2016年5月2日月曜日

映画『アメリカン・キャプテン / シビルウォー』雑感

 公開初日からTwitter上で賛否両論、アイアンマンとキャプテン・アメリカ陣営の代理論争、談論風発が巻き起こってた作品を数日遅れで漸く鑑賞しました。マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MUC)作品については、全作品を微細にも見ておらず況や回数も各作品1回しか見ていないあまり熱心なファンでなく、どちらかと言えば門外漢なのですが、今作は非常に興味深く感じ鑑賞中のみならず鑑賞後にあれこれ考えたりしたので、その覚書というか雑感を下記に。

 熱心なファンの方には申し訳ない雑感です^^;;


・全体的な印象としては、テーマ性をもたせつつ、これまでのシリーズ(キャクター)を深化させ一歩進ませつつ、これから公開が控えてる新作(キャラクター)お披露目とそれへの期待感を煽りつつ、しかもキャプテン・アメリカの物語として破綻なく過不足なく仕上げたなぁと素直に感嘆。
・アクションシーンの画面構成が見事でした。見る側にストレスを与えることなく視点を混乱させず、各キャラの特性活かしたアクションになってて、誰がどこでどんな動きしてるかがきちんと追える画面構成がただただ凄い。中でも、スパイダーマンとアントマンのトリッキーで三次元的な動きがいいアクセントになっていて、思わずおぉぉそうくるか!!という驚きも感じられました。どの場面でも基本1対1で戦っているので、どういう意図の組合せなのかもわかりやすかったのも見事だったなぁと。

・それぞれの信じる(心情的には揺らぎながらも)価値観、行動する理由があった上での対立であり、どちらの価値観や陣営や誰が悪い訳でない。どのキャクター(陣営)に共感する度合は人によって異なるんだろうけど、彼ら彼女らが選択してることに善悪や単純な二項対立な色付けはできないなぁと私は思いました。

 なので、なぜ公開初日からあんなに百家争鳴になってるのかと不思議でなりません^^;;
・議論の中心になってるトニー(アイアンマン)とスティーブ(キャプテン・アメリカ)の選択の違いですが、どちらも彼らの考える「次善の策」と「責任をどうとるか」を選択してるだけだと思うんです。そして選択肢の結果から両陣営の誰もが逃げずに真正面から受けて責任とってるんです。
 トニーが「ソコヴィア協定」に賛意を示すのは、彼らの力がもしかすると近い将来人々から「敵視」される可能性を恐れたからなのでないのかと。そして、まず協定に賛意を示すことで将来アベンジャーズ(おそらくトニーとスティーブ主導で)が現実に即した修正を加えられる実が取れるのではと考えたのではないかと。何より、協定という後ろ盾があることで得られる「自由」を手にしたかったのではないのかと。
 対するスティーブが賛意を示さなかったのは、機動力の遅れ、責任の所在がはっきりしない怖さ、彼らの行動(判断)の自由が奪われることで守れる範囲が狭くなる不安だったのでないのかと。
 両者共、互いが何を求め何を考えて賛否を示すのか理解はしてるはずなんです。そして、それは時間は掛かるかもしれないけれど話し合いで妥協点を見つけることも可能だったはず。が、そこに旧くからの友情なり父母を奪われた怒りという予想外の要素が加わった為にああいう形になってしまったのではないかと思われてなりません。
・「次善の策」とはいうものの、現状を打破するような最適な「次善」なんてないんですよね。どんな手を打っても大なり小なり壁にぶち当たる。それを彼らは彼らなりに試行錯誤しつつ、壁にぶち当たりつつ、いろいろな物や人を喪い、自身も傷つつきつつ解決しようとしてるのが今作だったのかなぁとも思ったり。
・どちらの陣営の人も行動の責任や重みはしっかり感じていて、それぞれの形で責任を取ろうとしてる。ただ、その手法が異なるだけなんじゃないかとも思うんです。そして、トニーの方がほんの少し大人で世知に長けてズルいんじゃないかな...。

・多くのファンのかたが仰てるような「辛さ」「しんどさ」は感じなかったのは、それぞれのキャラクターに思い入れが無いからなんだろうな^^;; とは言え、トニーには辛さを感じたんですよね...。彼なりに組織を守りより良い方向に持って行きたかった筈なんです。それが、色んな不安定要素が加わったのとソコヴィア協定に対する見通しがかなり甘かった(流石、技術職だと思いましたが^^;;)りして、予測が狂ったのだろうなと。だからこそ、キャプテン・アメリカに「私が間違っていた」と言えたんだと思うんです。
・しかし、RDJの繊細な演技は圧倒的だったと思いました。アイアンマン シリーズの積み重ねがあってこそなんだろうけれど、微妙な変化で心情見せてくれるから余計にトニー・スタークが魅力的に感じるのだろうなぁ。

・観てる側に対する問題提起でもあったり、正義の行使とは? 力のの行使とは? 行使したことでどんな影響があるのか? 何が最適解なのか? なんかを考えろと言われてる気もしました。


・ブラック・パンサーが高潔な人物像でびっくりしたですよ。あそこで復讐の輪を切れるってほんと凄い人格者だわ...。そして、そのブラック・パンサーの単独作品でマーティン演じるロス副司令官が絡むっていうのだから!! 楽しみにするなって言うのが無理ですw

・そのロス副司令官ですが...。最後のジモを尋問してるロス副司令官が笑いながら冷酷な事言ってたりするから!!!! 罰を与えるためにどんな卑怯な手でも使いそうな人だったから!!! そ ん なマーティンが見れるの待ってたからほんとにっっ(言葉が無い)

・『ドクター・ストレンジ』がこのレベルの作品であることを願ってやみません。本国でわやわや言ってるWhitewashingを思い切り吹き飛ばすような作品でありますように!!