2010年4月18日日曜日

何故か今更、PSY・S(サイズ)

先日、入浴用のCDとして「久しぶりに聞こうかな」とふと思い立ちCDラックから出したのが、PSY・Sの「Two Sprits」。
 これまでも周期的に聞いてたのに何故か今回、非常に嵌ってしまいまして...。勢い余って、Amazonさんで「Non Fiction」と2002年に出てたらしい「GOLDEN☆BEST SINGLES+」を購入してしまいました(^o^;。

 PSY・Sに出会ったのは、アニメ「City Hunter 2」のOP。あまりにもベタ過ぎて恥ずかしくなるくらい、ベタです。サントラで名曲「Earth」を聴いて「この声、好き!」といういつものパターン(苦笑)でアルバムを聴く様になりました。勿論当時は学生だったので、やたら高かったアルバムCDを買うことなど出来ません(お小遣い月1000−2000円で何が出来るというのか?!)。なので、レンタルCD屋さんには大変お世話になりましたm(__)m

 当時の私にとってPSY・Sのアルバムは、「City Hunter」の裏サントラとかキャラソン的位置づけでした。勿論、PSY・Sというユニット自体も非常に大好きだったし、彼らが歌う世界や言葉の繋がり、不思議に結びついた言葉達から連想される感情、情景などにも惹かれ まくってました。
 恥ずかしい話ですが、当時は「City Hunter」のキャラクター達がバンドを組んで歌ってる所を想像してたりしてました(笑)。
 ちなみに、当時(今でもですが^^;;)の乏しい音楽知識で想像してたのは、Voが香、撩(ほんとは獣編)がギター、海坊主がドラム、バックコーラスが美樹さん&かすみちゃん。当時はベースを知らなかったので、今ならミックがベースになるかなぁ。

 で、今回久しぶりにPSY・Sを聴いて、シングル集である『GOLDEN☆BEST SINGLES+』の方は、PSY・Sそのものを思う存分味わうことができました。テクノとも普通のバンドも違う個性のあるユニットだと、今更ながら実感しました。音の作りもかなり緻密で計算されてて、ここっという場所に欲しい音が聞こえてくる気持ち良さったら!。何よりCHAKAの声が高くも低くも無く伸びやかで、聴き疲れがしません。後ろのテクノっぽい音とCHAKAの懐かしい様な絶妙の声が相まって、不思議な空間を感じることができました。

 で『Non Fiction』...なんですが、やっぱり「このアルバムはキャラソンだわ!」でした。ホント各方面に何やら申し訳ない気持ちで一杯です(_;;;。
 細かく書くと妄想だらけになりそうなんですが、恥の書捨てってことでこの際なので書いちゃいます!
 
 あっ、キャラソン、キャラソンと叫んでますが、恐らく厳密な意味でのキャラソンとしては認識してません。今の界隈の言語は分らないんですが、キャラクターのイメージソングというか、何となくキャラクターが考えてそうな内容だよなぁという意味のキャラクターソングです(なんのことやらさっぱり)。具体的に言えば、『City Hunter』サウンドトラックの延長線上的な感じです。作品とリンクしてそうで微妙に違う。だから、キャラクターのバンドなんつう如何にもな空想が広がったと思っていただければ...。

 で、何がキャラソンかと言えば、歌詞なんですよ、歌詞。撩と香のあのもどかしい関係をイメージしてるんじゃないか?、と思っちゃうくらいです。特に香目線から見た二人の関係を巧く表現してる気がしてなりません。そういった意味で、香ちゃんイメージアルバムなんです!
 このアルバム以外だと「Separate Blue」は、香ちゃんソングとして一押しです!(重ね重ね各方面には申し訳ないです_;;;)。

 収録曲について個々の感想+妄想をば以下に。
1. Parachute Limit
 CHAKAの「Parachute Limit 」な台詞から始まる、疾走感あるOP。
 この曲は、歌詞が魅力的です。
 「行けるさどこまでもダイビング」以降の部分は、すっかり撩に飛び込む香です。CH2のOP(2回目の)はこれでも良かったんじゃないのかと。絵が描けたら、思いっきりイメージボード書くのに!と己の才能が無いことを悔やむ歌その1。
  
2. Spiral Lovers
 「螺旋状の恋人」なんですよ、皆さん(って何所。このフレーズだけで、お腹いっぱいになります(笑)。原作中盤(銀狐編以降からマリー編までくらい)の撩&香の関係性を見事に思い起こさせる曲です。何せ、どこまでもスレ違いな二人なんで。
 刻む様な演奏と、切ない感じのVoとギター(なのかな?)、『秘密の花園』をちょっと彷彿させられる歌詞が奇麗に融合してる曲です。改めて聞くと絶妙な雰囲気なんですね。

3. (Shooting Down)The Fiction
 通勤中に聞くと、リズミカルに歩ける1曲。
 香ちゃんの日常って感じがするんですよね。依頼が無くてまったりしつつ、あれやこれや家事やなんかをしてる時に流れてそうな気がします。その姿を楽しんで眺めてる冴羽氏とかいうイメージ。

4. Romeo
 アカペラから始まる、繊細な曲。タイトルで示されてるみたいにロミオ+ジュリエットがモチーフで、ジュリエット視点な恋心なんですよね。
 なので、余計に静かに思いを積み重ねて行く香ちゃんな感じがしております。で、CHがバンドでこのアルバムの曲順でライブしたら、絶対この曲で衣装替えだよなぁという無駄な妄想が広がる曲です。
 
5. 木の上の方舟
 CH2のサントラに挿入された名曲。壮大なバラードです。この曲は、歌詞に尽きます(勿論メロディも大好きなんですが)。何故か、CHというより小野不由美の『屍鬼』を思い出したりするんですよね(苦笑)。

6. 天使のいる場所
 言わずと知れたCH2のOP。
 見事にCHの世界観を内包してるのが凄いです(笑)。てか、最初に聴いた時は「最初に好きになった〜」ってフレーズで、もろ私がCHに嵌った順じゃないか!と嬉しい驚きがありました。
 冷静に聴くと、結構ヤバい系人との恋愛な気もしなくもないんですが(^^;;。それを言い出すと、撩+香の関係も冷静に眺めめると「DV」とか「共依存」とかのカテゴリーになっちゃう様な気がするんですよね。特に香の依存っぷりは、同じ女性としてどうかと思う部分も無くは無いし、撩の囲い込み方もある種のDVだよなぁとかとか。こういう見方になっちゃうのは、年を経て純粋さを失ったせいだと思うとチト哀しい(苦笑)

7. Silver Rain
 何となくバトル後のイメージ。言葉で表現するのがもの凄く難しい気がする曲です。強引に表現すると、お互いが傷ついて、静かに降る雨の中アパートへ戻り、月明かりと外のイルミネーションしか光がないリビングで言葉を交わさずに寄り添ってる二人、という感じです。

8. Robot
 これはCHというより、『さんまのまんま』でEDとして流れた印象が強いです。
 近未来で懐古的で、かつセンチメンタルな歌詞が非常にお気に入りです。今回『Non Fiction』を買った理由が、これが入ってるからでした。本当にCHとは関係なく好きなんです。

9. 薔薇とノンフィクション
 何このCHな曲は!と今回再認識しました(笑)。ぶっちゃけ、OPこれでも良かったじゃん!と俄関東弁(違)になるくらい、ずっぽりCHです。
 歌詞といい曲の雰囲気といい、絶対これでOPアニメ作って欲しかったよ!と今更な事を激しく思わせて下さいました。私の脳内では撩+香でこの曲のPVが出来てます。ホント才能さえあれば何かの形にするのにと、己の能力の無さが嘆かわしい限りです...。
 てか、セイラ編の香を思い起こさせる「殺意より激しい愛」ってフレーズでだけで、十分妄想が広がりますよ!ホント、色んな意味で美味し過ぎる曲です。
 余計な妄想としては「不自由しないデザイナ」な部分で、絵里子さんに振り回されてる香+撩が思い浮かぶんですよね〜。そういう部分でも非常に価値があるかもしれません(って)。

10. 時の雫
 奇麗に最後をまとめてくれる曲。

以上 妄想だらけの感想でしたm(__)m



 


 



09/3月の読書メーター

図書館革命図書館革命
【何度目の再読だったんだろう?組織とラブコメが最後まで見事に噛み合った作品だと思います。「正義の味方」ではなく「現実の組織」の着地点としては、納得できる最終作。ラブコメに抵抗さえ無ければ、広い年齢層に受ける中味じゃないでしょうか。まぁラブコメに抵抗ある人が多いんですけどね(^^;;)】読了日:03月31日 著者:有川 浩

図書館危機図書館危機
【茨城県立美術館攻防は、作品中屈指の迫力じゃないかなぁ。戦いの醜さと虚しさ馬鹿馬鹿しさ、そこに身を置いてる人の視線感情を美化せずに描いてる筆力は凄いの一言です。全エピソードの中で、一番好き。しかし、その渦中に放った郁の「あなたと同じ風景を見ます」は、殺し文句としては最強(笑)。しかも、天然でそれが出る郁は「なんて恐ろしい子っ」ですよ。】読了日:03月30日 著者:有川 浩

図書館内乱図書館内乱
【手塚兄弟の確執が明らかになる一冊(何か違)。手塚兄の手法は、ある面正しいんだろうと思えるようになったのは、大人になった印??とか色々考えます(笑)。】読了日:03月29日 著者:有川 浩

図書館戦争図書館戦争
【時折無性に読みたくなるシリーズ。この時は、別冊だけを再読した勢いで一気読みしたんだろうなぁと推測。しんどき時や落ち込みそうになった時に読むと、無駄に元気がでます(笑)。これで有川浩と出会えたのは、幸せだったなぁと再認識】読了日:03月28日 著者:有川 浩

何はさておき何はさておき
【ナンシー関氏が亡くなられたのは、寂しいです。ふとした瞬間に「ナンシー関ならどう斬ってくれたろうか?」と思うことがあります。近所の図書館にあまり著作が置かれてないのが、非常に残念です。】読了日:03月27日 著者:ナンシー関

何だかんだと何だかんだと
【久しぶりに手にとったナンシー関本だった筈。この人の切り口、表現は本質を突いてる気がして、何年経っても色褪せない気がします。】読了日:03月27日 著者:ナンシー関

別冊 図書館戦争〈2〉別冊 図書館戦争〈2〉
柴崎&手塚がまとまった場面は、何度読んでも主人公組とは違った感慨を覚えます。欲を言えば、毬絵ちゃん小牧ペアももっと見せてほしかった(笑)
【<1>より<2>の方が好きなんですよ。現実から目をそらさずに書いた、極上の恋愛小説だと思ってます。】読了日:03月26日 著者:有川 浩

タッチタッチ
【久しぶりのダニエル・キイスだった筈です。「アルジャーノンに花束を」は文庫版を買い直すかどうか未だに悩み中。】読了日:03月26日 著者:ダニエル キイス

王妃の館〈下〉王妃の館〈下〉
荒唐無稽だけれど、最後まできちんと読ませてくれるのは流石かと。
【浅田次郎氏のイメージがこれで大きく変わりました。こういう作品を無理なく楽しく書かれるってことに、驚き好感度が上がりました。】読了日:03月23日 著者:浅田 次郎

エリザベス〈下〉エリザベス〈下〉
後半は、ダイアナ関連の話題が出てくるのでサクっと読めました。読了後に映画「The Queen」のDVDを見たくなりました。【この伝記でエリザベス2世の印象が変わりました。想像ですが、映画「The Queen」はこれを下敷きにしてるんじゃないかと。故ダイアナ妃とエリザベス女王、両者の伝記を読み比べると今の英王室が薄らと透けて見えるんじゃないかと思ったりします。しかし、何を読んでも見ても唯一変わらないのが、現皇太子のイメージ。ある意味凄い人だよなぁ(笑)】
読了日:03月22日 著者:サラ ブラッドフォード

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)
「秋季限定」後再読。小山内さんの「狼」と小鳩君の「狐」の会話は、糸が張詰めた様な感じあり好物です。「冬期限定」は出るのかなぁ。【米澤穂信の作品としては、取っ付きやすいと思うんで、本好きに勧めたくなるシリーズです。】読了日:03月21日 著者:米澤 穂信

エリザベス〈上〉エリザベス〈上〉
【何となく図書館で気になって借りた本だったような。現代英国史を俯瞰で見ることが出来る上、英王室を何となく解ったようになる一冊でした。若かりし頃の陛下の可愛らしい事ったら!!皇太后とエディンバラ公の確執等も、女性週刊誌的に読むとかなり面白かったです。】読了日:03月20日 著者:サラ ブラッドフォード

南極(人)南極(人)
「どすこい」の続編。元ネタを知ってるか知らないかで、好き嫌いが決まりそうな一冊です。私はこのバカらしさも「京極だ」と思えちゃうので、満足しました(笑)某シリーズの登場人物の「今」を知る事が出来たのは、予想外の収穫でした☆【本家の方ではネタバレを避けた表現になってる、京極堂シリーズ主要メンバーの「現在」。おまけというかファンサービス程度な感じで書かれてるのは嬉しかったな。が、関くんが儚くなったのは、やっぱりと思いつつもその扱いの邪険さに悲しくなりました(笑)。】読了日:03月18日 著者:京極夏彦

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
久しぶりに読んだら、目指せ小市民な互恵関係の二人が瑞々しく感じられました。【ココアの作り方をやってみようと思いつつ、思い出せない私はダメだと毎回思うんですよ…。冬季限定が出たら、シリーズ一気通読しなくては!です。】読了日:03月16日 著者:米澤 穂信

別冊 図書館戦争〈1〉別冊 図書館戦争〈1〉
初読時にはあまりのこっ恥ずかしさに、「こいつらどうしてやろう?!」と思った位の破壊力を感じた作品でした。久しぶりに読んでも、これでもかっな甘さにドキマギさせてくれるのは凄いです(笑)とは言え、現実と甘さの組み合わせが絶妙だなぁと思う作品です。【辛い時しんどい時に栄養剤代りに読むと吉。破壊力は絶大ですが、心の糖分は充足できるので元気は出ます。てか、堂上甘過ぎ…】読了日:03月15日 著者:有川 浩

吉原手引草吉原手引草
【構成の旨さと、独特の語り口に引っ張られて一気に読んだ記憶があります。吉原という人間の欲と業が渦巻く世界をきちんと描いていて、興味深く面白く読めました。文庫版は文字の大きさが納得出きず、未購入。また図書館で借りるかも。】読了日:03月15日 著者:松井 今朝子

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)
伏線が見事に回収される心地良さを、しっかりと味わえた下巻でした。栗きんとんとマロングラッセ、違いは有れど最終目的は同じ。けれど、過程の違いが大きい事がこの二人にとっては、とても大切なんでしょうね。家捜しして春を見つけたものの夏が見つからず、再購入かもです。【夏は家探ししたら見つかりました。が、また行方不明かも(涙)。】読了日:03月14日 著者:米澤 穂信

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)
下巻が出たので購入。下巻を読んでから、春夏を再読せねば!!と思ってしまいます。相変わらず小さな刺が刺さる様で、単なる青春モノ、推理物で無いのが良いなぁ。読了日:03月13日 著者:米澤 穂信

空中庭園空中庭園
「隠し事のない家族」を描いた短編連作集。それぞれ語り手が変わるものの、そこにあるのは「不信」だったり「隠し事」だったりする。読んでいて痛さを感じる作品でした。読了日:03月12日 著者:角田 光代

なつかしく謎めいて (Modern & classic)なつかしく謎めいて (Modern & classic)
【たぶん再読だったような。女性作家さんのSFは刺さる事が多いのは気のせいでしょうか。】読了日:03月10日 著者:アーシュラ・K. ル=グウィン


ジャージの二人 (集英社文庫 な 44-1)ジャージの二人 (集英社文庫 な 44-1)
【DVDが良かったんで、文庫を購入。ぬるい雰囲気が大変好み。盛夏、クーラーがガンガン掛かった静かな喫茶店で、おいしいコーヒーを飲みながら再読したい一冊。】読了日:03月05日 著者:長嶋 有

恋愛の社会学―「遊び」とロマンティック・ラブの変容 (青弓社ライブラリー)恋愛の社会学―「遊び」とロマンティック・ラブの変容 (青弓社ライブラリー)
「雑誌」を基礎データにして、ロマンテック・ラブ・イデオロギーを論じるのは、着眼点しては面白いと感じた。が、分析論と手法に関しての記述が割合多いのがもったいないかと。読了日:03月04日 著者:谷本 奈穂

男よりテレビ、女よりテレビ男よりテレビ、女よりテレビ
小倉千加子氏に求めていた鋭さが無く、肩透かし感がありました。ただ、小倉さんらしさはあるので、小倉千加子入門って感じではお勧めかも。読了日:03月03日 著者:小倉 千加子


面白南極料理人 (新潮文庫)面白南極料理人 (新潮文庫)
映画化されるとの事で、興味をもち読んでみました。柔らかく表現されてますが、衝突があったんだろうなぁと思わせる部分があり、1年に亘る局地での生活の大変さを垣間見ることが出来ました。また、食材の豪華さと冷凍技術の凄さに驚かされました。出てくる料理で一番食べたくなったのは、サッポロ一番味噌ラーメンでした(笑)読了日:03月02日 著者:西村 淳

君はフィクション君はフィクション
らもさんの短編集。やはり巧いです。ギリギリの淵に立ってる危うさと、どこか突き放した様でいてそうでない感じに引きつけられます。読了日:03月01日 著者:中島 らも

美女と竹林美女と竹林
知ってる地名がガシガシ出て来るので、非常にまったり読めました。森見氏の妄想と現実の境目をウロウロする世界は、やはり「オモチロク」愛らしくて魅力的だなぁと、ニマニマできるエッセイ。読了日:03月01日 著者:森見登美彦

10/3月の読書メーター

10/2月分が抜けましたが、10/3月の読書メーター記録を貼りつけます。3月は読んでないつもりで居ましたが、意外と読んでたんだなぁという印象です。

3月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:4908ページ

王妃マリー・アントワネット―青春の光と影王妃マリー・アントワネット―青春の光と影
史料を下敷きにして、少女マンガ的な雰囲気を醸し出してるあたりは、いかにも藤本ひとみだなぁという一冊でした。数多あるマリー・アントワネット本の入門書としては良いかもしれません。【藤本ひとみの歴史物は、細部が甘い気がしてしかたないです^^;;。これもやっぱり細部が甘かったり、登場人物が今風だったりと欠点が目につくかなぁと】読了日:03月31日 著者:藤本 ひとみ

ジェイン・エア(下) (光文社古典新訳文庫)ジェイン・エア(下) (光文社古典新訳文庫)
「少女」の時に出会いたかったと強く思いました。秀逸で美しく清廉な物語ではありましたが、私にとっては物語の根幹でもある「キリスト教」的な部分が少し辛かった気がします。とは言え、ジェインやロチェスター氏の人物描写や心理描写は素晴らしく、豊かな「物語」でした。セント=ジョン氏は今で言うモラハラだよなぁとか、余計な事を思ったのは年をとったせいかなぁ(苦笑)
【ジェインの考え方は、もう少し若ければ影響を受けた筈。それだけ強烈に清冽で美しく魅力的です。が、今の私には「キリスト教的清冽さ」がしんどくて、読み進む内に「ジェインの生き方は本人も周りもしんどくするよなぁ」と思った次第です。下巻で胸ときめいたのは、ロチェスター氏の告白!!あれは、殺人的なくらいの口説き文句じゃないでしょうか?(笑)。また、氷室冴子が「シンデレラ迷宮」で描いた「ソーンフィールドの奥方」は、まごうこと無くこのジェインであったことに静かに衝撃を受けました。】読了日:03月31日 著者:C・ブロンテ

ジェイン・エア(上) (光文社古典新訳文庫)ジェイン・エア(上) (光文社古典新訳文庫)
遠い昔に読んだ記憶があるんですが、新鮮な気持ちで読みました。ジェインの潔癖で、正しくあろうとする姿勢は美しいの一言です。物語中盤からがこんなにミステリー的な要素を含んでいことに、新鮮な驚きを感じました。読みながら、氷室冴子氏の「シンデレラ迷宮」の奥方を思い出したりしてます。読了日:03月27日 著者:C・ブロンテ

秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)
昔昔岩波文庫かなにかを読んだ記憶が、あったりなかったりした小説。偶々図書館で新訳を見つけたので読んでみました。意外に淡々とした描写だったことに戸惑いました。が、「煽り」の無い描写によって、素直にメアリ達と「秘密」を共有している感じが強くなった気がします。季節が変わり、生き物たちが活動し、新しい生命が生まれ育まれるとともに、子供達の心の扉が開き成長していく様子が、美しいと感じました。長じて読んで気づいたのは、ディコンの「母ちゃん」の素晴らしさでした。【お子様たちの心理描写も然ることながら、風景描写が素晴らしいです。屋敷の冷たさ、土の匂いが本から見える程でした。】読了日:03月24日 著者:バーネット

ロード・オブ・ザ・リング―『指輪物語』完全読本 (角川文庫)ロード・オブ・ザ・リング―『指輪物語』完全読本 (角川文庫)
「指輪物語」を読んだ後に一度借りた様な気がしつつ....。トールキンの構築した物語を、神話や伝説から読み解く感じの一冊。ですが、神話や過去の物語が分からないので、正直読みづらいものがありました。深く知るには最適な一冊だとは思います。読了日:03月21日 著者:リン カーター

歴史をかえた誤訳 (新潮文庫)歴史をかえた誤訳 (新潮文庫)
本屋で見つけて図書館で借りました。タイトルに準じてるのは前半2/3程度。それ以後は翻訳者・通訳者のエッセイ等で語られる事が多い、「文化」と「言葉」にまつわる考察でした。どちらも「言葉」や「文化」を扱う方だからこその視点があり、非常に興味深く読むことが出来ました。主題の部分については、国としての外交下手、戦略不足、文化認識の薄さ等について溜息しか出ません...。ここまでくると「教育」レベルの問題じゃないよなぁと思ったりです。【誤訳によって歴史が変わったのではなく、近現代の政治家・官僚が蔑ろにしてきたであろう、文化や言葉への認識が不足してるからこそ起こった事だよなぁと。】読了日:03月16日 著者:鳥飼 玖美子

被写体被写体
好意的な書評が多いので興味を持った一冊。言及されてる渦中の騒動は、朧気ながら覚えています。TVや週刊誌で流される画は、膨大な映像を切り取ったものでしかない事に改めて気付かされました。そして、その「切り取られた」部分以外にも「被写体」としてカメラに追われている人が居る、という当たり前の事実がどれだけ私たちに希薄なのかと。何より、「大衆の好奇心」や「知る権利」「表現の自由」というお題目の前に、生活を脅かされてる「被写体」が日々感じる苦痛や恐怖を初めて知ったような気がします。淡々とした筆致でより強くそれを感じま
読了日:03月13日 著者:三浦 友和

月光亭事件 (徳間文庫)月光亭事件 (徳間文庫)
相方先輩さんからお借りした本。今風の文体でなかったり、登場人物の言葉遣いが古風だったりと、どことなく懐かしい感じのするミステリーでした。密室物に分類されるんでしょうが、色んな意味でベタな結果です。とは言え、探偵モノとして読むとキャラクターが立ってるのでかなり面白く読めました。また、レギュラー陣の造形が非常に巧く、キャラクター小説としても楽しんで読めます。シリーズ全巻お借りしたので、チマチマ読み進めていく予定です。
読了日:03月12日 著者:太田 忠司

“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)“文学少女”と恋する挿話集 2 (ファミ通文庫)
相方先輩さんからお借りしたので、再読。森ちゃん&反町君カップルが可愛くて仕方ない挿話集です。再読しても、やはり遠子先輩の「大事な人」という一言に胸が詰まってまします。傍から見たら「自分勝手」なのかもしれないけれど、彼女からしたら「自分勝手」を封じた結果なんですよね。だから七瀬から責められても「揺るがなかった」けど、心は傷ついただろうなぁと思ったり。なので、あの場面では七瀬の方こそ「自分勝手」なんじゃないのかと感じたりです(そういう私は遠子先輩好/笑)
読了日:03月10日 著者:野村 美月

切れない糸 (創元推理文庫)切れない糸 (創元推理文庫)
相方先輩さんお勧めの本。柔らかくてあたたかい小説でした。同じテーマで米澤穂信辺りが書いたら、ザクザク切り込んでくるんだろうなぁと思いつつ読み終わりました。ミステリーとしては、先読みが出来てしまう難点があります。が、人の優しさ、文体の穏やかさ、視点の柔らかさに、誰もが持っているであろう「頑なさ」が解けていくような気がします。そして、それがこの本(著者)最大で、他の欠点を補って余りある魅力ではないかと思います。
読了日:03月09日 著者:坂木 司

桃色トワイライト (新潮文庫)桃色トワイライト (新潮文庫)
単行本で読んでいたので、実質再読。文庫版は、岸本佐知子さんが解説されていたので購入決定(笑)本編より、解説の方に衝撃を受けまくり。「岸本さんまでこの道に!!」と得も言われぬ感動と、慄きと脱力感を味わせてもらいました。三浦氏の布教活動の見事さに平伏さんばかりです(笑)
読了日:03月08日 著者:三浦 しをん

オシムの伝言オシムの伝言
オシム氏ファンにとっては必携かと思います!!氏の含蓄ある言葉だけでなく、サッカーそのものに対する情熱と愛を感じることが出来ました。いろんな意味で「凄い人だ」だと再確認。非常に読みやすいのですが、氏の言葉の背景を慮ると涙腺が緩んでしまう箇所も多々ありました。斜めの方向の感想としては、千田さんがやたら可哀想(笑)だし、オシムさんはあらゆる意味でややこしく愛らしく迷惑な人だわ(笑)と愉しませてもらいました。
読了日:03月04日 著者:千田 善

ラブリー・ボーン (ヴィレッジブックス)ラブリー・ボーン (ヴィレッジブックス)
映画鑑賞後に購入。PJの解釈は間違ってなかったし、この冗長で重くなりがちな話を、芯を吸い上げ綺麗に刈り込んだと思います。この小説は読む人を選ぶかもしれません。ミステリーでもオカルトでもファンタジーでもない。決して成長することのない14歳の女の子が見つめ、感じている「現実」を、彼女の言葉で語られる「だけ」の小説です。だからこそ、成長し惑い苛立つ家族や友人の姿が見え、彼女と一緒に困惑し喜び怒る事ができた気がします。母親の葛藤は、今でも多くの女性が抱えるものだと思うと、読んでいて苦しい気持ちにさせられました。時
読了日:03月03日 著者:アリス ・シーボルト

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