2014年8月10日日曜日

宣伝に関するモヤモヤ


 昨年のSTIDやホビット2の宣伝や、最近になって頻繁に雑誌で海外ドラマが取り上げられてるのを見て、ずっとモヤモヤしてたのですが、ここから考えたらちょっとすっきりするかもと思ったので吐き出します。

 以下だらだらとした愚痴めいた内容です。

 『SHERLOCK』を通してをベネディクトとマーティンを追いかけるようになって、日本の映画宣伝手法に疑問を抱いたりモヤモヤすることが多くなりました。どれだけ宣伝費を掛けても結局興行収入に反映されてないし、配給会社がターゲットにしているであろう「一般層」に届いていない。それ以上に感じるのは、配給会社が頑張ってる宣伝がファンには不評だということ。それが不思議だったんですが、カオルコ@kaorucokaorucoさんのこちらの2つのTwを拝見して、ちょっと整理できたかなと。






 この直前にコミコン2014が開催され、今年はベネディクト初参加な話題でかなりTwitterでも情報が流れてきてました。それを眺めながら、コミコンって何? なんでこんなに贅沢な作品や製作陣やキャストが一同に揃うの??という疑問が生まれ、これが一つの答えだなと思ったんです。恐らく、USでもオタクたちに対する偏見ってあるはずだし、悪名高きスクールカーストにおける位置なんて底辺に近いはずなんです(その辺は、アル・ヤンコビックの名パロディ曲「White & Nerdy」でも薄っすら見えるし、このPV出てくる作品とコミコンで人気な作品の共通性たるや!)。なのに、そこに対して業界が、ある意味とても贅沢で一般層にも受けそうな役者を集めての宣伝活動を行う。それほどオタク達の行動力と宣伝力(口コミ)を信用してるんだろうと思うと...。
 確かに国内外問わず、オタクや熱心なファンって作品に対して献身的であり、多少の粗があってもそこも魅力として受け止める愛情がたんまりある。その部分を製作陣や映画会社が巧く使って作品を売り込んで、巧く作品がヒットして次の作品ができる(しかも資金が潤沢だったらより良い作品となる)可能性が生まれて...という循環ができるのであれば、お互いにとって損はない宣伝だと思うんです。
 コミコンにあれだけ豪華な役者陣のスケジュールを調整して一同に集めてイベントを行っても、十分元が取れると見込まれてる。そして、それだけの実績をコミコンが作ってきたそのことにも驚きを感じ得ず。

 恐らく、日本との大きな違いは、映画が一大産業で映画を観る人の数が多いのと、オタクの数が多く発信力が高いということでないかと。日本の場合、映画を娯楽にしてる人が総体的に少なくて、その中で映画に関して発信するオタクの数も必然的に少なくなるんじゃないかと思われるわけで。そして、なにより「批評」や「レビュー」みたいな文化が根づいてないからなんだろうなぁと。
 そんな中、一般層に向けての宣伝になるのは仕方ない部分もあるのはわかります。けど、上で仰ってるように「甘く見過ぎてる傾向」になってるのは否めない気がしてます。感情に訴えて、作品の筋を若干歪めたキャッチコピーを被せて...な宣伝が多いのはそれ故かと。と同時に、オタクも甘く見てるよなとは思います。オタクは確かに、何回も足を運ぶかもしれない。けど、公開が遅れれば海外のソフトを買って先に見て日本での公開は1回だけになるかもしれない。宣伝があまりにも作品を蔑ろにしてると感じれば、配給会社への不信になって以前より落とすお金が少なくなるかもしれない。ライターさんや日本版に関わってる方からファンへの悪態を聞いたら、不信感で劇場に足を運ばなくなるかもしれない。口コミで作品を広めようともしなくなるかもしれない。そうやって、自らの首を緩やかに絞めることを想像しないんだろうなぁと残念に思うことが多くなりました。 

 以前より、洋画吹替で話題性のためだけにほぼ初心者のタレントさんを使わないで欲しいというのは、割合声高に言われてました。が、それが全く改善されないどころか、効果的な手法としてあらゆる作品で行われるようになった印象です。更に、PRの場に全く作品に興味のないタレントさんを呼んで、作品と関係ない(それどころか作品を貶めるかのような)PRをなさってる。それが果たして、一般層に受けるのかと疑問でしかたないんです。作品の魅力や出演者の素晴らしさを語らずに、泣けるとか感動とか受賞歴(コレによって公開が遅れる...)とかだけが重要視される宣伝って意味があるのかと。それで、観に行くのってどれくらいの割合なのかとホント疑問で...。
 それなら、好きな人達に最適なタイミングで費用や大人の事情で組み込めなかった素敵な事、作品の魅力や素晴らしさ、出演者の来歴なんかを流してもらって興味を引いて貰ったほうが効率的だと思うんですけど...。実際、作品を好きな人が熱く丁寧にTwitteや実際に話すことによって、知らなかった作品に興味をもって実際に手にとってすっぽりハマることってあるんですよね。それを巧く利用すればいいんじゃないかと思うのですが、映画会社が考える「口コミ」ってSTIDの公式アカウントみたいに「映画会社主導」でこの作品さえ目標額に達したらいい的に「作品に敬意がキャラクターなりきり」だったりするもんだから...。なんとも残念でしかないというかなんというか...。
 こうなるのは多分、宣伝は発信元がするもんだ! という意識から抜け出せてないからなんじゃないと思います。

 それに加えて、雑誌の紹介なんかもあまりにも「紋切り型」だなと思うんです。恐らく、配給会社やライターさんが主導権を握っていたい、ブーム(この言葉は嫌いなんですが)をコントロールしたいという思惑があるんだろうとは思うんです。が、もうそういう時期ではないのじゃないかと。今の海外ドラマやベネディクトやマーティンを代表とするUK役者なんかの大きな流れって、ネットの口コミでジワジワ広がったと認識してます。正直、雑誌で紹介されてる内容よりも、熱心なファンの方の情報や内容紹介の方が正確で興味を惹かれる事が多い。そんな中で、雑誌がやることってファンに喧嘩を売るのでなく、ネット上にある不確かな情報をプロの目で精査したり、ネットにない情報やプロの目から見た作品解説なんかの「正確で濃い魅力ある情報」を提供することだと思うんです。なのにそうじゃないのがホント勿体無やら残念でしか無く。

 とは言え、海外と比べると日本のオタクってアニメ界周辺に多い現状故なんだろうとも思います。洋画洋ドラファンの数が増えない限り、現状は変わらないし益々ファンが嬉しくない方向に進むんだろうなぁと半ば諦めモードだったりもします。

 洋画洋ドラ好きが衰退した原因を探した方が解決策が見つかるような気もする...。