2004年6月23日水曜日

【トロイ】感想

やっと観てまいりました、話題の『トロイ』。

 男前山盛&ファンタジー系映画嫌いな相方が珍しく「観たい」と言うので、相方の仕事が一段落するのを待っての鑑賞でした。良くも悪くも印象に残らない映画と言おうか、なんと言おうか...。エンドロールが流れる前に、二人して苦笑したのは久し振りでした。大概どちらか片方が気に入るんですが(苦笑)

 私としては、指輪物語役者が大活躍☆とか、トロイとギリシャ王の爺様俳優の美しい&癖のある演技が、それはもう見事だったとかの、ポイントはあったんです。にも関らず、全体の印象としては「・・・」でした。

 箇条書きで色々挙げてみようかと思います。
 
・散漫な印象ですが、確かに大作・娯楽映画としては、良いのかと思ったりします。
・最初と最後で語り手が変わったのに違和感を覚えました。最初の語り(視点)だと、最後はシュリーマンが出てくるんじゃ無いかと思ったんですが、まさかオデッセウス王の述懐で終るとは(苦笑)
・トロイの木馬の出現が、いつかいつか心待ちにしてたのに、あまりにも最後であっさりし過ぎてて拍子抜けです。

・マッチョなタイプが苦手な私にとって、筋骨隆々なブラピ氏はヴィジュアル的に駄目でした(--;;
・ただ、トロイの兄王子(以下兄ちゃん)との戦い〜トロイ王が遺体を引き取るまでの一連の場面に関しては、文句無しで格好良かったです。もしかしたら、ブラピ氏゚って狂気を演じるの巧いんじゃないかと今更ながら(『12モンキーズ』も良かったし)。
・それ以外に関しては、何処を切っても「ブラピ゚」としか言い様が無かったです(相方曰く「アイドル映画」)。

・オーランド・ブルームのヘタレ王子っぷりは見事でした!!役柄聞いたときは、「また男前な王子ですか(やれやれ)」と食傷気味だったんですが、見てる間にそんな事吹っ飛ぶくらい見事な「ヘタレっぷりでした(←誉めてます)。
・特に御前会議(っていうのですか?)で、「僕が戦えばこの戦争は終るんだ」と言い出したときは、そんな状況や無くなってるんやん、空気読んで発言しろ、パリス・・・と思いっきり脱力させられました。
・さらに、スパルタ王との決闘で、見事に腰が引けてる上戦意喪失の早かったこと(笑)。最後は兄ちゃんの足元に縋り付いて、眼の焦点のあってない怯えきった表情をされた時には、誰でも良いからこいつ斬れ!と心から思わせる、彼はある意味凄い役者かも。
・しかし、やはり弓を射るときは「レゴラス」まんまで、笑ってしまいました(ところで、西洋の弓ってあんなに横倒して射るもんなんでしょうか?あれはエルフ流では無かったんですか??)。しかも、百発百中やし・・・
・だったら、初めから「弓」使って戦えよ・・・レゴラス(違)
・あのヘタレっぷりやったら「卑怯者」と思われても、文句ないやろ(酷)

・相方と共通したのは、この映画の主役は兄ちゃんだった事と、女優は要らんかったんじゃ(但し、兄嫁除く)の2点でした。(弟はさっさと誰かが斬るべきだったと言うのも一緒だった/笑)
・特にスパルタ王妃ヘレン・・・もっとこう神々しい雰囲気のある人見つけられんかったんかい?!と製作者側に問い詰めたい気分になりました。トロイ戦争勃発の原因で「傾国の美女」と評されるんだったら、せめて知的且つ優雅な雰囲気醸し出す努力をして欲しかったです。
・画面上にヘタレ王子とヘレンが並ぶと、美男美女と言う前に、「馬鹿ップル(死語)」的雰囲気が強烈過ぎて、悲しくなってきました。

・今回見に行った目的の一つに、ショーン・ビーン(ボロミア)とオーリー(レゴラス)が共演してる場面を見よう、ってのがあったんですが(指輪役者好きです)まったく同じ場面に居らずちょっと泣けました。
 いや良いんですよ、ショーン・ビーンの見せ場多かったし、冷静な役どころだったし、ボロミアが指輪の誘惑に勝ってたらこんな王になってたんだろうな、と思えたんで(役者と役を思い切り混同してます;)。ただ、せめて最後の乱闘場面くらいは、ちょっとだけでも同じ画面に居てもらいたかった(だから映画が違うし)。
・で、更に「X-MEN2」で強烈な悪役だったブライアン氏が出演のなのも楽しみの一つでした。こちらは、予想以上に衣装諸々はまっておられ存在感もあり、大満足でした☆
・この人は何者?と思ったのがトロイ王。ご老年なのに透明な艶、存在感、知性が見えまして。この映画で唯一好きな、トロイ王がアキレウスへ懇願する一連の場面。美しく切なく残酷な、あの場面を支配してたのが、トロイ王。鑑賞後も気になって(エンドロールを見ずに帰ったんで)、公式サイトでピーター・オトゥール氏と判明した途端、納得しました(笑)。何たってアラビアのロレンスですもの、そりゃ当然やわと。
・元来、爺様・親爺俳優好き(一部友人の間では「爺專」と呼ばれてます)んですが、最近本当に色気のある爺様・親爺俳優が大作映画に出て下されるので、嬉しくてなりません。お陰で、古い映画にも興味が湧いてくるので、観るが追いつかない状況になってます(TT)

今回の収穫は、ヘタレなオーリとピーター・
オトゥールル氏と15年近く遠ざかってるギリシャ神話関係を読み直そう!と思い至ったことでした。
これで、相方はまた男前主演・ファンタジー的な映画から遠ざかるんだろうな・・・