殴られて、ひでが介抱に走っていった場面。ちょっと前の平助だったら、ひでより先に沖田へ駆け寄ったんじゃないのかと。なのに、全く動かず沖田とひでを何とも言えない表情で眺めてるだけの平助。沖田はきっと平助の変化に気づかないけど、平助は変化を自覚した筈。平助が袂を分かつまで随分先ですが、これからこの二人は以前のようにじゃれ合う事はないんだろうな、と寂しく思いました。

で、沖田・芹沢・お梅の疑似家族。
まず、芹沢は足下がどんどん崩れていくのにどうにも出来ない己への苛立ちを、同人種で理解者であろうお梅で癒されようとしてる。が、お梅は芹沢を理解しようともしてない上、己の傷を芹沢という「力」を使って癒そうとしてる。
そういう二人の弱さや狡さに惹かれつつも、自らが「救い手」になれるかもと淡い期待を抱いてる沖田。実際、あの二人は沖田を間に挟んで精神的なバランスを保っていたのかと思ったのが、焼き芋と見せ物見物の場面。いかにも「親子」な雰囲気を醸し出して、沖田も庇護されるべき存在として生き生きしてるし、鴨・梅は庇護すべき存在が傍にあるが故の安定感を感じました。
けど、結局疑似は疑似でしか無く、沖田のお梅への思慕が三人の微妙なバランスを崩したように思います。芹沢は新見だけでなく、お梅と沖田にまで裏切られたと悟ったんでしょうね。だからこそ、沖田を殴りその後お梅を抱くことで自分の優位(精一杯の虚勢)を示した。
これが、来週の芹沢暗殺にどう絡むのか。沖田はどう折り合いを付けるのか非常に楽しみです。

最後に。近藤・坂本の宴会組。
此処まで引っ張ったこの二人の関係も、漸く終わるのかと安心しました(笑)
(何処まで引っ張るねん。三谷と思ってたんで)
坂本から「土佐藩もか」と言わしたのは、正解だったと。
あれで、近藤が初めて坂本を「敵」として見なす事ができる膳立てが整った様に感じます。あの宴会は、二人にとって最後の「友人同士の宴」なんでしょう。坂本のあの明るさはそういった事も飲み込んでるからこそ、出来るものなんでしょうね。
近藤は坂本の間に遙かな差がある事は分かっても、埋めることはできない。坂本は坂本でその差にすら気づかない振りをする。これって、ある意味残酷なんですよね(苦笑)
溝を埋めようと必死になる者と、溝に気づいても興味も影響も無いから無い振りをしちゃう者の差って、結局出来ない者と出来る者の差なんですよね。。。

今回の話は、ドラマとしての変化点だったと思います。
副長’sや子犬っころコンビの関係性の変化は、今後の展開に必然でしょうし。
近藤や組織としての変化点は、来週の芹沢暗殺だろうと思いますが、1年間の流れを考えたらこの話が大きな区切りとなってるんじゃ無いかと思います(伏線だらけだったし)。

と、まじめな感想は此処までにして、以下に邪な感想をば箇条書きで(まだ書くか;;)

・局長抜きで、広沢様にご謁見とは出世しましたね〜副長’s(違)
・腹黒な副長’s いつの間にか主導権を山南さんが握ってるのは何故?しかも密談の場所例のお汁粉ややないし。
・土方さんって山南@腹黒verにちょっと引いてませんでした?
・斉藤さんの説得方法って、それしかネタ無いのか?他にもあるやろ。小六の件とかほれ。あんまりそればっかり使うと、だんだん薄れてくる様に思うんですが。
・策略を練って、笑顔で方便を言う山南さんに、画面の前でくらくらです。
・山南さんの解りやすい嘘にころっと騙される、永倉さんって年相応ですな。
・近藤さんはホントに往生際が悪いですね(呆)そろそろ本気で腹括って貰わないと。山南さんの為にも(えっ)
・源さんは毎回、役立たずな近藤さんのお守りお疲れ様ですm(__)mしかも、糠に釘な説教までして下さって。あの台詞は、対象が違ったらもっと源さん報われたかもしれない、と本気で思いました。が、立ち居振る舞い等本気で格好良いです。しかし、不良息子達をもった苦労性な父親状態ですね(不憫)
・一番のメインの新見切腹!!ですが 相島さん!ホント格好良かったです(;。;)あんなに太々しい切腹の仕方するとは思わんかった。最期まで得体の知れないキャラ造りでしたね。しかし、山南さん(及び全国のヤマナラー)に精神的な一撃をくらわしたのは、新見さんが最初かと思うんですが、違う?
・おまさちゃん・捨助と亀のお陰でちょっとだけ和みました。あのキャラに救われるとは予想外でした。特に亀の「しゃべらんけんね」には「子供の喧嘩かいっ」と近藤と共につっこんでました。
・大倉くんじゃない河合君は暗黒土方に引いてましたね〜。あんなにか弱い声の大倉君初めて見ました(笑)
・やっぱり、藤原沖田は巧いです。沖田の不安感とか無くならない無邪気さとか、近藤達への躊躇いとか切なくなる程です。けど、嫌いな人多そうやな。