2014年1月5日日曜日

S3E1 英字幕付き鑑賞後雑感(ネタバレ)

注)遠慮会釈なくネタバレしてます。 

 漸くS3E1の英字幕付を見終わりました。辞書大活躍且つ単語で意味が取れなかったら全文翻訳するという、相変わらずヘタレな英語力なため誤読誤解満載の雑感です。ただ、丁寧なあらすじや解説、抄訳などをされてる方のTweetを拝見し、理解の足りない多くの部分を補完させていただきました。鍵アカウントさんが殆どなのでこちらではリンクを貼ったりお名前を上げることはしませんが、非常にとても感謝していますとこっそりとこちらでお礼を申し上げさせていただきます。
 
 それでもいいよという方がいらっしゃいましたら下記からどうぞm(__)m



 2回目見終わった印象は、S2までのリセットでありS3の「起」なのではかろうかということでした。
 ライヘン・トリックが今話できちんと説明されておらず、モリアーティとシャーロックの「最後の問題」やマイクロフトがライヘンでどういう役割を果たしていたのかというS2からの疑問や謎は置き去りでした。この部分ではホントに消化不良にならざるを得なくてモダモダしてます。その割に細かい正典ネタやファンダムへの目配せするようなネタ、S2までに使われた設定の逆回しなどを盛り込んでるから、ある意味散漫にも感じたのは事実。(それでも十分にシャーロックとジョンの物語として成立して、心から楽しめて面白いと思えるのがいい意味で怖いです...)
 ただ、このあたりの消化不良感はシーズン最後まで見たら解決するのかもしれないという薄っすらした期待をしてます。回収されなかったら...それはそれでそういう作品だと割り切るしかないのかもなぁとも(^^;;。それは、もしかしたら今シーズンは全体が大きな一つの物語として作ってるんじゃないかと思ったからなんです。
 
 事前にS2の時のように製作陣から各話のテーマ(愛、恐怖、死という)のが出てなかったように思いますし、そこから考えてもS4へ続く大きな物語の「起」なのでは???と思ったりもするわけで。

 S2までは1話完結で最終話にドカン!と花火を打ち上げ次へ繋げていた感じがしてます。がS3E1を見ると、ジョンが誘拐された理由や最後に出てきたCAM、地下鉄テロの物語における役割(モランがモリアーティ絡みでは無さそうなので)、メアリーやモリーの彼氏のトムといった新キャラの役割、特にシャーロックが推理したメアリーの個性なんかが全く1話で説明されてない。なので、もしかしたらE3へ全てが繋がるのでは???と思わざるを得なくて。もしそうだとすれば、S1-2で築き上げた「SHERLOCK」という世界を、S3E1で一端壊そうとしてたじゃないのだろうかと邪推してみたりしてます。
 タイミング的にもシャーロックの死で一旦世界が失われ、シャーロックの復活で再び新しい世界となるこじつけもし易いですし(こじつけって...ヲイ)。

 と同時に、ジョンとシャーロックの関係をもリセットされたように感じてます。シャーロックの死で壊れたジョンとシャーロックの物語の紡ぎ直しでもあるような。そのために温度差のある二人を徹底的に描く必要があり、二人が再び一緒に冒険に出られるような「物語」が必要だからこそのこの話だったのかなぁと。
 そして、シャーロックが「変化したジョンと世界」を、ジョンが「少しだけ大人になったシャーロック」を受け入れる準備のためのお話なのではないかと。
 2年間の一人きりの生活で寂しさを覚えた
 ホントにこの話だけでは何ともいえない感じがかなりあり、それもモダモダする理由なのかなぁと。

では以下思いつくまま箇条書き雑感。
・マーティン・フリーマンという役者の素晴らしさを堪能できた話でした!!!!これは声を大にして言いたい。マーティンのジョンは普通の人なのにどこか見え隠れする綻びとかがホントに素晴らしいと思うんです。ジョンの強さ脆さ、怒り悲しみ喜び、優しさ冷たさ、大人と子供。それらが乖離せず一つの人格としてきちんと存在してる。素晴らしいの一言。
・ジョンがシャーロックと再開した場面。驚いて怒ってるけど、自分が何について「怒りを感じ、何を悲しんで、何を喜んでるのか」をきちんと理解してる気がします。しかも、相手があのシャーロックであることを十分考慮した上で対応してる。そういう細かい矛盾した表現がマーティン見事だなぁと見入りました。
・同じことが車両の場面でも言えるんですよね。自身の恐怖と腹立ちと悔しさと諦めと小さな喜びを、無意識でかなり冷静に見てるように感じてます。

・そしてやっぱりベネディクト・カンバーバッチの巧みさにも目を奪われるわけで。
・今回、マーティンの芝居を受ける側に回ることが多かった気がするんですが、それがとても巧くて...!!!きちんとマーティンの呼吸を受けて反応を返してる。これは、お互いの呼吸が合うというのが最大の要因なのでしょうが、見ていて気持よくなるくらい違和感なく流れていく掛け合いがホントに凄いと。
・そして、シャーロックの内面変化も些細な表情や声色、仕草で表現していて...!!!シャーロックの2年間に彼が経験したこと、感じたことが薄っすらと見えたようにも感じたり。
・この二人でコメディ作品演って欲しい!!!と本気で思いました。二人芝居でいいの...。

・シャーロックは「(2年前と)同じようにジョンと生活できる!冒険できる!」と思っていた。けれどジョンは「同じように君とは居られない」とどこかで線を引いてる。それなのに、シャーロックという存在と彼の世界に惹かれて魅入られてるんだよなぁ。
・ジョンはシャーロックの頭脳にものすごく信頼を置いてるのに、人間性は全く信用してない。なのに、総体的にシャーロックという個性や存在そのものを信じてるっていうのジョンがまったく素晴らしいと思うのです。
・S2までジョンはシャーロックにヒーロー像を求めてたんだと思うんです(どれだけ本人が「ヒーローを求めるな」と言っても)。その彼がああいう形で「死」んでしまい「復活」した。また、自分がヒーローとしてのシャーロックを求めたが故にシャーロックが死んだ。そのことがジョンの傷になってないとは思えない(この辺も置き去りにされてるのか??)。そこでなんとなくですが、ジョンの中で「壊れた偶像」になったのかなという気がしなくもないんです。だからもう一度ヒーローとしてのシャーロック・ホームズを世間に見せる必要があると考えたのだろうか??とメディアの前に出る二人のやりとりを見て思ったり。
 ただ、あれはジョンがシャーロックと「シャーロック・ホームズ」とを分けるようになったのかとも思ったりしてるんです。メディアと身内に見せる姿が異なっていいんだ、事件を喜んで解決する君でいいんだ、世間を気にしなくてもいいんだ、というジョンなりの受け止め方を示したのかなとも。

・車両で死を目前にしたのと絆されて「許す」と言ったものの、結局何も許しちゃいないんだよなジョンは。怒りは持続してるしシャーロックに対する不信感は全く拭い去れてない。それでも、許すと言えて221Bに出入りするのは、矛盾するけど許してるし信頼してるからなんだろうと思うと...。そして多分、シャーロックも100%ジョンに許してもらってるとも、2年前と同じように戻れるとも思ってないんだろうなぁ。そう考えると、二人の溝は殆ど埋まってないわけで...。そりゃ、いつその溝から何かが噴出しだしてひび割れにならんとも限らんわな...と思わず遠い目になるわけです。
・しかもあの二人は二人に関することには妙に修復機能働かなさそうだから...。シャーロックは端から無いけど、ジョンのほうもシャーロックに関しては子供っぽさが先に立つイメージが強くてですね。結果、周囲の人達に期待する他ないという(_;;;

・S3E1はシャーロックがジョンの髭に拘る回でもあったと言っても過言じゃないような^^;;
・とっとと「ごめんなさい。ボクが悪かったです。ごめんなさい」してしまえば、あんなに怒られなくても良かったと思うのよおばちゃんは。そして、調子に乗って髭のことしか言及しないからあんなに酷く怒られる結果になったと思うのよ...。
・調子に乗ったシャーロックの質の悪さは天下一品だと思いました。
・シャーロックが調子こいて描いた髭は、ジョンの髭に対するあてつけ(で表現合ってる??)だと気づいた時わたしは...あんたって子は...反省って言葉知らないのかorzと目一杯脱力しました。そりゃ、ジョンも怒り心頭になるわなと。
・そしてこの時使ってたのがマスカラだとTweetで知り、ずーっと水性マジックだと思ってた己の女子力の低さに涙しました(^^;;;。そりゃ水性マジックなんて持ってないわな...。
・あちこちでレストランのシャーロックを「いかれポンチ」と表現されたのを読み、あぁなんて的確な表現!!!!と膝を叩いたくらい、この場面のシャーロックはアホの子orいかれポンチです。
・なのに、目をちゃんと合わせられてないし、ふとした瞬間に泣きそうだったり怯えてるような表情をしたりするんだもんなぁ。どんだけジョンに拒絶されるのが怖かったのかと思うと、無性に切なくて哀しくて抱きしめてやりたくなりもする。ズルいよなぁぁホント。
・会いたくて、会えて嬉しいのが体全体から伝わってきて。ジョンの居ない2年間が彼にとってどれだけ辛かったのかが見えてきてですね(泣)
・ハドソンさんに「ちゃんとジョンとお話したの??」と聞かれ「したけど...絶対無理って言われた...(超意訳)」と返す姿が、幼すぎてですね...。言葉足らずなくせにどんだけ対人関係ヘタで拒絶を怖がってるの?!と抱きしめて殴ってやりたくなりました(え)
・車両の場面もズルいと思いました...。何もできないわからない!とオロオロする姿をジョンには見せるんだと。2年前には見せなかった言わなかった言葉をジョンの前で見せるんだと、それだけで彼にとってのジョンがどれだけ大きいのかと思わされて。
・あれは芝居であって芝居じゃなかったように思うんです。ジョンが受け入れてくれる限界を知りたかったのか、2年前と異なる自分でも受け入れてくれるのかを見極めたかったのかなぁと。
・車両の場面は、二人共ものすごい細かいこと演ってるんですね...。ちゃんと流れで車両シャーロックがオフにしてるのに気づいた瞬間、ホントに驚きました。後出しじゃないんだもんなぁ...。なのにシャーロックが全て後出し(笑)ってのが、ホントにあんたって子は!!!で。

・シャーロックとマイクロフト兄ちゃんのやりとりは、神経戦だったり言葉遊びだったりするのでホントに面白いです。
・S1-2を英字幕を時間掛かったけど英字幕で見て良かったなぁぁぁとホントに思ったです。
・宮殿での借りをここで返すとは思わなかった!!この辺のファンへの目配せはホントに上手。
・「孤独」が一つのテーマなのかなぁとも思ったりした場面。兄ちゃんの「孤独」とシャーロックの「孤独」の捉え方が違ったりしたのが意外ちゃぁ意外だった。どちらかと言うと、兄ちゃんの「孤独」は「孤高」なんじゃないかと思うんです。けど弟君のは本当の意味での孤独だったのかなと。だから、友達ができて友情を知って寂しさを覚えた。もしかしたら兄ちゃんには分からない感情を弟が得たのかなぁと思ったり。
・ここのお宅の家庭環境が更に謎になりました(笑) あの極めて普通のご両親から何故あんな特異なご兄弟が生まれ育ったのかと。しかも、物心つくまで兄弟二人でしか遊んでなかったとかって...!!ホームズ一家の過去が知りたいですよ、わたしは!!

・モリーちゃんへ向ける優しさが愛しいんです。
・モリーちゃんにはある意味ちゃんと向き合えてるのに、本当に大好きなジョンには向き合えないんだなぁと思うと更に切なくて。
・モリーちゃん彼氏のトムさんはなにか裏がある気がするんですが、気のせいであることを願うばかりです。モリーちゃんには幸せになってほしいの!!

・ジョンがシャーロックに甘いなぁぁと思ったのが、2軒目でのやりとりでした。死んだふりした理由は説明するのに時間がかかるからと言ったのに対して、今夜は徹夜も辞さない的な返しをしたのが...(笑) ジョンはどこまで甘いんだと思って大笑いしちゃったんです。
 シャーロックさえ話す気があれば、ちゃんと腰を据えてきちんと聞いてやるっていうのがホントに本当に(泣)しかも隣にプロポーズ直前のメアリーが居るっていうのに徹夜してシャーロックの話を聞くっていうのが...なのに、シャーロックは思い切り誤摩化すわ、ジョン以外にも知ってる人一杯居た!!とかニヘラとして言っちゃうしで(溜息)

・こっそりここで。S3E1を見て思わずJ/S盛り上がるぞ!!と思いましたです...大変申し訳ありませんでした。けど反省しない!!この話のシャーロックだけみたら右でいいと思ったもの!!!! がJ/S、S/Jどっちも大好きですw