2008年3月12日水曜日

Celine Dion TAKING CHANCES WORLD TOUR 2008 大阪公演

女性Vo好きな私には外せないアーティスト、Celine Dion。10年前の日本公演は残念ながら行ってないので、今回初参加でした。
 Dion歴はそれほど長く無く、多くの方同様に”My Heart Will Go On”を入り口にして、ベスト版『All The Way.... A Decade Of Song』を買い、その後発売されたオリジナルアルバム『New Day Has Come』から彼女の魅力に嵌りました。なので、今回のツアーは非常に楽しみにしていました。
 
 終了後の感想は、演出&Dionの歌は素晴らしかった。が、とてもとても消化不良な感じが拭えないLiveだったというモノです。
 舞台構成も四方を囲む形で面白かったし、映像の使い方や構成も巧かったし、観客を飽きさせない工夫もあちこちに感じられました。何より、Dionの声の存在感と魅力の前には感嘆しかありません。彼女の魅力や巧さについては、私の拙い表現では語れないと思っています。拙い言葉で書いてみれば、万人を声と歌で魅了でき、言葉を超えてその「歌」が持ってるの「モノ」を混じりけ無しに伝えられる存在だと改めて感じました。DionといいMarihaといい「歌の力」を信じ愛してる人は、歌の神様からホント愛されているんだと思います。
 構成で印象に残っているのは、Queenの曲からモータウン的な楽曲へ続き”That's Just The Woman In Me”へ行く流れ。曲の雰囲気とかを理解して、きちんと作り込んで来てるよな〜と感心しました。また、彼女の声は刻んで歌っても迫力あって格好良いので、Queenの楽曲が嵌るんですよね〜☆そいういった意味でも「巧い」と感じた次第です。それと、”Alone”の演出。まるで生PVの様な効果と演出が美しい上、曲のイメージと映像がピタリと嵌っていて圧倒されました。
 
 音楽やLiveの楽しみ方は人それぞれである事は十分理解した上で、書きます。苦情等あるかとは思いますが、一つの意見として流していただければ幸いです。
 
 消化不良と感じたのは、客層の幅があった事も影響があるんでしょうが、非常に「真面目な」観客が多かった事。Rock調であってもバラードであっても座って聴いておられる方が大半で、ここはSS席じゃないのか?!Dionってお行儀良く聴かなくっちゃいけないアーティストなのか?と疑問符飛びまくりでした(苦笑)。私が想像(アルバムから予想)していたイメージではなく、観客と舞台の温度差がある様に感じられてしまって...。何よりも、アルバム『One Heart』や『Taking Chances』からの楽曲に対する反応が薄くて薄くて、その薄さたるやあのMariahのLiveより薄いかもって感じでした(苦笑)。大概、Liveって前奏流れた瞬間何所ぞから「おぉぉぉ!!」という声が聞こえるもんなんですが、今回は皆さんお行儀が良くて大変静かでした(^^;;。
 この温度差は、日本でシングルが売れまくった功罪の一つなんだろうな...と考えてしまいました。有名だから、○年振りの来日だから、あの「売れた曲」が生で聞けるからというだけで足を運ぶ勇気には感心します。だって、1曲の為だけに高いお金払って2時間弱拘束されて、それほど良く無いドームのガンガンな音響に放り込まれて聞いた事の無い楽曲聞き続けるなんて、私には絶っ対無理な行動ですもの。
 日本でバカ売れしたアーティスト(女性アーティストが多いかも)の公演に行く度に、もっと小さい箱で好きな人達だけを集めた親和性と密度の高いLiveであったならばと、少しだけ残念な想いを抱きつつ帰る私がいます。何となくですが、観客が受け身なんじゃないのかと感じるんです。折角、Liveに行くんだったらツアーのタイトルになっているアルバムくらいは聞いて、積極的に楽しんだほうが良いんじゃないのか?と。きっと、イベントの一つなんでしょうが、だったら皆で楽しもうよと思うんですよ。受け身じゃなくて、話題性だけじゃなくて、アーティストが作る「世界」で遊ぼうよと。
 確かに、1曲だけでも知ってるだけでも良い事なのかもしれません。が、同じ空間に「アルバムを聴きこんでる」人やそのアーティストの事が大好きな人も少数居る事を、頭の片隅に置いておいて欲しいと我侭な事をお願いしたくなるんです。そんな風に思うくらい、日本でバカ売れしたアーティストのLiveは観客の反応が薄いんです...。もの凄い勝手な事をほざいてるとは思ってます。けれど、音楽が日常から切り離せなくて音楽に時間とお金を費やしてる側としては、折角の音楽やアーティストがそんな簡単に刹那的に消費されてしまう事が、残念で悲しくて何より勿体ない!!と思っちゃうんですよ...

 また、Liveで絶対立て!とも思いません。私が立つのは「この曲を聞くと体が動くんだ!」と思うからであって、他人にまで押し付ける気は毛頭ありません。けれど、周囲を眺めてその雰囲気に合わせるなんて、まっぴらです。これを書いたのは、帰路の車内でおばちゃん達が「一人熱狂的な子居たわね。ずっと立ってるのよ〜。ああいう子って自分の世界に入って、周囲の事なんて考えないんでしょうね〜」とおっしゃってたのが耳に入ったからです。私の事とは思う程自意識過剰ではないですが、それを聞いてLiveに来て何故「周囲の事を考え」なくてはならないのか?自分の世界に入って「音楽を楽しむ」事を暗に非難されなくてはならないのか?と疑問に感じたんです。大多数の方は、確かに確かに彼女達が言う事が最もだとおっしゃるかも知れません。けれど、楽しみ方は千差万別じゃないですか?受け身で刹那的にであるより、積極的に長く楽しんだ方が素敵じゃないですか?話題にならなくても良いんですよ、そういう子達にとったら。好きなアーティストの好きな楽曲を生で聞ける事が「幸せ」なんだと思うんです。それを同じ土俵で判断して、非難しないで欲しいんです。「バカよね〜」って感じで、生暖かく見逃して欲しいとお願いするばかりです。だって、そういう子だって「多数の話題で来てるお客さん」を生暖かく見逃してるじゃないですか(←少数派の悲しみか/笑)。

 愚痴はさて置き、楽曲毎の一言感想をば(11日のsetlistが見つからなかったので、8日のを使ってます。曲順が若干違ってた様な気がします)。

1.I Drove All Night
 『One Heart』1曲目、Cyndi Lauperのカバー。この曲の疾走感と刻み方が大好きなんで、これから始まったのは予想外の喜びでした。勢いと疾走感のあるOPで、これは弾けられるか!?と期待しました。
2.I've Got The Music In Me
 初めて聞いた曲ですが、格好良かったです。気になってWeb&iTSで見てみたら、色々な方が歌っておられる有名な曲みたいです。Kiki Dee.verがyoutubeにありましたので、URL貼付けます。http://www.youtube.com/watch?v=5ucjtmAtGpI
3.The Power Of Love
 言わずと知れた名曲。声の劣化が無いよな〜と、劣化しつつある最愛の某MCを思い出したりして複雑な心境に陥りました(笑)
4.Taking Chances
 『Taking Chances』1曲目。声の変化と巧さを堪能できる曲なので、お気に入りです。ツアーが始まったばかりだからか、それほどアレンジは加えられて無かったです。アレンジしたら面白いだろうな〜と思っていたので、ちょっとだけ残念でした。また、この辺から周囲と同調出来ない私が居ました(苦笑)。これは、どう考えても刻む曲じゃないのか?全身でリズムを取ってノル曲じゃないのか?と疑問符だらけでした(^^;;。けど、後半の盛り上がりに鳥肌が立ちまくりで、言葉もありませんでした。
5.It's All Coming Back To Me
6.Because You Loved Me
7.To Love You More
 メドレー的な感じでした。それ程思い入れも無いので、私は楽曲の良さと巧さと声を堪能してましたが、好きな人には堪らんラインナップだろうな〜と思ったりです。ただ、歌い上げられると、音響があまり芳しく無い場所では聴き辛いかとも。
8.Musical Spanish Segue
 着替えTime。ここまでの黒いミニワンピはちょっと冷や冷や(笑)してました。
9.Eyes On Me
 『Taking Chances』3曲目。異国情緒ある雰囲気とちょっと癖のある歌い方曲調が好きな曲です。中東かと思ってたですが、8の曲名と衣装から鑑みるにどうやらスペインのイメージだったんですね(^^;;。8からの音の流れが非常に巧くて、ほぉと溜息ついておりました。
10.All By Myself
 十八番のバラード。生で聴くと迫力がありました。
11.Musical Intro
 着替えTime。紅のパンツ+白シャツは格好良くて、素敵でした。
12.I'm Alive
 『New Day Has Come』1曲目。元々好きな曲なんですが、Remixで非常に非常に格好良くて大満足でした!!『New Day Has Come』からはこれ一曲だけだったのが、非常に残念で仕方ありませんでした。
13.Shadow Of Love
14.Fade Away
 『Taking Chances』6,14曲目。職場の友人と、アルバム聴いた後に「絶対これはLive向きだよね☆格好いいもの!ノレるもの!!」と大騒ぎしてた2曲です(笑)。予想通りガンガンで、気持ちよかったですよ!しかも、2曲畳み掛けですもの、体だって動きますってば!
15.I'm Your Angel 〜duet with male singer
 秀逸なデュエットでした。素直に美しいと感じ、重なり合う声が心地良くて幸せでした。
16.Alone
 演出が印象的でした。雪と木葉が舞い落ちる中で歌うDion。非常に美しい演出でした。
17.Pour Que Tu Maimes Encore
 母国語であるフランス語の歌。歌について説明があったんですが、フランスで有名な曲ってことまでしか判りませんでした(_;;。母国語だからかな、凄く凄く愛しそうに歌っていたのが印象的でした。
18.A World To Believe In 〜duet with Ito Yuna
 『Taking Chances』10曲目。とてもよかったとおもいます(棒読)。
 愚痴しか出て来ないんですが、よろしいでしょうか?はっきり言ってこの曲もソロで聴きたかったですよ!!よりによってなんで日本語と英語のユニゾンなんですかね(_;;。無茶にも程が有るでしょうよ...。この演出で判明したのは、Dionの懐の深さと、どんな格下であっても同じ歌手として扱う優れた人格と、どんな相手にも合わせられる巧さでした。しつこい様ですが、この曲はDionのソロでちゃんとしっかり聴かせて貰いたかったです!!
 しかし、歌手としての格の違いをあんなにまざまざと見せつけられて、今後大丈夫なのかITOさんは?とちょっと心配になりましたわ。舞台登場時も「あんたはドコゾのアイドルかっ」と突っ込みましたし、歌も雲泥の差だし...一体何がしたかったのかとホント疑問です。てか何より驚いたのは、ITOさんが出て来たときの会場の盛り上がりでした(苦笑)。恐らく、昨日2番目の盛り上がりだったんじゃないでしょうか?私は座席で思いっきり「ソロで聴きたいよぅ...ITOさんなんて知らないよぅ...」と凹んでましたが。
19.We Will Rock You
 言わずと知れたQueenの名曲。ダンサー引き連れての移動が格好良いかったです。これで盛り上がらなくてはどうする?!状態で、盛り上がりました(会場も)
20.Show Must Go On
 Queenについての思い事を話しつつ、この曲へ。映し出されるQueenの映像を眺めて「色物やと思っていたけれど、中々斬新やわ」と一人ごちてました。帰宅後速攻相方のCDラックを漁り、聴きました(笑)。Dion.verも格好よかったですが、やっぱ本家本元は素晴らしかったですわ。
21.Band Medley : Sex Machine→Soul Man→Lady Marmalade→Sir Duke→Respect
 このメドレーは非常に好み。アレンジも良かったし、男性Voも巧くて大満足でした。
 着替えTime。ここまでの衣装が一番好きでした。
22.I Got The Feelin
23.It's A Man's Man's Man's World
24.That's Just The Woman In Me
 あまり印象に残っておりません(_;; どうやらJames Brownの曲みたいです(iTS有り難う/笑)。
25.Love Can Move Mountains
 『All The Way.... A Decade Of Song』の日本盤以外には入ってた曲のよう(有り難うiTS/しつこい)。こういうのを見ると日本盤が良いのか悪いのか判らなくなりますね。日本限定ボーナストラックや限定パッケージなんかも、美味しいのどうかが判らなくなってきたし...。正直、版元がこういう事するから、よっぽど好きなアーティストじゃなきゃお値段のお安い輸入盤で良いかってなるんですよね。歌詞は、余程気になった場合だけ国外のlyricサイトから落して、辞書でちまちま意味調べても問題ないし。つうか、好きな曲だったらこれくらいの作業は労力とは言わないで、遊んでるとすら思えるのが不思議です。
26River Deep Mountain High
 一番最初の『VH1 Divas Live』(1988)で披露した曲。まさか日本公演で聴けるとは!!これもカバーなんですが、Dionの刻む歌い方が格好良くて格好良くて、凄い好きなんですよ。
 実は、『New Day Has Come』を買う動機になったのが、まさにこの曲でした。これを聴かなければ、「Dion=バラード」としか思わずオリジナル・アルバムには手を出さなかったと思います。この曲を聴いて「この人ってこんな歌歌えるんだ〜」と感心したし、楽曲ごとに違う雰囲気を出せるってことに惹かれました。『VH1 Divas Live』も偶々NHK放映を見て、Mariaが出演してる→見なきゃ→どうやら凄い面子らしいってことで最後まで見たんですよ。ホント偶然の重なり合いでした。その後、悩みつつもLive CD&Videoを購入しちゃったり、色々嵌らせてくれた貴重な番組だったですね〜(って思いっきり横道)、
 そんな事より、そんな切欠をくれた曲を生で聴けて本当に嬉しくて仕方なかったです。
27.My Heart Will Go On
 予想通り会場大盛り上がり(苦笑)。確かに名曲だし、生で聴いて改めて良い曲だと思いました。けど、もう解放しても良いんじゃないかなぁと思ったのも事実。