2010年7月18日日曜日

2010 ワールドカップ感想

かなり周回遅れな気がしなくも無いんですが、スペインが初優勝した2010 FIFA W杯についての感想を、ちょこちょことまとめてみようかと思います。
感想と言っても、所詮ニワカでド素人。戦術理解もへったくれもないまとめ。ぶっちゃけ「今回私が何をどう楽しんだか」のメモというか、日記です(笑)。

 まず、躍進したと言われる日本代表について。
 このW杯の日本代表に関しては、オシムさん好きな私にとってはとてもとても複雑なモノが有りました。
 監督が岡田さんに替わって以降、オシムさんが築き上げてらっしゃった「フットーボール」がグダグダに崩れて行くかの様が哀しくて。そして、親善試合で見せられる「俺流」と言われる何とも魅力が無く、何が課題なのかすら見えない、課題が見えたとしても次の試合で改善されてないかの様なサッカー。勝てない以上に「負けて得るものが無い」試合に退屈し、興味を失いました。
 そんな調子で迎えたW杯。Best16まで行ったと世間は大騒ぎし、勝てば官軍とばかりに岡田さんや明後日の方向で選手を持ち上げるマスコミ。あぁ日本はまたこれを繰り返すのかと、なんとも情けない気分になりました。えぇぶっちゃけ、世間がヒートアップするのと反比例して思いっき冷めて引いてました。
 確かに、今回の戦績は評価するものだと思います。が、決して中身は誉められたものじゃない筈。対戦相手のコンディション、チーム内の不和、戦略ミスなど実力以外の部分で、見事に運を味方にしただけだと思ってます。確かに、選手達は限られた中で考えて走って耐えて守り攻めた、と評価します。が、岡田監督の功罪(実績)に関してはこの瞬間風速で図るのではなく、彼が前任者より引継いだ2年半を含め総合的に判断すべきなのでは、と思うのです。未だ、各紙に依る「分析」が出てないことには然もありなんと思いつつも、これじゃまた同じことの繰り返しなんじゃないのかと危惧してしまいます。

 そんな風に思いつつも、情緒的な部分では「あぁオシムの爺ちゃんが監督のままだったら!!」と。爺ちゃんの率いた日本代表が見たかったよぅ、どんな風に相手を崩して、攻めて守って、何より選手を生き生きと動かしてくれたんだろう?と思うばかりでした。
 まぁ後述しますが、爺ちゃんには色んな意味で楽しませいただいたので文句はないんですが(笑)。それでも、やっぱりあの南アのスタジアムで指揮する爺ちゃんを見てみたかったと思うのです。

 日本代表については、非常に複雑でした。
 監督とマスコミには嫌悪感すらあるのに、爺ちゃんの薫陶を受けた選手達が頑張ってるし、爺ちゃんはサポーター宣言をしちゃってるし、そんな爺ちゃんに応援して下さいと言われてしまうと...。なんとも今回ばかりは何とも二律背反な状態でした。選手も監督もマスコミも大っ嫌いだった4年前は楽だった(笑)。
 積極的に応援しない私に対して、超ニワカの母に「国賊」呼ばわりされた時は唖然呆然しつつも、マスコミってスゲェよなと妙に実感したりもしました。ホント、TVや週刊誌の威力って凄いですね...。人から思考力なり判断力を簡単に奪ってしまうんですから...。

 と言いつつ、今回はスカパーさんのお世話になったことを明記しておきたいと思います。
 「私と一緒に観ないか」という爺ちゃんの素敵なお誘いに、かなり心動かされ一時は加入する直前でした。が、自宅のTV環境が未だアナログかつブラウン管(TVを全くと言って良い程見ないので地デジにする積極的な理由が無く、壊れなければ来年7月まで使用する予定/笑)な為、泣く泣く見送ったんです。
 
 が、流石スカパー!(何が流石なのかわかりませんが)
 Twitterで「オシムのつぶやき」なるイベントをしてらっしゃたんですよね☆加えてそれに連動して、通訳の千田善さんのブログもほぼ毎日更新しておられてその恩恵に思い切り与りました。爺ちゃんと一緒に観る気分を味わせてもらい、とても楽しいW杯期間を過ごさせていただきました。

 で、そのスカパー呟きと千田さんのブログなんですが、爺ちゃんに対する愛が溢れまくってた気がします。何故って、文字から読み取れる爺ちゃんががヤタラメッタラ可愛い!んですよ(笑)。特筆すべきは「ニヤっ」という表現。あぁあの表情をされたんだぁと解る表現は、愛が無かったら絶対生まれませんって!
 しかも、茶化す所はしっかり茶化してくれるし。オシムの爺ちゃんの素敵さをこれでもかっとばかりに教えてくれた、素晴らしいTwitterだったと思う訳です。
 勿論、オシムさんのフットボールに対する愛とか戦術眼、監督(勝負師)としての本能も詳らかに見せてくださり、やっぱり凄い爺様だよな...と感嘆することも頻りでした。

 けどね、けどね、やっぱり絶対可愛いの(笑)

 何が可愛いって、全方向に皮肉言いまくり(準決勝と決勝戦)とか、リーグで推してたスペインが不甲斐無い戦いをした時の切れ振りとか、何所までも選手をネタに遊んじゃうところとか、監督になってしまってる様とかとか。

 一番笑ったのは、スペインがリーグ2戦目で辛うじて勝った時のコメントです。ニコ動で動画を見たんですが、憤懣やるかたないと言った様子で16分間怒りまくる爺ちゃんに、申し訳ないけれど大笑いさせてもらいました。
 フットボールの未来を真剣に考えてにスペインを推してたのは、事前のインタビューなんかを読んで解ってたんですが、まさかあそこまでとは(笑)。スタジオと千田さんがちょっと(なのか?!)可哀想になりました。が、MCの方は地雷を自ら踏んでた様な気がしなくも無いのが、これまた絶妙な可笑しさでした。
 爺ちゃんはスペインの監督ですかい!?な発言(ロッカーで2・3人蹴飛ばして、翌日の新聞にオシム選手を蹴飛ばすと出るんだ)もかなりツボらせてもらいました。ホントこの爺ちゃんは「監督という生き物」なんだと、実感した瞬間でした。
 と同時に、このタイミングで真剣にスペインを応援する気になりました。だって、あのままリーグ敗退しちゃったりなんかしたら爺ちゃんの健康が心配で心配で。爺ちゃんの健康と長寿の為に頑張れスペイン、爺ちゃんが満足するフットボールをしてくれ!と祈る様な気持ちでした(ホント明後日な方向に行きまくってました)。
 で、最後に喋り(怒り)すぎを反省する爺ちゃんがこれまた可愛い(笑 )。良いもの見せてもらったなぁと(何かが違)とスカパーさんには深く深く感謝する次第です。

 選手ネタについては、
 大久保は小さいからマンマークに二人つく必要は無い(恐らく大久保が前線撹乱させたことを誉めてらっしゃったんだろうと推察)
 川島は相手選手とトゥーリを警戒しなければならないから、大変だ(イングランド戦でのトゥーのオウンゴールを期間中やたら揶揄されてたのが印象深い/笑)
 大久保はオフサイドを知らない、大久保はフットボールがチームプレーだと知っているのか(大久保もかなりネタにされてたような気がします)
 ドイツのエジル選手は、最後までハニューと呼んでみたり(それを受けて羽生選手にコメント取ったスカパーはどうかと/笑)
等々職場の女性と持ち寄っては「可愛いぞ!可愛過ぎるぞ!大久保とトゥーリオは愛され過ぎ」と良いネタでした。

 なんか、どの選手も等しく愛されてるよなぁと微笑ましくなっておりました。けどね、阿部とか遠藤とかはもっと誉めてやって欲しかったよ...頑張ってたもの!

 一番印象深かったのは、千田さんが言葉に詰まった言葉。
 敗退が決まった時のコメントです。なんかもうこの人は、未だに日本代表の監督であり続けて、遥か南アフリカの選手達にとってどんな言葉や視点が必要なのかを考えておられたんだと、ホント嬉しくて悔しくて幸せで哀しくてなりませんでした。
 ハーフタイムのコメントなんか、きっと選手が聞いたら勇気を与えられたで有ろうし、闘う攻める力を鼓舞されたんでは無いかと思いました。えぇきっとこの方がおっしゃるからこそ伝わる「何か」があって、他の監督では駄目なんだろうと思わせられる説得力や静かな闘志なんかがあるんじゃないかと。
 ホント、阿部とか遠藤とか憲剛とかが聞いてたらもっと違ってたんじゃないのかと思わずにいられません。

 また、リーグ突破した瞬間、誰よりも長く拍手されたとの様子を知り、泣けて泣けて仕方なかったんですよ。オシムさんどこまで日本代表(日本のフットボール)を愛してくださってるんだと。

 あと、FIFAに文句というか八つ当たり言いまくってたとか、胸ポケットにレッド&イエローカード常備されてたとか、一観客な発言もあったりとか、お寿司とサンドウィッチを召し上がっておられたとか、そんな細かいお茶目な部分も教えて下さったスカパーに心より感謝です。
 相方に言わせると「ターゲットは何所?」らしいですが、完全に楽しんだ視聴者(なのか?)が確実にここに一人おります!!

 で、スカパーは自らを窮地に追い込んだメディアだったと確信してます(笑)
 本放送は未見なんですが、ゲストがどうやら爺ちゃん縁の人が多かったようで、何かと面白い状況になったらしいと千田さんのブログ経由で楽しく情報入手しておりました。
 中でも、幡戸選手が公開説教くらったとかのネタは、すみません大笑いさせてもらいました。爺ちゃん、公共の電波使って一選手に説教せんでも(笑)。また、くらったほうのブログを読むとどうやら「嬉しかった」そうで(笑)。なんかもう、爺ちゃんの選手掌握術って最強だよなぁと思ったりしました。てか、幡戸選手、一人でオーストリア言って言葉大丈夫なのか?千田さん引っぱり出さなきゃじゃいのか?と邪推したのは内緒です。
 あと、オリベイラ監督との「どっちが長く喋るか対決(by千田さん)」とか、対トルちゃんや対フィンケ監督なんかの通訳無視かも対談とかとか。自ら窮地に落ちてどうする?スカパー!なイベント(違)が目白押しだったようで、未加入だったことを激しく後悔しました。

 スペイン優勝は爺ちゃんの許容範囲ギリギリだった様なので、これでなんとか血圧は大丈夫な筈じゃないかと。まぁいろんなインタビュー読む限り、内容には満足されてないのが丸解りなんですが(笑)。暫く総括的な話題では爺ちゃんのコメントが出るみたいなので、全方位に向けて皮肉と嫌み言いまくりな、そんなコメントを求めて雑誌とWebを暫くウロウロしようかと画策中です。

 あと、マラドーナ!ありがとう!凄く面白かったよ!というので、感想を閉めたいと思います。