2010年4月18日日曜日

10/3月の読書メーター

10/2月分が抜けましたが、10/3月の読書メーター記録を貼りつけます。3月は読んでないつもりで居ましたが、意外と読んでたんだなぁという印象です。

3月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:4908ページ

王妃マリー・アントワネット―青春の光と影王妃マリー・アントワネット―青春の光と影
史料を下敷きにして、少女マンガ的な雰囲気を醸し出してるあたりは、いかにも藤本ひとみだなぁという一冊でした。数多あるマリー・アントワネット本の入門書としては良いかもしれません。【藤本ひとみの歴史物は、細部が甘い気がしてしかたないです^^;;。これもやっぱり細部が甘かったり、登場人物が今風だったりと欠点が目につくかなぁと】読了日:03月31日 著者:藤本 ひとみ

ジェイン・エア(下) (光文社古典新訳文庫)ジェイン・エア(下) (光文社古典新訳文庫)
「少女」の時に出会いたかったと強く思いました。秀逸で美しく清廉な物語ではありましたが、私にとっては物語の根幹でもある「キリスト教」的な部分が少し辛かった気がします。とは言え、ジェインやロチェスター氏の人物描写や心理描写は素晴らしく、豊かな「物語」でした。セント=ジョン氏は今で言うモラハラだよなぁとか、余計な事を思ったのは年をとったせいかなぁ(苦笑)
【ジェインの考え方は、もう少し若ければ影響を受けた筈。それだけ強烈に清冽で美しく魅力的です。が、今の私には「キリスト教的清冽さ」がしんどくて、読み進む内に「ジェインの生き方は本人も周りもしんどくするよなぁ」と思った次第です。下巻で胸ときめいたのは、ロチェスター氏の告白!!あれは、殺人的なくらいの口説き文句じゃないでしょうか?(笑)。また、氷室冴子が「シンデレラ迷宮」で描いた「ソーンフィールドの奥方」は、まごうこと無くこのジェインであったことに静かに衝撃を受けました。】読了日:03月31日 著者:C・ブロンテ

ジェイン・エア(上) (光文社古典新訳文庫)ジェイン・エア(上) (光文社古典新訳文庫)
遠い昔に読んだ記憶があるんですが、新鮮な気持ちで読みました。ジェインの潔癖で、正しくあろうとする姿勢は美しいの一言です。物語中盤からがこんなにミステリー的な要素を含んでいことに、新鮮な驚きを感じました。読みながら、氷室冴子氏の「シンデレラ迷宮」の奥方を思い出したりしてます。読了日:03月27日 著者:C・ブロンテ

秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)
昔昔岩波文庫かなにかを読んだ記憶が、あったりなかったりした小説。偶々図書館で新訳を見つけたので読んでみました。意外に淡々とした描写だったことに戸惑いました。が、「煽り」の無い描写によって、素直にメアリ達と「秘密」を共有している感じが強くなった気がします。季節が変わり、生き物たちが活動し、新しい生命が生まれ育まれるとともに、子供達の心の扉が開き成長していく様子が、美しいと感じました。長じて読んで気づいたのは、ディコンの「母ちゃん」の素晴らしさでした。【お子様たちの心理描写も然ることながら、風景描写が素晴らしいです。屋敷の冷たさ、土の匂いが本から見える程でした。】読了日:03月24日 著者:バーネット

ロード・オブ・ザ・リング―『指輪物語』完全読本 (角川文庫)ロード・オブ・ザ・リング―『指輪物語』完全読本 (角川文庫)
「指輪物語」を読んだ後に一度借りた様な気がしつつ....。トールキンの構築した物語を、神話や伝説から読み解く感じの一冊。ですが、神話や過去の物語が分からないので、正直読みづらいものがありました。深く知るには最適な一冊だとは思います。読了日:03月21日 著者:リン カーター

歴史をかえた誤訳 (新潮文庫)歴史をかえた誤訳 (新潮文庫)
本屋で見つけて図書館で借りました。タイトルに準じてるのは前半2/3程度。それ以後は翻訳者・通訳者のエッセイ等で語られる事が多い、「文化」と「言葉」にまつわる考察でした。どちらも「言葉」や「文化」を扱う方だからこその視点があり、非常に興味深く読むことが出来ました。主題の部分については、国としての外交下手、戦略不足、文化認識の薄さ等について溜息しか出ません...。ここまでくると「教育」レベルの問題じゃないよなぁと思ったりです。【誤訳によって歴史が変わったのではなく、近現代の政治家・官僚が蔑ろにしてきたであろう、文化や言葉への認識が不足してるからこそ起こった事だよなぁと。】読了日:03月16日 著者:鳥飼 玖美子

被写体被写体
好意的な書評が多いので興味を持った一冊。言及されてる渦中の騒動は、朧気ながら覚えています。TVや週刊誌で流される画は、膨大な映像を切り取ったものでしかない事に改めて気付かされました。そして、その「切り取られた」部分以外にも「被写体」としてカメラに追われている人が居る、という当たり前の事実がどれだけ私たちに希薄なのかと。何より、「大衆の好奇心」や「知る権利」「表現の自由」というお題目の前に、生活を脅かされてる「被写体」が日々感じる苦痛や恐怖を初めて知ったような気がします。淡々とした筆致でより強くそれを感じま
読了日:03月13日 著者:三浦 友和

月光亭事件 (徳間文庫)月光亭事件 (徳間文庫)
相方先輩さんからお借りした本。今風の文体でなかったり、登場人物の言葉遣いが古風だったりと、どことなく懐かしい感じのするミステリーでした。密室物に分類されるんでしょうが、色んな意味でベタな結果です。とは言え、探偵モノとして読むとキャラクターが立ってるのでかなり面白く読めました。また、レギュラー陣の造形が非常に巧く、キャラクター小説としても楽しんで読めます。シリーズ全巻お借りしたので、チマチマ読み進めていく予定です。
読了日:03月12日 著者:太田 忠司

“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)
相方先輩さんからお借りしたので、再読。森ちゃん&反町君カップルが可愛くて仕方ない挿話集です。再読しても、やはり遠子先輩の「大事な人」という一言に胸が詰まってまします。傍から見たら「自分勝手」なのかもしれないけれど、彼女からしたら「自分勝手」を封じた結果なんですよね。だから七瀬から責められても「揺るがなかった」けど、心は傷ついただろうなぁと思ったり。なので、あの場面では七瀬の方こそ「自分勝手」なんじゃないのかと感じたりです(そういう私は遠子先輩好/笑)
読了日:03月10日 著者:野村 美月

切れない糸 (創元推理文庫)切れない糸 (創元推理文庫)
相方先輩さんお勧めの本。柔らかくてあたたかい小説でした。同じテーマで米澤穂信辺りが書いたら、ザクザク切り込んでくるんだろうなぁと思いつつ読み終わりました。ミステリーとしては、先読みが出来てしまう難点があります。が、人の優しさ、文体の穏やかさ、視点の柔らかさに、誰もが持っているであろう「頑なさ」が解けていくような気がします。そして、それがこの本(著者)最大で、他の欠点を補って余りある魅力ではないかと思います。
読了日:03月09日 著者:坂木 司

桃色トワイライト (新潮文庫)桃色トワイライト (新潮文庫)
単行本で読んでいたので、実質再読。文庫版は、岸本佐知子さんが解説されていたので購入決定(笑)本編より、解説の方に衝撃を受けまくり。「岸本さんまでこの道に!!」と得も言われぬ感動と、慄きと脱力感を味わせてもらいました。三浦氏の布教活動の見事さに平伏さんばかりです(笑)
読了日:03月08日 著者:三浦 しをん

オシムの伝言オシムの伝言
オシム氏ファンにとっては必携かと思います!!氏の含蓄ある言葉だけでなく、サッカーそのものに対する情熱と愛を感じることが出来ました。いろんな意味で「凄い人だ」だと再確認。非常に読みやすいのですが、氏の言葉の背景を慮ると涙腺が緩んでしまう箇所も多々ありました。斜めの方向の感想としては、千田さんがやたら可哀想(笑)だし、オシムさんはあらゆる意味でややこしく愛らしく迷惑な人だわ(笑)と愉しませてもらいました。
読了日:03月04日 著者:千田 善

ラブリー・ボーン (ヴィレッジブックス)ラブリー・ボーン (ヴィレッジブックス)
映画鑑賞後に購入。PJの解釈は間違ってなかったし、この冗長で重くなりがちな話を、芯を吸い上げ綺麗に刈り込んだと思います。この小説は読む人を選ぶかもしれません。ミステリーでもオカルトでもファンタジーでもない。決して成長することのない14歳の女の子が見つめ、感じている「現実」を、彼女の言葉で語られる「だけ」の小説です。だからこそ、成長し惑い苛立つ家族や友人の姿が見え、彼女と一緒に困惑し喜び怒る事ができた気がします。母親の葛藤は、今でも多くの女性が抱えるものだと思うと、読んでいて苦しい気持ちにさせられました。時
読了日:03月03日 著者:アリス ・シーボルト

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